和泉式部 黒髪の みだれもしらず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき
後拾遺和歌集
訳 恋に思い乱れ、髪を乱したまま床にうちふす。その時に優しく髪をかき上げたあの人が恋しい。
待賢門院堀河 長からむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は 物をこそ思へ
千載和歌集
訳 あなたは、末永く心変わりはしないとおっしゃっいました。ですが、本当にその言葉を信じていいのかと、貴方の心を疑ってしまいます。そして、その心の乱れのままに黒髪も乱れてしまっているのです。
藤原定家 かきやりし その黒髪の すぢごとに うち臥すほどは 面影ぞたつ
新古今和歌集
訳 私の手で黒髪をかきやり横になる、かきやった髪のその一筋がはっきりと見えるように、あの人の面影が我が眼の前にくっきりと浮かび上がる。
※ 女性の立場になって詠ったものか?
うば玉の 闇のうつつに かきやれど なれてかひなき 床の黒髪
新古今和歌集
訳 暗闇の中で、たしかに黒髪をかきやったけれども、また乱れてしまい意味がなかったことですね。
与謝野晶子 くろ髪の 千すぢの髪の みだれ髪 おもひ乱れ かつおもひ乱るる
みだれ髪
訳 私の豊かな千すじもの黒髪は乱れている、そして私の気持ちもあなたへの恋心によって思い乱れ、さらに思い乱れて…
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