G20に初参加した英国のメイ首相は、EU主要国や大英帝国時代に支配したインドの首相他の首脳たちと会談し、それなりの存在感を示していたようです。世界の元首・首長に“女性時代”の到来がきたようです。
国連常任理事国では、英国のメイ首相(2016)に次いで、米国初の女性大統領にクリントン氏が就任する可能性は高いといわれています。EUを牽引してきたドイツのメルケル首相(2005)以降では、ブラジルのルセフ大統領、パク・クネ(朴槿恵)韓国大統領(2013)、2014年にマルタのコレイロプレカ大統領、バングラデシュのワセド首相、2015年はモーリシャス大統領、ノルウエーとポーランドの首相、ミャンマーのスーチー国家最高顧問が就任しました。今年は、リトワニア大統領、英国首相が、国家元首として女性リーダーの時代を築きつつあります。国連機関や世界銀行・FRBなどの独立組織の首長で活躍している女性も少なくありません。
嘗ては日本にも飛鳥時代から奈良時代にかけて女帝時代がありました。最近では東京都知事小池百合子が都民・国民の耳目を集めているようですが、“戦後強くなったのは女と靴下”と、男性に揶揄された女性社会進出をマッカーサーの占領政策のせいにする向きが後を絶たないのは未だに「男社会」が健在である証拠です。これが今の日本の現状です。
昨日の朝日新聞(文化の扉)のページに「古代日本女帝の時代」が取り上げられていましたので、転写しておきます。
(文化の扉)古代日本、女帝の時代 男系社会の行き詰まり打開 ―― かつての日本には、女性が政治の権力を握っていた「女帝」の時代があった。しかも、彼女たちは特定の時期にかたまって現れていたという。それは、どのような時代だったのだろう。
7、8世紀は「女帝の世紀」といわれる。この間、6人の女性天皇が登場したからだ。当時の天皇は政治を取り仕切る権力者。8世紀の「養老律令」にある継嗣(けいし)令には女性天皇を「女帝」と記述している。
6人の最初に登場した推古天皇は崇峻(すしゅん)天皇が蘇我馬子に殺害されるという異常事態の直後に即位。その後の女帝たちの即位も、皇位継承に伴って起きる有力氏族の対立を和らげるためだったとされる。そのため、女帝の存在を皇位の「中継ぎ」とみる見方もある一方、数々の業績から政治力も経済力も備えていたとの見解もある。
瀧浪(たきなみ)貞子・京都女子大学名誉教授は「皇太子を決めないまま天皇が没するなどしたときに必要とされた女帝は男系社会での緩衝材で、もしいなければ混乱は増していた」と指摘する。「中国や朝鮮半島より早く誕生した日本の女帝は古代日本に根ざした存在。国史の編纂(へんさん)や遷都など文化的に果たした役割は大きい」
平安時代になると、皇太子制度が整備されて次期天皇が明確化されたことなどにより女帝はみられなくなり、その後、政治の実権は武士に移っていった。
*
3世紀には女王もいた。卑弥呼だ。だが、ほかに多くの女性首長がいたことも近年わかってきた。
岡山大学の清家(せいけ)章教授は、墳丘墓に残された人骨や、副葬品の種類とその配置を調べることで被葬者が男性か女性かを判別した。弥生中期までは首長として葬られた女性はいなかったが、弥生後期には女性の被葬者が現れ始めた。古墳前期に入るとその傾向は強まり、全国の首長のうち3~5割が女性とみられるという。
この時期は戦争や争乱を推察させる資料が比較的少ない。政治、祭祀(さいし)、軍事といった首長に求められる素養のうち、男性優位の軍事への期待が低くなったためと考えられる。「女性首長が一般的な存在になる時期に登場した卑弥呼とその後の台与(とよ)は特異な存在ではなく、女王が受け入れられやすい素地があった」と清家教授は話す。
清家教授は一方で、卑弥呼の優位性についても言及する。「本来であれば、父系社会の中国王朝に対して男王が外交にあたる必要があったし、海外諸国と衝突が起こることを考えて王には軍事的な能力も求められた。そうした不利益があっても女王に共立されたのは卑弥呼の政治や祭祀に関する能力が高かったからだろう」
古墳中期になると、首長として葬られる女性が消え、男性だけになる。男王を基本としながら一時的に首長層の女性の地位が上がった時代があったという清家教授の研究結果。これは、邪馬台国がかつて男王を立て、卑弥呼を経て、再び男王を立てたとする魏志倭人伝の記述にも沿う。
政治的背景や社会的背景と個人の能力が相備わって、女帝や女王は君臨しえたといえる。
■ 女性は言葉で、男性は戦で 脳科学者・中野信子さん
女性は脳の「言語野」の容量が男性より大きく、言語能力が高い。男性が1日あたり7千の単語を話すのに対して、女性は2万を超えるという研究結果があります。女性は言語的存在であり、言葉を使って大衆を束ねるリーダーに向いていると言えます。
ただ、過去の指導者には言葉よりも戦(いくさ)での能力が求められる傾向がありました。その点では男性が有利です。男性は脳の「頭頂連合野」が女性より発達していて空間認知能力が高いので、戦場での陣形や地形を把握するのが得意だからです。これは地図を逆から読めるかなどを検証する実験結果からも男女の差が明らかになっています。
今後、女性の得意な言語能力がより求められる世界になれば、日本にも女性トップが現れる可能性があります。実際、海外で女性首相が増え、外交の場で女性同士が議論する場が増えています。 (朝日新聞DIGITAL 2016年9月25日05時00分)
あるようですね。私もいろんな意見を興味深く読んでおります。
そんな中、現代あるいは未来にわたって、皇位の継承が「男系男子」であるべき理由で、得心のいく説明にまだ行き当たりません。
竹田恒泰氏によると「もはや理由などどうでもよいのである。特定の目的のために作られたものよりも、深く、複雑な存在理由が秘められていると考えなくてはいけない。」だそうです。
でもいいのか?そんなんで。
いま流行の「炎上」をしてはいけないので、叔父上のblogで意見を伺おうとは思っておりません。
誰か「ほんとのところ」を教えてくれないかな~。と
つぶやいただけです。では。
sechin@nethome.ne.jp です。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |