今朝のウェブニュースより
海峡道路構想、復活の動き 「無駄」批判、08年に凍結 ―― 「無駄な公共事業」と批判を浴び事実上凍結されていた、全国6海峡をトンネルや橋で結ぶ構想「海峡横断プロジェクト」の復活をめざす動きが始まった。うち一つの「関門海峡道路」(北九州市―山口県下関市)では、福岡県が事業化に向けた調査を6年ぶりに再開する方針を固めたことが21日、関係者への取材でわかった。目的には「防災」などを掲げるが、識者からは必要性を疑問視する声もある。
「夢みたいな計画」期待再燃:プロジェクトは1987年、第4次全国総合開発計画で原案が示され、国などが調査を進めてきた。しかし2008年、国会で批判されたことを受け、冬柴鉄三国土交通相(当時)が「個別プロジェクトに関する調査は今後行わない」と表明。国や関係自治体の多くが調査を打ち切った。その後、「コンクリートから人へ」を掲げる民主党政権下で、事実上の凍結状態が続いていた。/関門海峡道路は、関門トンネル、関門橋(いずれも北九州市門司区―下関市)に続く第3のルートとして北九州市小倉北区と下関市を結ぶ構想。橋かトンネルかなどは未定だが、総工費は400億~2千億円に上るとの見方もある。/この道路について、福岡県は、大規模災害時に現行の2ルートの代替機能を確保するなどとして、国に調査再開を求める方針を21日までに確認。今年度、道路が整備された場合の経済面や防災面の効果について、約100万円をかけて調べることを決めた。/山口県も今年度、この調査のため5年ぶりに予算を復活し、約200万円を計上。11月貮も調査をする業者が決まる予定だ。7月には安倍晋三首相の地元・下関市で、建設促進協議会が7年ぶりに開かれ、麻生太郎副総理の実弟の麻生泰(ゆたか)・麻生グループ代表が新会長に選出された。
別ルートでは、和歌山、兵庫、大阪、奈良、徳島、愛媛、大分など10府県知事が今年9月下旬、「紀淡海峡道路」(和歌山市―兵庫県洲本市)や四国新幹線の実現を目指す協議会を設立。和歌山県の仁坂吉伸知事は9月の県議会の答弁で「政権交代し、国土強靱(きょうじん)化というチャンス。挑戦しよう」と述べた。
「豊予海峡道路」(愛媛県・佐田岬半島―大分県・佐賀関半島)では、九州と四国選出の自民党国会議員が11月貮も計画を進めるための議員連盟を立ち上げる。衛藤征士郎・衆院議員(大分2区)は「防災・減災のため、なんとしても進めたい」と話す。
「紀淡」「豊予」両ルートでは、地元自治体も建設促進団体への予算の支出を続けている。また、「島原天草長島連絡道路」(長崎県―熊本県―鹿児島県)では、3県が年間計900万円を出して調査を続けているほか、建設促進協議会を運営している。
〈法政大法学部の五十嵐敬喜教授(公共事業論)の話〉 「防災」という名目ならば、道路でも何でも事業着手が許されるというのが、今の世の中の雰囲気だ。採算性や、事業費を負担する国、自治体の財政は大丈夫なのかという観点が、なおざりになっている。今後、事業の評価や情報公開、住民参加が担保されるよう、国会や地方議会がチェック機能を果たしていく必要がある。 〔朝日新聞デジタル2013年10月22日04時15分〕
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