瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 一昨日・昨日と朝から雨で早朝徘徊はお休みしました。今日は桜橋~蔵前橋間を一回りして帰宅しました。


 お約束の通り、今日から英雄Jason(イアーソーン)のお話に移ります。


 


Jason(イアーソーン)はThessalía(テッサリアー、ギリシア中部の地域名)のIolkós(イオールコス)王Aeson(アイソーン)の子ですが、アイソーンが死んだ時にイアーソーンがまだ幼かったため、叔父に当たるPeliās(ペリアース)が王位を継ぎ、イアーソーンはKentauros(ケンタウロス、半人半獣の種族)の賢者Cheirōn(ケイローン、Apollōn〈アポローン〉から音楽、医学、予言の技を、Artemis〈アルテミス〉から狩猟を学んだといわれています)に預けられました。


一説には、ペリアースに王権を奪われて幽閉されたアイソーンがイアーソーンを助けるためにケイローンのところに送ったともいわれています。このころからイアーソーンには女神Hērā(ヘーラー)の加護があったとされます。やがて成人したイアーソーンはイオールコスに戻って王権の回復を求めるのでした。この若者をイアーソーンと知らないペリアースは、若者がサンダルを片方しか履いていないことに気づきます。


実はペリアースは以前に、サンダルを片足だけ履いたものに王位が奪われるであろう、という神託を受けていたのです。そこで王位を手放したくないペリアースは一つの条件を示しました。その条件とは、黒海の果てKolchis(コルキス)にあるという伝説の黄金の羊の毛皮を持ち帰ることでした。


 


伝説の黄金の羊の毛皮とはギリシア神話に出てくる秘宝のひとつで、翼を持つ金色の羊の毛皮のこと。Boeotia(ボイオーティア)王のAthamās(アタマース)はNephelē(ネペレー)と結婚し、Phrixo(プリクソス)とHellē(ヘレー)をもうけまが、Kadmos(カドモス)の娘Īnō(イーノー)に恋をし、彼女と再婚します。アタマースの後妻イーノーの企みによって、プリクソスはZeus(ゼウス)への犠牲として殺されそうになりますが、Nephelē(ネペレー)がHermēs(ヘルメース)から授かった金毛羊を連れて来ましたので、プリクソスはその背に乗ってヘレーとともに脱出します。一説には単にネペレーが金毛羊を2人に授けたとも、あるいはゼウスが2人に金毛羊を送ったともいいます。しかしヘレーは途中で海に落ちて「Hellesponts(ヘレースポントス)」(ヘレーの海)、現在のDardanelles(ダーダネルス)海峡の名前の由来となりました。


プリクソスはCaucasus(コーカサス)地方のコルキスに達しました。この地の王Aiētēs(アイエーテース)はプリクソスを迎え入れ、娘のChalkiope(カルキオペー)をプリクソスの妻として与えました。プリクソスは金毛の羊をゼウスに捧げ、その皮をアイエーテースに贈りました。アイエーテースは、金羊毛をArēs(アレース)の社にある樫の木に打ち付け、眠らない竜(ドラゴン)に守らせました。金羊裘(きんようきゅう)、金色の羊毛、黄金の羊毛、金色羊の革、ゴールデン・フリース(golden fleece)など、さまざまな表記があります。

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1932/02/04
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