檜扇を詠める歌22
巻17-3962:大君の任けのまにまに大夫の心振り起し.......(長歌)
標題:忽沈狂疾、殆臨泉路。仍作謌詞、以申悲緒一首并短謌
標訓:忽(たちま)ちに狂疾(きうしつ)に沈み、、殆(ほとほと)に泉路に臨めり。仍りて謌詞(かし)を作りて、以ちて悲緒(ひしよ)を申べたる一首并せて短謌
原文:大王能 麻氣能麻尓々々 大夫之 情布里於許之 安思比奇能 山坂古延弖 安麻射加流 比奈尓久太理伎 伊伎太尓毛 伊麻太夜須米受 年月毛 伊久良母阿良奴尓 宇津世美能 代人奈礼婆 宇知奈妣吉 等許尓許伊布之 伊多家苦之 日異益 多良知祢乃 婆々能美許等乃 大船乃 由久良々々々尓 思多呉非尓 伊都可聞許武等 麻多須良牟 情左夫之苦 波之吉与志 都麻能美許登母 安氣久礼婆 門尓餘里多知 己呂母泥乎 遠理加敝之都追 由布佐礼婆 登許宇知波良比 奴婆多麻能 黒髪之吉氏 伊都之加登 奈氣可須良牟曽 伊母毛勢母 和可伎兒等毛婆 乎知許知尓 佐和吉奈久良牟 多麻保己能 美知乎多騰保弥 間使毛 夜流余之母奈之 於母保之伎 許登都氏夜良受 孤布流尓思 情波母要奴 多麻伎波流 伊乃知乎之家騰 世牟須辨能 多騰伎乎之良尓 加苦思氏也 安良志乎須良尓 奈氣枳布勢良武
万葉集 巻17-3962
作者:大伴家持
よみ:大君(おほきみ)の 任(ま)けのまにまに ますらをが 心振り起し あしひきの 山坂越えて 天離る 鄙に下り来(き) 息だにも いまだ休めず 年月も いくらもあらぬに うつせみの 世の人なれば うち靡き 床に臥(こ)い伏し 痛(いた)けくし 日に異(け)にまさる たらちねの 母の命(みこと)の 大船の ゆくらゆくらに 下恋(したこひ)に いつかも来むと 待たすらむ 心さぶしく はしきよし 妻の命(みこと)も 明けくれば 門に寄り立ち 衣手を 折り返しつつ 夕されば 床打ち払ひ ぬばたまの 黒髪敷きて いつしかと 嘆かすらむぞ 妹(いも)も兄(せ)も 若き子どもは をちこちに 騒き泣くらむ 玉桙の 道をた遠(とほ)み 間使(まつかひ)も 遺(や)るよしもなし 思ほしき 言伝(ことつ)て遣(や)らず 恋ふるにし 心は燃えぬ たまきはる 命惜しけど 為(せ)むすべの たどきを知らに かくしてや 荒(あら)し男(を)すらに 嘆き伏せらむ
意訳:大君の仰せに従って、ますらおの雄々しい心を奮い起こして、山を越え坂を越え、はるばるこの遠い鄙の地に下って来て、まだ息も休めず年月もどれほども経っていないのに、はかない世に住む人間のこととて、ぐったりと病の床に横たわってしまって、苦しみは日に日につのるばかりだ。懐かしい母君が、大船の揺れるようにゆらゆらと落ち着かず、心待ちにいつ帰ることかと恋い焦がれておられるお気持ちは、思いやるだけでさびしいし、いとしくてならない大事な妻も、夜が明けてくると門に寄り添って立ち、夕ともなると袖を折り返しては床を払い清めて、独りさびしく黒髪を靡かせて伏し、早く帰って来てほしいと嘆いてくれていることであろう。女の子も男の子も幼い子どもたちは、あっちこっちで騒いだり泣いたりしていることであろう。とはいえ、道のりははるかに遠く、ちょいちょい使いをやる手だてもない。言いたいことを言ってやることもできずに恋い慕うにつけても、心は熱く燃え上がるばかりだ。限りある命は惜しく何とかしたいと思うけれど、どうしたらよいのか手がかりもわからず、こうして豪胆であるべき男子たるものが、ただめめしく嘆き臥してばかりいなければならぬというのか。
左注:右天平十九年春二月廿日越中國守之舘臥病悲傷聊作此歌
注訓:右は、天平十九年春二月二十日、越中国守の館にして、病に臥し悲しみ傷みて、聊かこの歌を作れり。
巻17-3980:ぬばたまの夢にはもとな相見れど直にあらねば恋ひやまずけり
巻17-3988:ぬばたまの月に向ひて霍公鳥鳴く音遥けし里遠みかも
ウェブニュースより
バイデン氏「約束履行は道義的責任」 脱炭素の議論加速 ―― バイデン米大統領は23日、同日閉幕した気候変動に関する首脳会議(サミット)で「我々が約束を守ることが将来世代への道義的責任だ」と述べ、各国が温暖化ガスの排出削減目標を着実に実行するよう呼びかけた。
2日間の日程でオンラインで開いた会議は23日、温暖化ガスの排出を抑える技術革新や経済・雇用への影響を議論して閉幕した。開催の旗振り役だったバイデン氏は「歴史的なサミットが終わる。いくつかの重要な進展があった」と強調した。
11月に英国で開く第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の履行を話し合う。バイデン氏は「我々はこの機会をつかめる」と述べ、COP26に向けて脱炭素の議論が盛り上がることに期待を示した。
バイデン氏は、2030年度までに温暖化ガスを13年度比46%減らす日本の新目標について「野心的な目標が発表されたことを歓迎する」と評価した。米国は22日、05年に比べて実質排出量を50~52%減らす目標を発表した。カナダや英国も会議に合わせて新目標を打ち出した。
緊張関係にあるロシアにも秋波を送った。バイデン氏は「プーチン大統領が先進的な二酸化炭素の除去で世界に連携を呼びかけたことに励まされた」と語った。
ホワイトハウスは会議の閉幕後、米国が強化する取り組みの事例を並べた文書を公開した。途上国の支援額については24年までに、オバマ政権2期目の平均から倍増させる。会議に参加したアフリカなど途上国の首脳からは、温暖化による海水面の上昇や頻発する災害への懸念が相次いだ。 【日本經濟新聞 2021年4月24日 6:54 (2021年4月24日 7:57更新)】
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