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  ギリシア神話では、天地は神によって作られるものというより、むしろ神が天地そのものであり、神々の誕生の系譜がそのまま天地の由来とされます。このような系譜を神統記といいますが、以下にヘーシオドス『神統記』に見られる、ギリシア神話の創造神話(神統記)を示すことにします。

 

 

1)天地の前にはChaos(カオス、混沌)のみが存在した。

2)カオスから最初にGaî(ガイア、大地)、Nyx(ニュクス、夜)、Erebos(エレボス、闇)、Erōs(エロース、愛)、Tartaros(タルタロス、奈落の底)が生まれた。(エロースについてはアプロディーテーの息子という説もある。)

3)ニュクスとエレボスからaithēr(アイテル、光)とHēmerā(ヘメラ、昼)が生まれた。

ガイアは自力で、Ouranos(ウーラノス、天)を産んだ。

5)ガイアはウラノスとの間にTītān(ティーターン)たちを産んだ。

6)ティーターンには、Ōkeanos(オーケアノス、大洋)、Kronos(クロノス、農業)、Mnēmosynē(ムネーモシュネー、記憶)、Rheā(レアー)、Hyperīōn(ヒュペリオン)、コイオス、クレイオス、イーアペトス、テミス、テーテュース、テイアがいる。

7)Ourano(ウラノス)は子供に地位を奪還されまいとしてティーターンたちをGaî(ガイア、大地)に押し込めた。

怒ったガイアの命を受けたKronos(クロノス)がウーラノスを去勢し、去勢された男根の泡から美と愛の女神Aphrodītē(アプロディーテー)が生まれた。

9)ヒュペリオンとテイアの間に太陽(ヘーリオス)と月(セレーネー)が産まれた。

10)クロノスはレアーとの間にZeus(ゼウス)、Poseidōn(ポセイドーン)、Hādēs(ハーデース)、Hestia(ヘスティア、炉)、Dēmētēr(デーメーテール)、Hērā(ヘーラー)を産んだ。

Hādēs(ハーデース):地下の鉱物資源の守護神でもあることからPlūtōn(プルートーン、富める者)とも呼ばれる。

11クロノスは子孫に地位を奪回されると予言されていたため、子供を次々と飲み込んだ。

12)ゼウスだけがレアによって難を逃れ、Cyclops(キュクロープス、1つ目の巨人)やHekatoncheir(ヘカトンケイル、50100手の巨人)と共にTītānomakhiā(ティタノマキア)でクロノス達を倒し、Tartaros(タルタロス、奈落)に幽閉した。

13)ゼウスが世界の支配者となり、人間がPromētheus(プロメーテウス)の手によって作られた。

14)その後、女がHēphaistos(ヘーパイストス)の手によって作られPandōrā(パンドーラー)と名づけられた。

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