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葦を詠める歌2
巻3-0352:葦辺には鶴がね鳴きて港風寒く吹くらむ津乎の崎はも

若湯座王(わかゆえのおおきみ、生没年未詳)
 伝不詳。万葉集巻三に一首掲載。巻三の排列からすると、天平初年頃生存か。
◎「津乎の崎」は所在未詳。難波津付近、琵琶湖沿岸などの説があります。かつて旅した地を思い出しての詠でしょう。

巻4-0617:葦辺より満ち来る潮のいや増しに思へか君が忘れかねつる

※山口女王(やまぐちのおおきみ、生没年未詳)
 伝不詳。万葉集巻四に五首、巻八に一首、大伴家持に贈った歌があります。勅撰集では新古今集に二首、続後撰集に一首、玉葉集に一首入集しています。
巻6-0919:若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る

巻6-0928:おしてる難波の国は葦垣の古りにし里と人皆の.......(長歌)
標題:冬十月幸于難波宮時笠朝臣金村作歌一首[并短歌]
標訓:冬十月、難波(なには)の宮に幸しし時に、笠朝臣金村の作れる歌一首并せて短歌
原文:忍照 難波乃國者 葦垣乃 古郷跡 人皆之 念息而 都礼母無 有之間尓 續麻成 長柄之宮尓 真木柱 太高敷而 食國乎 治賜者 奥鳥 味經乃原尓 物部乃 八十伴雄者 廬為而 都成有 旅者安礼十方
            万葉集 巻6-0928
          作者:笠朝臣金村
よみ:押(お)し照(て)る 難波の国は 葦垣(あしかき)の 古(ふ)りにし郷(さと)と 人皆の 思(おも)ひ息(やす)みて つれも無く ありし間(あひだ)に積麻(うみを)なす 長柄(ながら)の宮に 真木柱(まきばしら) 太高(ふとたか)敷きて 食国(をすくに)を 治めたまへば 沖つ鳥 味経(あぢふ)の原に もののふの 八十伴(やそとも)の緒(を)は 廬(いほり)して 都(みやこ)なしたり 旅にはあれども

意訳:一面に日が輝く難波の国は、葦垣が枯れたような古い都と人々が皆忘れてしまって、見向きもしなかったが、積んだ麻糸のように長い長柄の宮に、立派な柱を太く高く天皇が君臨なさりご領地をお治めになると、沖を飛ぶ鳥の味経の原に、もののふのたくさんの廷臣たちは仮の宿りを作ってさながら京のように作り上げたことだ。旅ではあるのだけれど
※笠金村(かさのかなむら、生没年不詳)
 奈良時代の歌人です。微官であったらしく経歴も不明です。『万葉集』によってのみ知られ、霊亀1~天平5(715733)年までの作歌が明らかです。長歌11首、短歌34(「笠朝臣金村歌集に出づ」などとして掲げられる作を含む)が残り、元正・聖武天皇の行幸に供奉したときの歌が半数を占めます。同様に宮廷を中心として活躍した車持千年、山部赤人と並ぶ際には、その作が先に配されるところから、あるいは両者より重きをなしていたかともみられます。霊亀1(2年説も)の施基(志貴)親王のための挽歌は、対話による劇的な構成をとり、異色ある風をのぞかせていますが、行幸従駕歌は、おおむね平板で独創味に乏しい。ただし、その行幸従駕歌は、当時の宮廷人一般の享楽的な態度と嗜好を敏感に反映しており、総じて、『万葉集』において宮廷的な風雅をいちはやく体現した歌人として位置づけられましょう。

ウェブニュースより
 藤井聡太2冠が豊島叡王への挑戦権獲得、3冠かけ最大12番の頂上対決 ―― 藤井聡太2冠(棋聖・王位=18)が豊島将之叡王(竜王=31)への挑戦権を獲得した。26日午前10時から都内で始まった将棋の第6期叡王戦挑戦者決定戦で、斎藤慎太郎八段(28)を午後52分、114手で下した。

 藤井は叡王戦初登場。豊島の挑戦を受けて、掛け持ちとなる王位戦7番勝負とは立場が入れ替わる。注目の5番勝負第1局は725日、東京都千代田区「江戸総鎮守神田明神」で開幕する。
          ◇   ◇   ◇
 藤井が斎藤の先制攻撃をうまくいなして、かわしたかと思うとガッチリ受け止める。攻め手が緩んだ瞬間を見逃さず、反撃に転じる。あとはリードを広げる一方。5月まで名人戦7番勝負に挑戦していた斎藤を投了に追い込み、叡王戦初登場を決めた。「序盤に軽率なところがあった。うまく攻め込まれて苦しい時間が長い将棋だった」と冷静に振り返った。
https://www.youtube.com/watch?v=JKNEAOt5XNM
 叡王戦は相性が良くなかった。17年は本戦入りしたが、深浦康市九段に大逆転負けした。翌18年も斎藤に本戦初戦で敗れている。19年は七段予選の初戦で村山慈明に黒星を喫した。タイトル保持者として臨んだ今期、長沼洋、師匠の杉本昌隆、広瀬章人を下して八段予選を突破。16人による本戦でも行方尚史九段、永瀬拓矢王座、丸山忠久九段、斎藤とタイトル戦登場経験のある先輩棋士を撃破して、挑戦権を得た。
 現在、渡辺明名人の挑戦を受ける棋聖戦5番勝負は連勝し、防衛まであと1勝としている。来週29日からは豊島の挑戦を受ける王位戦7番勝負が始まる。それに掛け持ちで叡王戦5番勝負が加わった。
 豊島との対戦成績は、1勝6敗と分が悪い。デビュー1年目の17年8月、棋王戦挑戦者決定トーナメントで敗れて以来、昨年10月の王将戦挑戦者決定リーグ戦まで6連敗だった。今年1月の朝日杯準々決勝でようやく初勝利を挙げた。「かなり手ごわい相手。こちらも頑張って盛り上げられるようにしたい」と話す。
 1年前、史上最年少で初タイトルとなる棋聖を獲得した3日後に18歳となった。誕生日前日会見で、「強くなりたい」と抱負を語った。たくわえた力を試すにはまたとない相手。王位戦も合わせた最大12番にも及ぶ頂上対決で、今後の将棋界の勢力分布図が明らかになる。    [日刊スポーツ 20216262011]


 

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