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 旧暦7月を文月(ふづき、ふみづき)と呼び、現在では新暦7月の別名としても用いています。文月の由来は、77日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習があるからというのが定説となっているようです。しかし、七夕の行事は奈良時代に中国から伝わったもので、元々日本にはないものでした。そこで、稲の穂が含む月であることから「含み月」「穂含み月」の意であるとする説もあります。また、「秋初月(あきはづき)」、「七夜月(ななよづき)」の別名もあります。

 英語での月名、Julyは、ユリウス暦を創った共和政ローマ末期の政治家、ユリウス・カエサル(Julius Caesar)からとられたものです。カエサルは紀元前45年にユリウス暦を採用するのと同時に、7月の名称を「5番目の月」を意味する "Quintilis(クィンティーリス)" から自分の家門名に変更しました。

 日本では、旧暦8月を葉月(はづき)と呼び、現在では新暦8月の別名としても用いています。葉月の由来は諸説あります。木の葉が紅葉して落ちる月「葉落ち月」「葉月」であるという説が有名です。他には、稲の穂が張る「穂張り月(ほはりづき)」という説や、雁が初めて来る「初来月(はつきづき)」という説、南方からの台風が多く来る「南風月(はえづき)」という説などがあるます。また、「月見月(つきみづき)」の別名もあります。

 英語名Augustは、ローマ皇帝Augustus(アウグストゥス)に由来します。アウグストゥスは紀元前1世紀、誤って運用されていたユリウス暦の運用を修正するとともに、8月の名称を「6番目の月」を意味する "Sextilis(セクスティリス)" から自分の名に変更しました。

 よく見かけられる通説に、彼がそれまで30日であった8月の日数を31日に増やし、その分を2月の日数から減らしたため2月の日数が28日となったというものがありますが、これは11世紀の学者ヨハネス・ド・サクロボスコが提唱したものであり、8月の名称変更以前からすでに2月は短く、8月は長かった事を示す文献が複数発見されているため、この通説は現在では否定されているということです。

 旧暦9月を長月(ながつき)と呼び、現在では新暦9月の別名としても用います。長月の由来は、「夜長月(よながつき)」の略であるとする説が最も有力です。他に、「稲刈月(いねかりづき)」が「ねかづき」となり「ながつき」となったという説、「稲熟月(いねあがりづき)」が略されたものという説などがあります。また、「寝覚月(ねざめつき)」の別名もあります。

 英語での月名、Septemberは、ラテン語表記に同じで、これはラテン語で「第7の」という意味の「septem(セプテム)」の語に由来しているのに不一致が生じているのは、紀元前153年に、それまで3月を年の始めとしていた慣例を1月に変更したにもかかわらず、名称を変えなかった為であり、7月と8月にローマ皇帝の名が入ってずれたというのは俗説のようです。これは7月がガイウス・ユリウス・カエサルによって「Julius」に改める以前は「Quintilis(クィンティーリス)」といい、これがラテン語で「第5の」という意味の「quintus(クィントゥス)」の語に由来していて、既にずれが発生していたのです。


 


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