瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
al-Khwārizmī (アル=クワーリズミー)の算術についての著作では10進位取り記数法とそれを基にした計算が説明され、しかもこれがアラビア語による最初のものであった。この著作のオリジナルは見付かっていないが、1857年にこのラテン語訳と思われるものがケンブリッジ大学の図書館で見付かっているという。これは12世紀にイギリスのAdelard(アデラード) of Bath(バース)〔1080?~1152?年、イングランドの自然哲学者で、自身の著作の他に、占星術、天文学、哲学、数学などの古代ギリシア語で書かれアラビア語に訳された作品やもともとアラビア語で書かれた作品をラテン語へ翻訳したことで知られる〕がラテン語に翻訳したものらしい。
al-Khwārizmī (アル=クワーリズミー)の著作の断片や写本から見てこの本の標題は『Kitāb al-Jām'a wa'l-Tafrīq bi'l-Hisāb al-Hindī〔キターブ アル=ジャム ヴァ=ト=タフリク ビ ヒサーブ アル=ヒンド、インド風の計算によるたし算とひき算の本、825年〕』となるのだそうだ。この本はインド数学の記数法を扱った最古のアラビア語文献。四則演算、代数方程式の解法、二次方程式、幾何学、三角法、数の十進法表記で〔0〕ゼロ を空いている桁に使用することなどが書かれている。また、60進分数についても書かれていて、今日のfraction〔分数〕という言葉は彼の用語カスルをとったもので、アラビア語の割る〔kasra(カスラまたはカサラ)〕からきたのだそうだ。
Chester(チェスター)のRobert(ロバート)により Algoritmi de numero Indorum (『アルゴリトミ・デ・ヌーメロ・インドルム 』)という題でラテン語に訳され、西洋に紹介された。この翻訳本は通称『Algoritmi(アルゴリトミ)』と呼ばれ、500年にわたってヨーロッパの各国の大学で数学の主要な教科書として用いられた。計算の手順を意味するアルゴリズム (Algorithm) やオーグリム (augrim) という言葉はこの書の冒頭 Algoritmi dicti (アル=フワーリズミーに曰く) に由来する。
※ Robert(ロバート) of Chester(チェスター):12世紀において数学、天文学、錬金術、qur'ān〔クルアーン、コーラン〕等の文献をアラビア語からラテン語に翻訳し紹介した人物。イギリス人。名前は
Robertus Retinennsis, Robertus Ketensis, Robert de Ketene, Robert de Retines, Robertus Cataneus, 等表記される。
al-Khwārizmī (アル=クワーリズミー)の代数学の著作は算術の著作よりも完全な形で今日まで伝わっている。これはオックフォード大学の図書館に、アラビア語による代数学の手稿があり、さらにラテン語に訳された手稿もいくつか残されているからだという。この著作のアラビア語による標題は『アル=キターブ アル=ムフタサール フィ ヒサーブ アル=ジャブル ヴァ=ル=ムカバーラ〔代数およびアルムカバーラ〈消約〉についての短い著作〕』である。〈左図参照〉
この本は代数学独自の部門、商取引についての短い章、すなわちインド人の方法に拠る三数法についての章、代数学を使った測量、遺産相続の計算についてかなり詳しく説明した章で終っているそうで、al-Khwārizmī (アル=クワーリズミー)は記号を全く使わないで、彼の説明は言葉だけを使い、非常に詳しいのが特徴であるといわれている。また、この本は最古の代数学書のひとつで、のちにラテン語に訳され、アル=ジャブルという語は、英語のアルゼブラ(代数学)の語源となった。Jabr(ジャブル)は「バラバラのものを再結合する」という意味の jabara(ジャブラ)を語根とする語で「移項する」を原義とし、方程式の両辺に等しいものを加えて負の項を消去する過程を表している。また、a'l muqābala(アル=ムカーバラ)は「縮小」を意味し、方程式の両辺の正の数から同じ数を引いて同類項を消去する過程を表している。
この著作にはプラス記号、マイナス記号、アラビア数字は使用されていない。未知数はjadhr〔ジャズル、根〕 あるいはjidhr(ジズル、「もの」) と表現し、また平方はmal〔マール、元は財産を表す語 〕、立方はkab(カーブ )と表現した。al-Khwārizmī (アル=フワーリズミー)はこれらの言葉を用いて、方程式を6つに分類した。すなわち、1次と2次の方程式が6つの形の方程式、
・ 根が平方に等しい: bx= ax²
・ 根が数に等しい: bx= c
・ 平方が数に等しい: ax² = c
・ 平方と根が数に等しい: ax² + bx = c
・ 根と数が平方に等しい: bx+ c = ax²
・ 平方と数が根に等しい: ax² + c = bx
になることを述べているが、これらの形を導くためにal―jabr〔アル=ジャブル、移項)とal-muqābala(アル=ムカバーラ、消去)の演算が使われている。a、b、c は正の整数にあたる。フワーリズミーは、これらを解く公式を与え、いくつかには幾何学的な説明を加えている。
本書の後半には、イスラーム法の遺産相続についての問題が書かれている。配偶者や血縁以外の第三者にも遺産がある場合の分配法が複雑だったため、法律面でもal-Khwārizmī (アル=フワーリズミー)の著作は重視された。
al-Khwārizmī (アル=クワーリズミー)の著作の断片や写本から見てこの本の標題は『Kitāb al-Jām'a wa'l-Tafrīq bi'l-Hisāb al-Hindī〔キターブ アル=ジャム ヴァ=ト=タフリク ビ ヒサーブ アル=ヒンド、インド風の計算によるたし算とひき算の本、825年〕』となるのだそうだ。この本はインド数学の記数法を扱った最古のアラビア語文献。四則演算、代数方程式の解法、二次方程式、幾何学、三角法、数の十進法表記で〔0〕ゼロ を空いている桁に使用することなどが書かれている。また、60進分数についても書かれていて、今日のfraction〔分数〕という言葉は彼の用語カスルをとったもので、アラビア語の割る〔kasra(カスラまたはカサラ)〕からきたのだそうだ。
Chester(チェスター)のRobert(ロバート)により Algoritmi de numero Indorum (『アルゴリトミ・デ・ヌーメロ・インドルム 』)という題でラテン語に訳され、西洋に紹介された。この翻訳本は通称『Algoritmi(アルゴリトミ)』と呼ばれ、500年にわたってヨーロッパの各国の大学で数学の主要な教科書として用いられた。計算の手順を意味するアルゴリズム (Algorithm) やオーグリム (augrim) という言葉はこの書の冒頭 Algoritmi dicti (アル=フワーリズミーに曰く) に由来する。
※ Robert(ロバート) of Chester(チェスター):12世紀において数学、天文学、錬金術、qur'ān〔クルアーン、コーラン〕等の文献をアラビア語からラテン語に翻訳し紹介した人物。イギリス人。名前は
Robertus Retinennsis, Robertus Ketensis, Robert de Ketene, Robert de Retines, Robertus Cataneus, 等表記される。
al-Khwārizmī (アル=クワーリズミー)の代数学の著作は算術の著作よりも完全な形で今日まで伝わっている。これはオックフォード大学の図書館に、アラビア語による代数学の手稿があり、さらにラテン語に訳された手稿もいくつか残されているからだという。この著作のアラビア語による標題は『アル=キターブ アル=ムフタサール フィ ヒサーブ アル=ジャブル ヴァ=ル=ムカバーラ〔代数およびアルムカバーラ〈消約〉についての短い著作〕』である。〈左図参照〉
この本は代数学独自の部門、商取引についての短い章、すなわちインド人の方法に拠る三数法についての章、代数学を使った測量、遺産相続の計算についてかなり詳しく説明した章で終っているそうで、al-Khwārizmī (アル=クワーリズミー)は記号を全く使わないで、彼の説明は言葉だけを使い、非常に詳しいのが特徴であるといわれている。また、この本は最古の代数学書のひとつで、のちにラテン語に訳され、アル=ジャブルという語は、英語のアルゼブラ(代数学)の語源となった。Jabr(ジャブル)は「バラバラのものを再結合する」という意味の jabara(ジャブラ)を語根とする語で「移項する」を原義とし、方程式の両辺に等しいものを加えて負の項を消去する過程を表している。また、a'l muqābala(アル=ムカーバラ)は「縮小」を意味し、方程式の両辺の正の数から同じ数を引いて同類項を消去する過程を表している。
この著作にはプラス記号、マイナス記号、アラビア数字は使用されていない。未知数はjadhr〔ジャズル、根〕 あるいはjidhr(ジズル、「もの」) と表現し、また平方はmal〔マール、元は財産を表す語 〕、立方はkab(カーブ )と表現した。al-Khwārizmī (アル=フワーリズミー)はこれらの言葉を用いて、方程式を6つに分類した。すなわち、1次と2次の方程式が6つの形の方程式、
・ 根が平方に等しい: bx= ax²
・ 根が数に等しい: bx= c
・ 平方が数に等しい: ax² = c
・ 平方と根が数に等しい: ax² + bx = c
・ 根と数が平方に等しい: bx+ c = ax²
・ 平方と数が根に等しい: ax² + c = bx
になることを述べているが、これらの形を導くためにal―jabr〔アル=ジャブル、移項)とal-muqābala(アル=ムカバーラ、消去)の演算が使われている。a、b、c は正の整数にあたる。フワーリズミーは、これらを解く公式を与え、いくつかには幾何学的な説明を加えている。
本書の後半には、イスラーム法の遺産相続についての問題が書かれている。配偶者や血縁以外の第三者にも遺産がある場合の分配法が複雑だったため、法律面でもal-Khwārizmī (アル=フワーリズミー)の著作は重視された。
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