瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 ウェブニュースより
 将棋の藤井四段が15連勝 中学生棋士、デビューから ――  将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(14)が1日、東京都渋谷区の将棋会館であった対局に勝ち、デビュー以来の公式戦連勝記録を15に伸ばした。

 タイトル戦の竜王戦の予選で金井恒太六段(30)に勝った。終局後、報道陣の取材に「15連勝できたのはとてもうれしい。プロとしてやっていける自信になりました」と話した。このまま勝ち進むと、夏に竜王戦の挑戦者になる可能性がある。
 藤井四段は昨年10月、史上最年少の14歳2カ月でプロ入り。12月のデビュー戦で加藤一二三(ひふみ)九段(77)に勝ったのを皮切りに、竜王戦の予選はこれで5連勝。渡辺明竜王(33)への挑戦権を争う決勝トーナメント進出まであと1勝となった。
 将棋界のデビュー戦からの連勝は10連勝が最多記録だったが、既に大幅に更新している。藤井四段は羽生善治三冠(46)との非公式戦も制しており、破竹の勢いで勝ち進んでいる。 (朝日新聞 2017512119分)



餞(はなむけ)
 卒業式で卒業生に「はなむけ」の歌として海援隊の『贈る言葉』がよく歌われるとのことです。
  「贈る言葉」
      武田鉄矢作詞・千葉和臣作曲
 暮れなずむ町の 光と影の中
 去りゆくあなたへ 贈る言葉
 悲しみこらえて 微笑むよりも
 涙かれるまで 泣くほうがいい
 人は悲しみが 多いほど
 人には優しく できるのだから
 さよならだけでは さびしすぎるから
 愛するあなたへ 贈る言葉
     夕暮れの風に 途切れたけれど
     終わりまで聞いて 贈る言葉
     信じられぬと 嘆くよりも
     人を信じて 傷つくほうがいい
     求めないで 優しさなんか
     臆病者(おくびょうもの)の 言いわけだから
     はじめて愛した あなたのために
     飾りもつけずに 贈る言葉
 これから始まる 暮らしの中で
 だれかがあなたを 愛するでしょう
 だけど 私ほど あなたのことを
 深く愛した ヤツはいない
 遠ざかる影が 人込みに消えた
  もう届かない 贈る言葉
  もう届かない 贈る言葉
https://www.youtube.com/watch?v=ykV3IyerBZ0

 餞(はなむけ)とは旅立ちや門出を祝って贈る金品や詩歌のことです。漢字で書けば「餞別」の「餞」ですが、実は「はなむけ」とは「馬の鼻向け」の意で、旅立つ人の乗る馬の鼻を行くべき方へ向けて見送った習慣によるものといいます。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭に、
 原文
 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。それの年の十二月の二十日あまり一日の日の戌の時に、門出す。そのよし、いささかにものに書きつく。
  ある人、県の四年五年果てて、例のことどもみなし終へて、解由など取りて、住む館より出でて、船に乗るべき所へ渡る。かれこれ、知る知らぬ、送りす。年ごろ、よくくらべつる人々なむ、別れ難く思ひて、日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに、夜更けぬ。
 二十二日に、和泉の国までと、平らかに願立つ。藤原のときざね、船路なれど、馬のはなむけす。上中下、酔ひ飽きて、いとあやしく、潮海のほとりにて、あざれ合へり。
現代語訳
 殿方が書いていると聞く日記というものを、女(である私)も試しにしてみようと思って書くのである。ある年の12月21日、午後8時ごろに出発する。その(旅の)次第をほんの少し物に書きつける。
 ある人が、国司としての4、5年の勤めが終わり、決まりごととなっている国司交代の引継ぎをすべて終えて、解由状などを受け取り、住んでいる館から出発して、(京に帰る)船に乗るはずになっている所へと移る。あの人この人、知っている人も知らない人も、見送りをする。ここ数年、親しく付き合ってきた人たちは、(私と)別れがたく思って、一日中絶えずあれこれ(世話を)しながら、騒いでいるうちに、夜がふけてしまった。
 22日に、和泉(いまの大阪府南部)まで、無事に(着けるように)と神仏に祈る。藤原のときざねが、(馬には乗らない)船旅ではあるけれど、送別の宴をする。身分の高い者も中くらいな者も低い者も、すっかり酔っ払って、不思議なことであるが、海のほとりで、(魚肉が腐るはずのないのに)ふざけあっている。
とあります。
 『伊勢物語』にも「うまのはなむけ」がでてきます。

 昔の旅は命を落とすこともある、危険で苦しいものでした。2度と会えないとかも知れないと思えば、送る方にも心が残ります。
  送友人    友人を送る 李白
  青山橫北郭  青山 北郭(ほっかく)に横たわり
  白水遶東城  白水 東城(とうじょう)をめぐる
  此地一爲別  この地 一たび別れをなし
  孤蓬萬里征  孤蓬(こほう) 万里にゆく
  浮雲遊子意  浮雲(ふうん) 遊子の意
  落日故人情  落日 故人の情
  揮手自茲去  手をふるひて ここより去れば
  蕭蕭班馬鳴  肅肅(しょうしょう)として班馬(はんば)鳴く
現代語訳
 山は青々と街の北側に横たわっている、川は白くキラキラと街の東側を取り囲むように流れている。いったんこの地に別れを告げれば、君は風に舞う蓬のように万里の彼方へ 旅立ってしまうのだ。流れる雲は旅立つ君の心、沈む夕陽は見送る私の気持ち、そのものだ。二人手を振って別れると、 馬が寂しそうにいなないた。

   送元二使安西   元二の安西に使するを送る  王維
  渭城朝雨潤輕塵  渭城の朝雨 軽塵を潤し
  客舎青青柳色新  客舎青青柳色新たなり
  勧君更盡一杯酒  君に勧む更に盡くせ一杯の酒
  西出陽關無故人  西のかた陽關を出ずれば故人無からん
現代語訳
 渭城の朝の雨が軽い砂埃を潤している
 旅館の前の柳の葉色も雨に洗われて瑞々しい
 君にすすめる。
 昨夜は大いに飲み明かしたが、
 ここでもう一杯飲んでくれ。
 西域地方との境である陽関を出れば、
 もう友人は一人もいないだろうから。


 


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