瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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  紀元7世紀頃にアラビアでは回教がおこって非常な勢いを占め、アラビアは強力な宗教国となった。そしてその宗教と武力でペルシャを合併し、さらに地中海沿岸、エジプト、さらにはスペインまで征服してしまった。代々の教主はいずれも学問の保護と奨励に力を入れたので、アラビアは宗教国としてばかりでなく、文化国家としても栄えた。そして、今までに述べたユークリッド、アルキメデス、ディオファントス、トレミーなどの書物は次々とアラビア語に翻訳され、ギリシアの数学はアラビアに伝えられることになった。
 また、アラビア人たちは商人として方々へ旅行したので、インドの数学もまたアラビアへ輸入されていった。現に先だって述べたインドの記数法はまずアラビアへ伝えられ、ついでヨーロッパに伝えられた。したがって、インドで発明された1、2、3、4、5、6、7、8、9、0という数字はヨーロッパではアラビア数字とよばれている。
 以上のようなわけであるから、アラビアの数学にはさしたる独創性は認められないが、ギリシアの数学とインドの数学の結合においてみるべきものが少なくないといえる。
 アラビアの数学者al-Khowarizmi〔アルコワリズミ、825年頃〕は、『al―gebr w’almuqabala(アルジェブル・ワルムカバラ)』という代数学の書物を書いており、その中でかれは、例えば1次方程式
  5x-7=3x+5 の解決をつぎのように説明している。
 まず、両辺に、7を加えれば  5x=3x+5+7  ∴ 5x=3x+12
 次に、両辺から 3x を引けば、 5x-3x=12   ∴ 2x=12
 両辺を2で割って  x=6
 
 以上のように 5x-7=3x+5  から  5x=3x+5+7  を導くこと、すなわち現在我々が使っている語でいえば「移項」を、al-Khowarizmi〈アルコワリズミ〉は「al-gebr〈アルジェブル〉」とよび、 5x-3x=2x のように同類項をまとめることを「al-jabr wal-muqabala〔アルジェブル・ヴ・アルムカバラ、意味は足したりひいたりすること〕」と呼んだという。
 現在代数学を意味する「algebra(アルジェブラ)」という言葉はこのalgebr からきているといわれる。また、現在計算法を意味する algorithm(アルゴリズム)という言葉はal-Khowarizmi〈アルコワリズミ〉の名前から出ているものだといわれている。
 また、アラビアの人たちは、幾何学的な図形を利用して代数学公式を証明したという。
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