瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 純粋なゲームとはどんなものがあるでしょう。囲碁や将棋などは運の要素が入り込む余地がない頭脳戦、それが純粋なゲームだと言えるのかもしれません。対戦相手がたまたま体調が悪いとか、うっかりミスをするとか、奇跡的に良い手を思いつくとか多少は運とも言える要素はあるかもしれませんが、純粋な頭脳戦には違いありません。それ故、囲碁や将棋はギャンブルには成りにくいのではないでしょうか。
 麻雀はゲームの要素とギャンブルの要素がミックスされています。ゲーム7:ギャンブル3くらいでしょうか。ある程度熟達すると、初心者にはまず負けませんが、レベルが近いと必ずしもうまい方が勝つというわけではありません。これはこれで、完成されたゲーム(&ギャンブル)の一つの理想型と言えるでしょう。

 バカラやルーレットは単純に確率に支配されているだけで、胴元であるカジノは始めから大きな控除率を設定していますから、長くやっていれば、負けていきます。


 
 私たちが当たり前のように使っている慣用的な表現の中には、囲碁や将棋はたまた麻雀を語源とするものが意外に多くあります。例えば、「捨石」が囲碁から来た言葉だということは誰でも見当がつくと思いますが、「八百長」や「駄目」などはほとんどの人が囲碁に由来するとは知らずに使っているのではないでしょうか。
 八百長という言葉は、明治時代の八百屋の店主『長兵衛(ちょうべえ)』に由来します。長兵衛は通称「八百長」といい、相撲の年寄『伊勢海五太夫』の碁仲間でした。碁の実力は長兵衛が勝っていましたが、商売上の打算から、わざと負けたりして勝敗をうまく調整し、伊勢海五太夫のご機嫌をとっていました。のちに勝敗を調整していたことが発覚し、わざと負けることを相撲界では「八百長」と言うようになったということです。やがて、事前に示し合わせて勝負する意味も含まれるようになり、相撲以外の勝負でも「八百長」という言葉は使われるようになりました。


駄目とは、やっても無駄なこと、やってはいけないことを意味しますが、パソコンの『語源由来辞典』によると、
 〈ダメは囲碁用語で、双方の境にあってどちらの地にも属さない所を意味する「駄目」。 この場所に石を置いても自分の地とならず無駄な目になることから、ダメは「やっても甲斐のないこと」「してはいけないこと」を意味するようになった。〉とあります。
◆囲碁から生まれた言葉
 一目置く【いちもくおく】 一般的な意味:優れている他人をを認めること  囲碁での意味:初期配置で石を1つ置くハンディのこと
 活路【かつろ】 一般的な意味:苦しい状況から生き延びる方法  囲碁での意味:石が生きる道
 死活(問題)【しかつ(もんだい)】  一般的な意味:死ぬか生きるか(の問題)  囲碁での意味:石が生きるか死んでしまうか(の問題)
 白黒つける【しろくろつける】  一般的な意味:物事の善悪や勝ち負けをハッキリさせること  囲碁での意味:-(囲碁は白石と黒石で勝負する)
 捨て石【すていし】  一般的な意味:将来のためにあえて犠牲になること  将棋での意味:相手にわざと取らせる石
 駄目【だめ】  一般的な意味:良くないこと  囲碁での意味:打つ価値の無い場所、石の呼吸点

 布石【ふせき】  一般的な意味:将来の準備  囲碁での意味:序盤の要所に置く石
 目算【もくさん】  一般的な意味:大まかな計算  囲碁での意味:自分の陣地を数えること◆囲碁から生まれた可能性がある言葉
 玄人【くろうと】  一般的な意味:ある分野について専門的な人  将棋・囲碁での意味:-(囲碁の黒石を持つ人という意味から来ている説がある)
 素人【しろうと】  一般的な意味:専門的な知識や技術を持たない人  将棋・囲碁での意味:-(囲碁の白石を持つ人という意味から来ている説がある)
◆将棋・囲碁両方から生まれた言葉
 後手に回る【ごてにまわる】  一般的な意味:遅れを取ってしまうこと  将棋・囲碁での意味:-(後手という言葉自体が将棋・囲碁から生まれた言葉)
 定跡/定石【じょうせき】  一般的な意味:決められか行動  将棋・囲碁での意味:ある程度定まった序盤の戦術(将棋は定跡、囲碁は定石と書く)
 先手必勝【せんてひっしょう】  一般的な意味:先に攻撃を仕掛け必ず勝つこと  将棋・囲碁での意味:-(先手という言葉自体が将棋・囲碁から生まれた言葉)
 手筋【てすじ】  一般的な意味:何かを行う決まった手段  将棋・囲碁での意味:状況によって決められた指し方・打ち方
 盤外戦術  一般的な意味:本来の戦いではないところで行われる心理的な作戦行動  将棋・囲碁での意味:盤上以外で行う心理戦
 待った【まった】  一般的な意味:不都合なこと1度やり直すこと  将棋・囲碁での意味:1手前の状況に戻すこと  ※相撲の立会いが語源かもしれない


◆将棋から生まれた言葉
 王手【おうて】  一般的な意味:追い詰めた、もしくは追い詰められた状況  将棋での意味:王に駒がぶつかっている状況
 将棋倒し【しょうぎだおし】  一般的な意味:人混みが立てた将棋の駒のように次々と倒れること  将棋での意味:-(指し将棋では使われない言葉)
 捨て駒【すてごま】  一般的な意味:あえて犠牲になること  将棋での意味:駒をあえて捨てる作戦
 詰み【つみ】  一般的な意味:どうしようもない状況  将棋での意味:防ぎようのない王手
 高飛車【たかびしゃ】  一般的な意味:高圧的な態度または人  将棋での意味:飛車を高い位置で戦うこと

 成金【なりきん】  一般的な意味:急に金持ちになること  将棋での意味:-(弱い駒が成ると金と同じ動きになる)
 必死/必至【ひっし】  一般的な意味:死ぬ気で頑張ること/必然的な出来事  将棋での意味:後1手で詰み、その状況を回避できない状況(勝つには相手の玉を詰ますしかない状況)  ※将棋では必死とも必至とも書く
 持ち駒【もちごま】  一般的な意味:手元にある人や物  将棋での意味:相手から取っていつでも使える駒
 両取り【りょうどり】  一般的な意味:何か2つのものを獲得できる状況  将棋での意味:2つの駒を取れる状況
◆麻雀から生まれた言葉
 安牌【あんぱい】  一般的な意味:安全な人や事柄  麻雀での意味:相手にロンされることのない捨て牌
 オーラス  一般的な意味:これで終わりという状況  麻雀での意味:最後の1局
 ちょんぼ  一般的な意味:うっかりしたミス  麻雀での意味:役が揃っていないのに和了るなどの反則行為
 ツモる  一般的な意味:何かが終了したこと  麻雀での意味:門前で和了ること、山から牌を持ってくること
 テンパる  一般的な意味:余裕がなく混乱している状況  麻雀での意味:後1手で和了れる状態のこと
 パイ〇ン  一般的な意味:・・・(ご自身でお調べください)  麻雀での意味:白牌の中国読み
 面子を揃える【めんつをそろえる】  一般的な意味:(ゲームなどで)人数を揃えること  麻雀での意味:必要な牌を揃えること
 立直【りーち】  一般的な意味:何かが揃うまで後一つの状況  麻雀での意味:テンパイを他のプレーヤーに宣言すること、またその役

 連荘【れんちゃん】  一般的な意味:何かを連続で行うこと  麻雀での意味:1人が親を連続で務めること


 


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目高 拙痴无
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1932/02/04
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くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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