瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
現代に残っているAristarchus(アリスタルコス)の唯一の著作である『太陽と月の大きさと距離について』は地球中心説(天動説)の世界観に基づくものである。しかし、記録に残されている引用句を通じて、Aristarchus(アリスタルコス)がこれに代わる太陽中心説の仮説を提唱した別の書物を著していたことが明らかになっている。Pappus(パップス)の論文集「小天文学」に収録されている。10世紀ごろにアラビア語に翻訳されており、15世紀ごろにラテン語訳が刊行された。ギリシア語のテキストは1700年ごろに出版された。1800年ごろにフランス語訳およびドイツ語訳が出版された。Archimedes(アルキメデス)は小文『砂粒を数えるもの』の中で以下のように書いている。
「ゲロン王陛下は、『宇宙』という語は多くの天文学者によって、地球の中心をその中心とし、太陽の中心と地球の中心を結ぶ直線をその半径とする球に対して付けられた名称であることをご存知でしょう。この説明は、陛下が天文学者たちからお聞きになったのと同様、一般によく知られております。しかしAristarchus(アリスタルコス)はある本の中で、いくつかの仮定から導かれる帰結として、宇宙は先ほど述べました「宇宙」よりも何倍も大きいとの仮説を提唱しております。彼の仮説によれば、恒星と太陽は不動で、地球は太陽の周囲のある円周上を回転し、太陽はその軌道の中ほどに位置します。恒星天球の中心は太陽とほぼ同じ位置にあり、その大きさは非常に大きく、地球が回転するという円の大きさと恒星までの距離の比は、恒星天球の中心までの距離と天球表面までの距離の比に等しくなると言います。」
Aristarchus(アリスタルコス)はこのように、恒星はほぼ無限に遠い距離にあると考えていた。彼はまたこのことが、恒星に視差(地球が太陽の周囲を公転することで恒星の見かけの位置が変化する現象)が見られない理由であると考えた。実際、恒星までの距離は古代に考えられていたよりもはるかに大きいため、恒星の視差は望遠鏡を使わなければ検出することができない。しかし地球中心説はより単純な仮定に基づいており、視差が観測されない理由についても(地球が不動だから、という)より明確な説明を与える。このため、太陽中心説に対する反発は非常に強いものとなった。例として、Plutarchus(プルタルコス)は以下のように書いているという。
「(Aristarchusと同時代のストア派哲学者Cleanthes〔クレアンテス、BC 331?―232?年〕は、)ギリシャ市民には、宇宙の中心(地球)を動かし、……天が不動である一方で、地球は自らの軸の周りを自転すると同時に傾いた円の上を周回する、などと想像した不敬の罪でSamos(サモス)のAristarchus(アリスタルコス)を告発する義務がある、と考えた。」
Aristarchus(アリスタルコス)は、月が上弦または下弦の時には太陽と月と地球がほぼ直角三角形を作ると述べた。彼はこの時の地球から見た月と太陽の離角を約87度と見積もった。この値を用いれば三角形の幾何学から太陽までの距離を求めることができる。Aristarchus(アリスタルコス)は計算によって、太陽は月よりも約20倍遠い距離にあると結論した。実際には上弦または下弦の時の月の離角は約89度50分で、太陽は月よりも約390倍遠い距離にある。Aristarchus(アリスタルコス)が用いた幾何学は正しかったが、観測した離角の値があまり正確でなかった。また彼は、月と太陽は見かけの角直径がほぼ等しいため、両者の実際の直径は各々の地球からの距離に比例するはずだと指摘した。ここから彼は、太陽は月よりも20倍大きいという結論を観測データから論理的に導いた。この数値自体は観測が不正確だったために間違っていたが、この推論は太陽が地球よりも明らかに大きいことを示唆しており、太陽中心説を支持する材料となりうるものだった。
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