神々が生まれる以前、宇宙には何もないChaos(カオス、混沌)が広がっていたといわれ、そこにGaîa(ガイア)が生まれたとされます。ガイアは自らの力だけで天の神Ouranos(ウーラノス)、海の神Pontos(ポントス)、暗黒の神Erebos(エレボス)、愛の神Erōs(エロース)を産み、母となります。エロースの働きでウーラノスと親子婚し夫ととます。そして、ウーラノスは神々の王となったのです。
そしてウーラノスとの間にクロノスをはじめとする男女6柱ずつの子どもを生みました。これがティーターン(巨神)です。
※ ティーターン12神
Ōkeanos(オーケアノス):ウーラノスとガイアの息子でTītān(ティーターン)一族の長兄に当たる。同じティーターンの女神であるTēthȳs(テーテュース)との間に、数3000、すなわち無数の娘をもうけたとされる。これをŌkeanides(オーケアニデス、大洋の娘)と言う。更に テーテュースとのあいだに、3000を越える、河神の息子をもうけたとされる。/謀略を嫌う性格とされ、クロノスがウーラノスから王位を奪った時には、ティーターンの中でも、謀議に加わらなかったという。また、Tītānomakhiā(ティーターノマキアー)の際にも、娘のステュクスに対し、いち早くゼウスに降伏するよう勧めた。
Coeus(コイオス):Phoibē(ポイベー)を妻とし、レートー、アステリアー姉妹をもうけた。したがってコイオスはアポローン、アルテミス、またヘカテーの祖父でもある。/ほとんど系譜上の存在であり、特に説話らしい説話は伝えられていない。
Kreios(クレイオス):ポントスとガイアの娘エウリュビアーとの間に、アストライオス、ペルセース、パラースをもうけた。/ほとんど系譜上の存在で、説話らしい説話は伝えられていない。
Hyperīōn(ヒュペリーオーン):Theiā(テイアー)の夫で、Hēlios(ヘーリオス、太陽神)、Selēnē(セレーネー、月の女神)、Ēōs(エーオース、暁の女神)の父である。一説にヒュペリーオーンの妻はアイトラーとも、バシレイアともいわれる。/Diodooros Sikheliootees( ディオドロス・シケリオテス、BC1世紀頃シチリア島で生まれた古代ギリシアの歴史家、ユリウス・カエサル、アウグストゥスと同時代の人物)によると、ヒュペリーオーンは初めて天体の運行と季節の変化の関係を人々に教えたとされる。/なおホメーロスの『オデュッセイア』では、ヒュペリーオーンという名は太陽神ヘーリオスの呼称としても用いられ、このためヒュペリーオーンとは元来ヘーリオスの別名にすぎなかったのではないかとも考えられている。
Īapetos(イーアペトス):Klymenē(クリュメネー、オーケアノスの娘)の間に、アトラース、メノイティオス、プロメーテウス、エピメーテウスを設けたとされる。/ティーターノマキアーの際には、他の兄弟たちとともにゼウス側に対して激しく戦うも敗れ、タルタロスの領域に落とされたという。また、彼の息子達も皆ゼウスと敵対している。
Kronos(クロノス):ウーラノスとガイアの息子でティーターンの末弟。レアーの夫であり、ハーデース、ポセイドーン、ゼウスおよびヘーラー、ヘスティアー、デーメーテールの父でもある。またピリュラーとの間にはケイローンをもうけた。
Theiā(テイアー): ヒュペリーオーンの妻で、ヘーリオス(太陽)、セレーネー(月)、エーオース(暁)たち兄弟姉妹の母でもある。/しかしDiodooros Sikheliooteesではテイアーはティーターンに加えられていない。
Rheiā(レアー):レアーがクロノスとの間に産んだ神々はヘスティアー、デーメーテール、ヘーラー、ハーデース、ポセイドーン、ゼウスである。
Themis(テミス):テミスは「正義の女神」と見なされることが多いが、近代・現代的な意味での「正義」とは異なっている。むしろ、古代ギリシア語で正義に該当する神は、ディケー女神である。ギリシア神話においては、ティーターンとオリュンポス神の戦いの後、敗れたティーターンは主要な神の地位を失い、神話においても多くの神が言及されなくなり、また地位が低下している。オリュンポスの時代になって、なおその地位と威勢を変わりなく維持した神はテミスだけである。
Mnēmosynē(ムネーモシュネー、記憶):エレウテールの丘の主で、ピーエリアにおいてゼウスと9日間に渡って添い臥し、人々から苦しみを忘れさせる存在として9人のムーサたちを産んだという。/ムネーモシュネーは名前をつけることを始めたとされ、また学問の道を究めるときにはムネーモシュネーとムーサたちに祈願された。
Phoibē(ポイベー):コイオスの妻で、レートー、アステリアー姉妹の母である。したがってアポローンとアルテミス、またヘカテーの祖母である。/その名は輝く女を意味し、光明神と考えられる。また、この名は月神としてのアルテミスの呼称としても用いられる。/一説によると、ポイベーはデルポイの神託所の創始者で、後にここを孫のアポローンに譲ったともいう。
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