ギリシア神話に登場する天空神です。全宇宙を最初に統べた神々の王とされています。Ouranos(ウーラノス)とはギリシア語で 「天」 の意味で、天の神格化でしょう。ウラノスとも表記します。
Gaîa(ガイア)の息子であると同時に親子婚した夫でもあり、ガイアとの間にクロノスらティーターン12神(前出―昨日のブログを参照)を設けます。また、キュクロープス(一つ目の巨人)やヘカトンケイル(百本の手を持つ巨人)もウーラノスとガイアとの間の子供ですが、ウーラノスはその醜怪さを嫌い、彼らをTartaros(タルタロス、奈落)に幽閉してしまいます。子どもたちの母であるガイアは悲しみ、ウーラノスへの報復を考え、子供たちに復讐を呼びかけたのです。子供たちは当初、父を恐れ誰も名乗り出ませんでしたが、末っ子のKronos(クロノス)が自ら名乗りを上げ、ガイアの作った刃(やいば)が魔法の金属・adamas(アダマス)で作られた大鎌を受け取り、ウーラノスへ復讐することとなります。
その夜、クロノスがガイアに導かれた場所へ行くと、ウーラノスは妻ガイアにかぶさるようにして寝ていました。クロノスは大鎌でウーラノスの男性器を切り落としたのです。これを受け、自らの行動を恥じたウーラノスはガイアのもとを去ったといいます。これよりクロノスが神々の王となりますが、この時クロノスはウーラノスに「やがてお前も自分の息子に王位を退けられることになるだろう」と言われ、この言葉はクロノスの脳裏に焼きつくこととなったといいます。
※農耕神クロノスの武器。この世で最も硬い金属とされるadamas(アダマス)製で、凄まじい切れ味を誇る。大地の女神ガイアが夫ウラノスを去勢するために作り、クロノスに与えたもので、彼の失脚後はゼウスが所有する。後世クロノスが時の神と見なされるようになったことから、絵画などにおいてはすべてを刈り取る「時の翁の鎌」として描かれる。adamas(アダマス」とはダイヤモンドの語源で、「(何事にも)屈しない」「征服できない」という意味です。
ギリシアでは、天は元来暗いものと考えられていまして、Hēmerā(ヘーメラー、昼の光)は天の上のAithēr(アイテール、清明な大気)にあるものとされていました。ウーラノスは「星ちりばめたる」という称号を持ち、全身に銀河を散りばめた宇宙の神と考えられていたのです。夜に暗くなるのは、彼がガイアと交わる為にNyx(ニュクス、夜)を伴って大地に近づくためだといわれています。
sechin@nethome.ne.jp です。
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