瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
[59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [66] [67] [68] [69]

百合を詠める歌2
18-4086:油火の光りに見ゆる吾がかづらさ百合の花の笑まはしきかも

※秦伊美吉石竹(はたのいみきいはたけ、生没年不詳)
 系譜などは未詳。秦氏は山背国葛野郡を本拠とし、絹・綿・糸などの生産に従事する秦部・秦人部を配下に、強大な経済力を築きました。なおイミキには「伊美吉」の字も当てられ、混用が見られますが、姓氏録には天平20年忌寸を悉く伊美吉に改めさせたとあります。また759(天平宝字3)10.8には伊美吉を忌寸と改めた旨続紀に見えます(恵美押勝の美を忌字としたため)
18-4087:灯火の光りに見ゆるさ百合花ゆりも逢はむと思ひそめてき

※介内蔵伊美吉縄麻呂(すけくらのいみきなはまろ〈つなまろ/ただまろ〉、生没年未詳)
 系譜未詳です。内蔵氏は東漢(やまとのあや)氏の同族で、坂上氏などと同族といいます。もとは皇室の財物を扱った内蔵の職に携わった氏族です。
18-4088:さ百合花ゆりも逢はむと思へこそ今のまさかもうるはしみすれ

4086番~4088番の標題にある「同月」とは、天平感寶元年(西暦749年)五月です。
18-4113:大君の遠の朝廷と任きたまふ官のまに.......(長歌)
標題:庭中花作謌一首并短謌
標訓:庭の中(うち)の花に作れる謌一首并せて短謌
原文:於保支見能 等保能美可等々 末支太末不 官乃末尓末 美由支布流 古之尓久多利来 安良多末能 等之能五年 之吉多倍乃 手枕末可受 比毛等可須 末呂宿乎須礼波 移夫勢美等 情奈具左尓 奈泥之故乎 屋戸尓末於保之 夏能〃之 佐由利比伎宇恵天 開花乎 移弖見流其等尓 那泥之古我 曽乃波奈豆末尓 左由理花 由利母安波無等 奈具佐無流 許己呂之奈久波 安末射可流 比奈尓一日毛 安流部久母安礼也
          万葉集 巻18-4113
        作者:大伴家持
よみ:大王(おほきみ)の 遠(とほ)の朝廷(みかど)と 任()き給(たま)ふ 官(つかさ)のまにま み雪降る 越に下り来 あらたまの 年の五年(いつとせ) 敷栲の 手枕(たまくら)まかず 紐解かず 丸寝(まろね)をすれば いぶせみと 情(こころ)(なぐ)に なでしこを 屋戸(やと)にまをほし 夏の野し さ百合引き植ゑて 咲く花を 出で見るごとに なでしこが その花妻(はなつま)に さ百合花(ゆりはな) (ゆり)も逢はむと 慰むる 心し無くは 天離る 鄙に一日(ひとひ)も あるべくもあれや

意訳:大王の遠い役所として任命なされて、役職の務めのままに、清らかな雪が降る、越に下り来て、年の気が改まる、そのような年を五年、栲を敷く床で貴女との手枕を巻かず、夜着の紐を解かずに衣を着たままで丸寝をすると、気持ちは落ち込み、心を慰めようと、なでしこを屋敷にお呼びし、夏の野の美しい百合を移植して、その咲く花を、庭に出で立ち眺める度に、なでしこの、その花妻に、美しい百合花に、また、あとで眺めましょうと、慰める気持ちを失くして、都から離れた鄙に一日も、暮らして居られるでしょうか。
左注:同閏五月廿六日、大伴宿祢家持作
注訓:同閏五月廿六日に、大伴宿祢家持の作る
18-4115:さ百合花ゆりも逢はむと下延ふる心しなくは今日も経めやも

18-4116:大君の任きのまにまに取り持ちて.......(長歌)
標題:國掾久米朝臣廣縄、以天平廿年、附朝集使入京、其事畢而、天平感寶元年閏五月廿七日還到本任。仍長官之舘設詩酒宴樂飲。於時主人守大伴宿祢家持作謌一首并短謌
標訓:國の掾(じょう)久米朝臣廣縄、天平廿年を以ちて、朝集使(てうしふし)に附()きて京(みやこ)に入り、其の事畢(をは)りて、天平感寶元年閏五月廿七日に本任(ほんにん)に還(かへ)り到る。仍()りて長官の舘に詩酒の宴(うたげ)を設けて樂飲す。その時に主人(あるじ)守大伴宿祢家持の作れる謌一首并せて短謌
原文:於保支見能 末支能末尓々々 等里毛知氏 都可布流久尓能 年内能 許登可多祢母知 多末保許能 美知尓伊天多知 伊波祢布美 也末古衣野由支 弥夜故敝尓 末為之和我世乎 安良多末乃 等之由吉我弊理 月可佐祢 美奴日佐末祢美 故敷流曽良 夜須久之安良祢波 保止々支須 支奈久五月能 安夜女具佐 余母疑可豆良伎 左加美都伎 安蘇比奈具礼止 射水河 雪消溢而 逝水能 伊夜末思尓乃未 多豆我奈久 奈呉江能須氣能 根毛己呂尓 於母比牟須保礼 奈介伎都々 安我末河君我 許登乎波里 可敝利末可利天 夏野能 佐由里能波奈能 花咲尓 々布夫尓恵美天 阿波之多流 今日乎波自米氏 鏡奈須 可久之都祢見牟 於毛我波利世須
           万葉集 巻18-4116
         作者:大伴家持
よみ:大王(おほきみ)の 任()きのまにまに 執り持ちて 仕(つか)ふる国の 年の内の 事かたね持ち 玉桙の 道に出で立ち 岩根踏み 山越え野行き 京辺(みやこへ)に 参()ゐし吾()が背を あらたまの 年往()き還(かえ)り 月重ね 見ぬ日さまねみ 恋ふるそら 安くしあらねば 霍公鳥(ほととぎす) 来鳴く五月(さつき)の 菖蒲草(あやめくさ) (よもぎ)(かつら)き 酒宴(さかみづき) 遊び慰()ぐれど 射水川(いづみかは) 雪消(ゆきげ)(はふ)りて 逝()く水の いや増しにのみ 鶴(たづ)が鳴く 奈呉江の菅の ねもころに 思ひ結ぼれ 嘆きつつ 我が待つ君が 事終り 帰り罷(まか)りて 夏の野の さ百合の花の 花咲(はなゑみ)に にふぶに笑()みて 会はしたる 今日を始めて 鏡なす かくし常見む 面(おも)変りせず

意訳:大王の任命のままに職務を執り持って仕える国の、一年間の事務を総括して、立派な鉾を立てる官道に出で立ち、岩根を踏み、山を越え、野を行き、都に参上した私の大切な貴方を、年の気が改まる、一年が行き還り、月を重ね、貴方に会えない日が多くなり、恋しいと思う身は気が休まらないので、ホトトギスが飛び来て鳴く五月の、菖蒲草や蓬を蘰として、酒宴に遊び、気持ちを慰めるのだが、射水川の雪解の水が溢れて、流れ逝く水が、一層に増していくだけで、鶴が鳴く奈呉江の菅の、その言葉のように、ねもころに、思いを結んで、嘆きながら、私が待つ貴方は、都での事が終わって、こちらに帰るために都を罷り、夏の野の美しい百合の花が花咲くように、にこやかにほほ笑んで、姿を私に会わせます、その今日を始めとして、鏡を眺めるように、このようにいつも会いましょう。面変わりをすることなく。
※久米広縄(くめの-ひろなわ、生没年不詳)
 奈良時代の官吏です。天平(てんぴょう)20(748)から3年あまり越中掾(じょう)でした。越中守大伴家持(おおともの-やかもち)らと布勢水海(ふせのみずうみ)(富山県氷見(ひみ))をたずね、内蔵縄麻呂(くらの-なわまろ)宅の宴に参加するなどして歌を詠んでいます。「万葉集」巻1819に、長歌1首、短歌8首があります。名は「ひろただ」「ひろつな」ともよみます。
20-4369:筑波嶺のさ百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼も愛しけ


 

百合を詠める歌1
 ユリ科ユリ属の多年草の百合(ゆり)です。大きい花が風に揺れ動くことからついた名だということです。山百合、鉄砲百合、透かし百合、鹿の子百合、鬼百合、姫百合など種類が多く、万葉集歌の中での特定は難しいと言われています。
 万葉集では大伴家持(おおとものやかもち)が百合の歌を四首詠んでいますが、すべて「さ百合」と詠んでいます。ここでの「さ」は接頭語で、特定の百合をしめす言葉ではないように思われます。

巻7-1257:道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや

巻8-1500:夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ

巻8-1503:我妹子が家の垣内のさ百合花ゆりと言へるはいなと言ふに似る

※紀朝臣豊河(きのあそんとよかわ、生没年不詳)
 奈良時代の官吏、歌人です。聖武(しょうむ)天皇につかえ、天平(てんぴょう)11(739)外従五位下でした。「万葉集」巻8に歌1首があります。名は豊川とも書きます。
11-2467:道の辺の草深百合の後もと言ふ妹が命を我れ知らめやも

 


ウェブニュースより
 渡辺明名人、痛恨105手目の対応「やっていくうちに損していった」 ―― 藤井聡太棋聖(王位=18)が挑戦者の渡辺明名人(棋王・王将=37)に先勝した、将棋の第92期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局が18日、兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われた。午前9時から始まった対局は、午後8時3分、171手に及ぶ熱戦の末、藤井が連勝してタイトル初防衛まであと1勝とした。

 連敗してあっという間にかど番に追い込まれた渡辺は、おしぼりで額をふいて首をひねった後、投了を告げた。「途中は互角くらいと思ってやっていた。先手3三歩(105手目)の対応が難しくて分からず、やっていくうちに損していった」と振り返った。

https://www.youtube.com/watch?v=IdAoH_B4SAI
 前期は連敗後に1勝返した。第3局は73日、静岡県沼津市「沼津御用邸」で行われる。「次にまずは一つ返すことを目標にやっていきたい」と絞り出すように話していた。    [日刊スポーツ 20216182046]


 

藻(も)を詠める歌18
19-4211:古にありけるわざのくすばしき事と言ひ継ぐ.......(長歌)
標題:追同處女墓謌一首并短謌
標訓:追ひて處女(をとめ)の墓(つか)の謌に同(こた)へる一首并せて短謌
原文:古尓 有家流和射乃 久須婆之伎 事跡言継 知努乎登古 宇奈比牡子乃 宇都勢美能 名乎競争等 玉剋 壽毛須底弖 相争尓 嬬問為家留嬬等之 聞者悲左 春花乃 尓太要盛而 秋葉之 尓保比尓照有 惜 身之壮尚 大夫之 語勞美 父母尓 啓別而 離家 海邊尓出立 朝暮尓 満来潮之 八隔浪尓 靡珠藻乃 節間毛 惜命乎 露霜之 過麻之尓家礼 奥墓乎 此間定而 後代之 聞継人毛 伊也遠尓 思努比尓勢餘等 黄楊小櫛 之賀左志家良之 生而靡有
          万葉集 巻19-4211
        作者:大伴家持
よみ:古(いにしへ)に ありける業(わざ)の 竒(くす)ばしき 事と言ひ継ぐ 智渟壮士(ちぬをとこ) 菟原壮士(うなひをとこ)の 現世(うつせみ)の 名を争ふと たまきはる 命(いのち)も捨てて 争ひに 嬬問(つまと)ひしける 処女(をとめ)らし 聞けば悲しさ 春花の にほえ栄えて 秋し葉し にほひに照れる 惜しき 身し盛りすら 大夫(ますらを)し 語()いたはしみ 父母に 申し別れて 家(いえ)(さか)り 海辺に出で立ち 朝夕(あさよひ)に 満ち来る潮し 八重波に 靡く玉藻の 節の間も 惜しき命を 露霜し 過ぎましにけれ 奥墓(おくつき)を ここと定めて 後し代し 聞き継ぐ人も いや遠に 偲ひにせよと 黄楊(つげ)小櫛(をぐし) しか刺しけらし 生()ひて靡けり

意訳:昔にあった出来事で、不思議なことと語り継がれて来た、智渟壮士と菟原壮士との世間の評判を競うとして、寿命を刻む、その命をも捨てて争うのに、二人が妻問いした乙女の話を聞けば悲しい事です。春の花が咲き誇り、秋には葉が黄葉して輝く、そのように輝く、惜しい身の盛りすら、立派な大夫たちの言葉を悲しんで、父母にこの世の暇を乞い、家を離れて海辺に出で立ち、朝夕に満ち来る潮の、たくさんの打ち寄せる波に靡く美しい藻の、その短い節のようなわずかのこの世の間も、惜しい命を、はかない露霜のように、乙女はこの世を過ぎ去ってしまったけれど、墓をここと定めて、後年に物語を聞き継ぐ人も、一層遠く、偲ぶよすがにしなさいと、黄楊の小さい櫛をこのように墓に捧げて手向けたらしい。それが育ってこのように葉を風に靡かせている。
左注:右、五月六日、依興大伴宿祢家持作之
注訓:右は、五月六日に、興に依りて大伴宿祢家持の之を作れり。
19-4214:天地の初めの時ゆうつそみの八十伴の男は.......(長歌)
標題:挽謌一首并短謌
標訓:挽謌一首并せて短謌
原文:天地之 初時従 宇都曽美能 八十伴男者 大王尓 麻都呂布物跡 定有 官尓之在者 天皇之 命恐 夷放 國乎治等 足日木 山河阻 風雲尓 言者雖通 正不遇 日之累者 思戀 氣衝居尓 玉桙之 道来人之 傳言尓 吾尓語良久 波之伎餘之 君者比来 宇良佐備弖 嘆息伊麻須 世間之 厭家口都良家苦 開花毛 時尓宇都呂布 宇都勢美毛 無常阿里家利 足千根之 御母之命 何如可毛 時之波将有乎 真鏡 見礼杼母不飽 珠緒之 惜盛尓 立霧之 失去如久 置露之 消去之如 玉藻成 靡許伊臥 逝水之 留不得常 枉言哉 人之云都流 逆言乎 人之告都流 梓弧 爪夜音之 遠音尓毛 聞者悲弥 庭多豆水 流涕 留可祢都母
           万葉集 巻19-4214
         作者:大伴家持
よみ:天地の 初めの時ゆ うつそみの 八十伴の男は 大君に まつろふものと 定まれる 官にしあれば 大君の 命畏み 鄙離る 国を治むと あしひきの 山川へだて 風雲に 言は通へど 直に逢はず 日の重なれば 思ひ恋ひ 息づき居るに 玉桙の 道来る人の 伝て言に 我れに語らく はしきよし 君はこのころ うらさびて 嘆かひいます 世間の 憂けく辛けく 咲く花も 時にうつろふ うつせみも 常なくありけり たらちねの 母の命 何しかも 時しはあらむを まそ鏡 見れども飽かず 玉の緒の 惜しき盛りに 立つ霧の 失せぬるごとく 置く露の 消ぬるがごとく 玉藻なす 靡き臥い伏し 行く水の 留めかねつと たはことか 人の言ひつる およづれか 人の告げつる 梓弓 爪引く夜音の 遠音にも 聞けば悲しみ にはたづみ 流るる涙 留めかねつも

意訳:天地が初めてひらけた時から、この世の中の多くの官人たちは、大君に服従すると定まっている。そういう官人の身なので、大君の仰せにしたがって、都から遠く離れた国を治めるためにやってきた。山川を隔て、風や雲の便りに消息は流れてくるものの、直接逢うことはかなわない。かくて日が重なれば、恋しくなるばかり。ため息ばかり増します。そんな折りに都からやってきた人が私に告げて申します。「ああ、愛しいあの方はこのごろ心寂しく嘆いておいででしょうか。人の世にあって厭わしく辛いのは、咲く花も時と共にうつろうように、人の世も変わらずにいられないことです。母上様はどう思っておいででしょう。ほかに時はいくらもありましょうに、今、ここに来られる定めとは。鏡のように、お美しく、まだまだ惜しい年の盛りでいらっしゃるのに、立った霧が消え失せてしまうように、降りた露が消えてしまうように、玉藻のように床に靡き伏せっていらっしゃるとは。流れゆく水をお止めできませんでした」と・・・。戯言に申したのでしょうか。それとも、人惑わしの言葉を告げたのでしょうか。梓弓(あづさゆみ)を爪弾く夜の音のように、遠音にも聞けば悲しく、流れ出してくる涙は留めようがありません。
左注:右大伴宿祢家持弔右大臣家藤原二郎之喪慈母患也 五月廿七日
注訓:右は、大伴の宿禰家持、聟南の右大臣の家の藤原二郎(なかちこ)が慈母を喪(うしな)へる患を弔(とむら)へるなり。五月二十七日
◎左注に聟南右大臣家藤原二郎(なかちこ)とあるのは継縄を指します。これを久須麻呂とする説もありりますが、『尊卑分脉』『公卿補任』ともに久須麻呂の母は藤原房前の女(袁比良おひら)と伝え、「藤原二郎の慈母」とは没年が異なります。
藤原継縄(ふじわらのつぐただ、727796年)
 奈良時代の公卿(くぎょう)です。神亀(じんき)4年生まれ。南家藤原豊成の次男です。天平神護(てんぴょうじんご)2年(766)参議。
 延暦(えんりゃく)9年右大臣となり中衛(ちゅうえの)大将,東宮傅()を兼任します。13年正二位。桃園右大臣とよばれました。妻の百済明信(くだらのみょうしん)とともに桓武(かんむ)天皇の寵遇(ちょうぐう)をうけました。「続日本紀」の編修を主宰しました。延暦15716日死去、70歳。贈従一位。


 

藻(も)を詠める歌17
17-3890:我が背子を安我松原よ見わたせば海人娘子ども玉藻刈る見ゆ

※三野石守(みのの-いそもり、生没年不詳)
 奈良時代の官吏です。天平(てんぴょう)2年(730)大伴旅人(たびと)が大宰府から都にもどるとき、別に海路をとった従者らの旅立ちの歌10首のうち1首に名がみえます(「万葉集」巻17)。ほかに巻8にも歌1首があります。
17-3993:藤波は咲きて散りにき卯の花は今ぞ盛りと.......(長歌)
標題:敬和遊覧布勢水海賦一首并一絶
標訓:布勢(ふせ)の水海(みづうみ)に遊覧せる賦()に敬(つつし)み和(こた)へたる一首并せて一絶
            万葉集歌 巻17-3993
          作者:大友池主
原文:布治奈美波 佐岐弖知理尓伎 宇能波奈波 伊麻曽佐可理等 安之比奇能 夜麻尓毛野尓毛 保登等藝須 奈伎之等与米婆 宇知奈妣久 許己呂毛之努尓 曽己乎之母 宇良胡非之美等 於毛布度知 宇麻宇知牟礼弖 多豆佐波理 伊泥多知美礼婆 伊美豆河泊 美奈刀能須登利 安佐奈藝尓 可多尓安佐里之 思保美弖婆 都麻欲比可波須 等母之伎尓 美都追須疑由伎 之夫多尓能 安利蘇乃佐伎尓 於枳追奈美 余勢久流多麻母 可多与理尓 可都良尓都久理 伊毛我多米 氏尓麻吉母知弖 宇良具波之 布施能美豆宇弥尓 阿麻夫祢尓 麻可治加伊奴吉 之路多倍能 蘇泥布里可邊之 阿登毛比弖 和賀己藝由氣婆 乎布能佐伎 婆奈知利麻我比 奈伎佐尓波 阿之賀毛佐和伎 佐射礼奈美 多知弖毛為弖母 己藝米具利 美礼登母安可受 安伎佐良婆 毛美知能等伎尓 波流佐良婆 波奈能佐可利尓 可毛加久母 伎美我麻尓麻等 可久之許曽 美母安吉良米々 多由流比安良米也
よみ:藤波は 咲きて散りにき 卯の花は 今ぞ盛りと あしひきの 山にも野にも 霍公鳥(ほととぎす) 鳴きし響(とよ)めば うち靡く 心もしのに そこをしも うら恋しみと 思ふどち 馬打ち群れて 携(たづさ)はり 出で立ち見れば 射水川(いづみかは) 湊の洲鳥(すとり) 朝凪ぎに 潟にあさりし 潮満てば 妻呼び交す 羨(とも)しきに 見つつ過ぎ行き 渋谿(しふたに)の 荒礒(ありそ)の崎に 沖つ波 寄せ来る玉藻 片縒(かたよ)りに 蘰(かづら)に作り 妹がため 手に巻き持ちて うらぐはし 布勢の水海(みづうみ)に 海人(あま)船に 真楫(まかぢ)(かひ)()き 白栲の 袖振り返し あどもひて 我が漕ぎ行けば 乎布(をふ)の崎 花散りまがひ 渚には 葦鴨(あしかも)騒き さざれ波 立ちても居ても 漕ぎ廻(めぐ)り 見れども飽かず 秋さらば 黄葉の時に 春さらば 花の盛りに かもかくも 君がまにまと かくしこそ 見も明らめめ 絶ゆる日あらめや

意訳:藤の花はもう咲いて散ってしまった、卯の花は今こそ盛りと、葦や檜の生える山にも野にも咲き、ホトトギスが鳴いて響むと、いちずに心も萎れて、その景色を心恋しいと感じる者同士が馬を並べて共に出で立って眺めれば、射水川の湊の洲に居る鳥は、朝凪に潟で餌をあさり、潮が満ちると妻を呼び交す、羨ましく眺めて過ぎ行き、渋谿の荒磯の崎に沖からの波が打ち寄せ、また寄せ来る玉藻を片縒りにして蘰を作り、愛しい貴女のためと手に巻いて持って、麗しい布施の水海に、漁師船に立派な楫を差し貫いて、白栲の袖を折り返し、友を率いて私が漕ぎ行くと、乎布の崎には花が散り乱れ、渚には葦鴨が鳴き騒ぐ、さざれ波のように立って居ても、座って居ても、水海を漕ぎ廻ると、風景を眺めても見飽きることなく、秋になったなら黄葉の時に、春になったなら花の盛りに、どうにもこうにも、貴方の御気に召すままに、このようにと、風景を眺めて気を晴らしましょう。見飽きることがどうしてあるでしょう。
左注:右掾大伴宿祢池主作 [四月廿六日追和]
注訓:右は、掾大伴宿祢池主の作る  四月廿六日に追ひて和(こた)へる
17-3994:白波の寄せ来る玉藻世の間も継ぎて見に来む清き浜びを

 


ウェブニュースより
 米ロ首脳が初会談 核軍縮や気候変動で協力探る ―― バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は16日午後(日本時間同日夜)、ジュネーブで初めて会談した。核兵器を柱とする軍縮や気候変動などで協力を探る。米ロ関係は冷戦後最悪の水準にあり、会談の結果は国際情勢に多大な影響を及ぼす。

 対面での米ロ首脳会談はバイデン氏が呼びかけたもので、同政権では初めて。公式な会談は2018年7月以来、約3年ぶりとなる。会談の冒頭、バイデン氏は「じかに顔を合わせるのは良いことだ」と述べ、プーチン氏は「(2国間には)多くの問題がある」などと話した。
 バイデン氏はロシアによるウクライナへの威嚇やサイバー攻撃などの挑発行為への対応を促す。双方が一致点を見いだすのは簡単ではないが、プーチン大統領と直接会談することで緊張緩和の糸口を探るとともに、ロシアに接近する中国をけん制する意図もある。
 米国と冷戦で競ったソ連時代とは異なり、ロシアは中国の台頭で国際政治上の存在感が低下し、経済力でも米国に圧倒的に劣る。現体制の維持をめざすプーチン氏にとっては、バイデン氏との会談は国内外に影響力を誇示する機会となる。
 双方が接点を見いだせるとみるのは核軍縮や軍備管理だ。5年延長を決めた新戦略兵器削減条約(新START)の次の枠組みを視野に入れた対話の枠組み設置が検討課題になる。気候変動やイラン核合意の再建でも協調できる可能性がある。
 その他の課題は激しい応酬になるのは避けられない。米欧による制裁のきっかけとなったウクライナにはロシアが威嚇を続け、欧州諸国にとって安全保障上の脅威になっている。バイデン氏は米国のインフラに被害を与えた「ランサムウエア」(身代金要求ウイルス)によるサイバー攻撃で、ロシアがハッカー集団の存在を黙認している可能性があるとみて対応を促す。
 プーチン氏は主権がかかわるウクライナへの対応では譲歩せず、サイバー攻撃や米大統領選への関与も否定するとみられる。    【日本經濟新聞 2021616 20:48 (2021616 22:40更新)

 台東区コロナウィルスワクチン接種事務局よりメールが入りました。曰く、
 日高 節夫様
 ご確認お願いいたします。
 当日は「接種券」「予診票」「本人確認書類」のご持参をお願いいたします。
 書類がそろって本人確認ができないと受付できませんのでご注意ください。
 スムーズに接種を進めるため肩を出しやすい服装でお越しください。
 会場は待合場所がございませんので、時間通りの来場をお願いいたします。
 施設名:浅草寺病院
 郵便番号:
 住所:東京都台東区浅草2丁目3017
 電話番号:03-4332-7912
HPURL
 年月日:2021617
 受付開始時刻:1515
 受付終了時刻:1530
 宜しくお願いいたします。  以上


 

藻(も)を詠める歌16
15-3606:玉藻刈る処女を過ぎて夏草の野島が崎に廬りす我れは

15-3638:これやこの名に負ふ鳴門のうづ潮に玉藻刈るとふ海人娘子ども

※田邊秋庭(たなべのあきにわ、生没年不明)
 奈良時代の遣新羅使(しらぎし)。「万葉集」巻15に、天平(てんぴょう)8年(736)難波(なにわ)を出港した一行が大島の鳴門(なると)をすぎ、2夜をへた際によんだ歌が1首みえます。
15-3705:竹敷の玉藻靡かし漕ぎ出なむ君がみ船をいつとか待たむ

※玉槻(たまつき、生没年不明)
 奈良時代の女性です。対馬(つしま)(長崎県)玉調郷(たまつきのごう)出身の遊女といいます。天平(てんぴょう)8年(736)遣新羅(しらぎ)使の船が対馬の竹敷(たかしきの)浦に停泊したときによんだ歌2首が「万葉集」巻15におさめられています。対馬娘子(いらつめ)ともいいます。
16-3871:角島の瀬戸のわかめは人の共荒かりしかど我れとは和海藻

 


ウェブニュースより
 “IOCの尖兵”コーツ副会長来日 パパラッチが狙う夜の赤ら顔 ―― <何しに来たのか><IOCの尖兵か>――。ネット上では早くも非難する声が目立つ。15日朝、豪州シドニーから東京・羽田空港に到着したIOC(国際オリンピック委員会)のジョン・コーツ副会長(71)。

 コーツ氏はこの日、入国前の抗原検査をへて都内のホテルに到着。3日間の隔離生活を送った後、五輪特例措置で待機が緩和され、活動計画書の行程に沿って五輪開催に向けた準備状況の確認、現地視察などを行うとみられる。
 「五輪特例措置」による入国制限の緩和に対し、<どこがバブル方式だ。最初から穴だらけじゃないか>といった怒りの声もチラホラ聞こえてくるが、コーツ氏入国に大会関係者が何よりも神経をとがらせていることがあるという。
 「パパラッチというのか、週刊誌記者らにコーツ副会長の行動をコッソリ撮影されて大々的に報じられることです。少なくとも7月23日の開幕まで長期間滞在する予定ですからね。競技会場の視察や組織委との打ち合わせだけで、後はホテルに缶詰めというわけにはいかないでしょう。しかし、万が一、コーツ副会長が赤ら顔で飲み歩く様子を撮影されたりでもしたら、それこそ、国民は『俺たちは我慢しているのに何だ!』と大騒ぎになるでしょう。コーツ副会長が外出する際には、記者らに尾行されないよう厳戒態勢が取られるほか、すでに日本料理、中華、洋食などの“お忍びレストラン”がピックアップされてリスト化されていると聞いています」(スポーツ紙記者)
 「安全、安心の大会」には別の意味もあるようだ。    【日刊ゲンダイ 公開日:2021/06/16 06:00 更新日:2021/06/16 06:00


 

藻(も)を詠める歌15
133266:春されば花咲ををり秋づけば丹のほにもみつ.......(長歌)
原文:春去者 花咲乎呼里 秋付者 丹之穂尓黄色 味酒乎 神名火山之 帶丹為留 明日香之河乃 速瀬尓 生玉藻之 打靡 情者因而 朝露之 消者可消 戀久毛 知久毛相 隠都麻鴨
          万葉集 巻133266
        作者:不明
よみ:春されば 花咲ををり 秋づけば 丹のほにもみつ 味酒を 神奈備山の 帯にせる 明日香の川の 早き瀬に 生ふる玉藻の うち靡き 心は寄りて 朝露の 消なば消ぬべく 恋ひしくも しるくも逢へる 隠り妻かも

意訳:春がやってくると枝もたわわに花が咲き乱れ、秋になると鮮やかに黄葉する神奈備山。その神奈備山(かむなびやま)が帯にしている明日香川の早瀬に生える玉藻(水草)が揺れて靡くように、心が靡いて朝露のように消え入らんばかりになりながら恋した甲斐があって、やっと逢えたよ。私の隠し妻に。
◎神南備と神名火とは、意味するものが違います。神南備は神が宿る神聖な場所ですが、神名火は明日香の甘橿の丘を意味します。そうしたとき、明日香川が裾野を取り巻くように流れる雰囲気が出て来ます。すると、飛鳥浄御原宮に居る官女や官僚の子女に恋した歌と推定出来ますから、この歌は飛鳥浄御原宮から藤原宮時代の歌となります。
133267:明日香川瀬々の玉藻のうち靡き心は妹に寄りにけるかも

133336:鳥が音の聞こゆる海に高山を隔てになして.......(長歌)
原文:鳥音之 所聞海尓 高山麻 障所為而 奥藻麻 枕所為 <>葉之 衣<>不服尓 不知魚取 海之濱邊尓 浦裳無 所宿有人者 母父尓 真名子尓可有六 若を之 妻香有異六 思布 言傳八跡 家問者 家乎母不告 名問跡 名谷母不告 哭兒如 言谷不語 思鞆 悲物者 世間有 <世間有>
          万葉集 巻133336
        作者:不明
よみ:鳥が音の 聞こゆる海に 高山を 隔てになして 沖つ藻を 枕になし ひむし羽の 衣だに着ずに 鯨魚取り 海の浜辺に うらもなく 臥やせる人は 母父に 愛子にかあらむ 若草の 妻かありけむ 思ほしき 言伝てむやと 家問へば 家をも告らず 名を問へど 名だにも告らず 泣く子なす 言だにとはず 思へども 悲しきものは 世間にぞある 世間にぞある

:鳥の鳴き声が聞こえる海に、高山を隔て(背後にし)、沖に浮かぶ藻を枕にして、海の浜辺に無心に横たわっている人。その人は母や父にとっては愛しい子だろうに。また若草のような妻もあるだろうと思えるのに。何か言づけもあるだろうと思って、家を訊ねたが家の在処も名乗らない。名前を聞いてもそれさえ言わない。まるで泣きじゃくる子のように言葉を発しない。思えば悲しい世の中だねえ。世の中だねえ。
14-3397:常陸なる浪逆の海の玉藻こそ引けば絶えすれあどか絶えせむ

14-3562:荒礒やに生ふる玉藻のうち靡きひとりや寝らむ我を待ちかねて

 


ウェブニュースより
 小林亜星さん死去88歳「この木なんの木」作曲家 「寺内貫太郎一家」主演 ―― 「北の宿から」などで知られる作曲家で、ドラマ「寺内貫太郎一家」の主演でも親しまれた小林亜星さんが5月30日、心不全のため亡くなっていたことが14日、分かった。88歳だった。すでに葬儀などは済ませており、「お別れの会」なども予定していないという。

 所属事務所によると、5月30日の早朝、自宅で転倒した姿で見つかり、緊急搬送されたものの、心不全で帰らぬ人になったという。それまでは大病などもなく、自宅で妻と暮らしていた。
 最後の仕事は、14年の「六花亭製菓」のCMソング「花咲く六花亭」。同曲をはじめ、「この木なんの木」でおなじみの日立製作所「日立の樹」などでタッグを組んだ作詞家伊藤アキラさんが先月22日に亡くなったことが明らかになった際には、伊藤さんについて「プライベートではお酒も呑まず、大変真面目な方でしたので、私のような飲兵衛とはほとんど接点はなかったのですが、仕事ではいつも彼の歌詞が回ってくると、スムーズにメロディをつけれるという、気が合うのか合わないのか、そんな不思議な関係でした」などとコメントも寄せていた。
https://www.youtube.com/watch?v=WYNC8JzV5j8
 ◆小林亜星(こばやし・あせい)1932年(昭7811日、東京都生まれ。慶大卒。作曲家服部正氏に師事、音楽の道に。レナウン「ワンサカ娘’64」やブリヂストン「どこまでも行こう」などのCM曲や、「魔法使いサリーのうた」「ひみつのアッコちゃん」など人気アニメソングも多数。02NHK連続テレビ小説「さくら」にも出演。    [日刊スポーツ 20216141626]


 

藻(も)を詠める歌14
12-3076:住吉の敷津の浦のなのりその名は告りてしを逢はなくも怪し

12-3077:みさご居る荒礒に生ふるなのりそのよし名は告らじ親は知るとも

12-3078:波の共靡く玉藻の片思に我が思ふ人の言の繁けく

12-3079:わたつみの沖つ玉藻の靡き寝む早来ませ君待たば苦しも

12-3177:志賀の海人の礒に刈り干すなのりその名は告りてしを何か逢ひかたき

12-3205:後れ居て恋ひつつあらずは田子の浦の海人ならましを玉藻刈る刈る

12-3206:筑紫道の荒礒の玉藻刈るとかも君が久しく待てど来まさぬ

 


ウェブニュースより
 藤井聡太王位・棋聖、“鬼の棲家”順位戦B級1組で2勝目 屋敷伸之九段下す ―― 将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)が6月13日、順位戦B級1組3回戦で屋敷伸之九段(49)に130手で勝利し、同組で今期2勝目(1敗)を挙げた。2回戦で稲葉陽八段(32)に敗れ、順位戦での連勝記録が「22」で止まっていたが、タイトル3期の実績を持つ屋敷九段に、じっくりとした進行から中盤以降少しずつリードを奪い、拡大していく落ち着いた指し回し。“鬼の棲家”と称される激戦区で、A級昇級に向けて再スタートを切った。

 屋敷九段が得意とする相掛かりからのスタートになった一局は、角・歩の交換こそあったものの、本格的な戦いが始まったのは、夜戦に入ってから。自然な指し手に終始したように見えるものの、形勢としては確実に差を広げていき、終盤に入ったところでははっきり優勢に。「AI超え」のような目立つ一手ではなく、全体の構成で勝利する骨太の強さで、最後は長手数の詰み筋を読み切った。
https://www.youtube.com/watch?v=mRO2rpFAElQ
 対局後、藤井王位・棋聖は、2回戦で敗れていたことについて「B級1組は特に長いので、星取りは考えずに臨もうと思っていました」と対局前の心境を振り返ると、「序盤から選択肢が多くて、本譜よりいい展開を選べたところもあったと思います」と一局を通した感想をコメント。次局に向けては「まだ9局残っているので、あまり先のことを考えずに目の前の一局一局に集中したいです」と抱負を述べた。
 藤井王位・棋聖には、谷川浩司九段(59)が持つ21歳2カ月の最年少名人記録更新の可能性を残しており、今期A級への昇級を果たし、来期のA級で挑戦権獲得、さらに奪取する必要がある。逆に今期、昇級できなければ飛び級のシステムがないだけに、記録更新は不可能になる。
 順位戦のほか、今月には渡辺明名人(棋王、王将、37)との棋聖戦五番勝負、豊島将之竜王(叡王、31)との王位戦七番勝負と重要な対局が続くだけに、天才棋士の夏は今年も多忙で激しいものになる。(ABEMA/将棋チャンネルより)   【ABEMA TIMES 2021.06.14 00:41


 

藻(も)を詠める歌13
11-2778:水底に生ふる玉藻の生ひ出でずよしこのころはかくて通はむ

11-2780:紫の名高の浦の靡き藻の心は妹に寄りにしものを

11-2781:海の底奥を深めて生ふる藻のもとも今こそ恋はすべなき

11-2782:さ寝がには誰れとも寝めど沖つ藻の靡きし君が言待つ我れを



ウェブニュースより
 香港民主派の周庭氏出所 多くの活動家なお収監 ―― 無許可集会を扇動した罪で服役していた香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏が12日、刑期を終えて出所した。ただ、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏ら多くの活動家は収監されたままで、香港の民主派を取り巻く環境は厳しい。

 周氏は出所後、インスタグラムに「つらかった半年と20日がようやく終わった。いまは体を休ませて健康に気を配ります。痩せて体が弱くなってしまったから」と投稿した。
 周氏は刑務所を出た後、多くの報道陣に囲まれたが、問いかけには応じず迎えの車に乗り込んだ。笑みはなかった。今回、半年あまりの服役を終えたのは20196月の警察本部を包囲したデモに関するもの。これとは別に香港国家安全維持法の違反容疑の捜査は継続中とみられ、再び起訴される可能性もある。
 周氏と行動をともにしていた黄氏は抗議活動に関する複数の実刑判決を受けて、合計の刑期が2年以上になった。周氏の服役中に香港紙創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏や、天安門事件の追悼集会を長年続けてきた李卓人氏らも刑務所に入った。

 羅冠聡(ネイサン・ロー)氏ら海外に渡った活動家は当局から指名手配され、事実上、香港に戻れない。民主派の活動余地はますます狭まっている。
 中国は攻勢を強めている。中国政府の香港出先機関トップの駱恵寧氏は12日、中国共産党創立100年を記念する講演で「共産党の一党支配終結を訴える者は香港の安定と繁栄の真の敵だ」と明言した。「一党支配終結」は香港の民主派団体が掲げるスローガンの一つで、これまで当局に問題視されたことはほとんどなかった。
 香港警察は11日、無許可デモを扇動した容疑で学生団体幹部を逮捕した。12日は19年の大規模デモで若者らと警察が激しく衝突した日から2年にあたり、抗議活動が呼び掛けられていた。直前の逮捕でデモ参加者を萎縮させる効果を狙った可能性がある。    【日本經濟新聞 2021612 18:05 (2021612 18:44更新)


 

藻(も)を詠める歌12
11-2437:沖つ裳を隠さふ波の五百重波千重しくしくに恋ひわたるかも

11-2482:水底に生ふる玉藻のうち靡き心は寄りて恋ふるこのころ

11-2483:敷栲の衣手離れて玉藻なす靡きか寝らむ我を待ちかてに

11-2721:玉藻刈るゐでのしがらみ薄みかも恋の淀める我が心かも

11-2743:なかなかに君に恋ひずは比良の浦の海人ならましを玉藻刈りつつ


ウェブニュースより
 朝乃山、6場所出場停止 前師匠の錦島親方は退職―大相撲 ―― 日本相撲協会は11日、東京都内で臨時理事会を開き、協会が定めた新型コロナウイルス感染防止対策のガイドラインに違反し不要不急の外出を繰り返したとして、大関朝乃山(27)=本名石橋広暉、富山県出身、高砂部屋=に対し、来年夏場所まで6場所の出場停止と報酬減額(6カ月、50%)の懲戒処分を決めた。これで幕下以下への転落が確実になった。

 朝乃山は5月21日付で引退届を提出。しかし相撲協会では今後、問題行動があった場合はこれを受理するとして、八角理事長(元横綱北勝海)預かりにした。師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)も監督責任を問われ、報酬減額(3カ月、20%)処分を受けた。
 朝乃山の入門時の師匠で、元大関朝潮の先代高砂親方(65)=長岡末弘、高知=についても、本場所中に飲食を伴う会食をするなどの違反行為があったが、提出された退職願を6月10日付で受理し、処分は見送った。同親方は昨年12月に65歳の定年を迎えたことに伴い、現師匠に高砂部屋を継承。再雇用制度を利用し、錦島親方として協会に残っていた。
 相撲協会によると、朝乃山は本場所中を含む外出禁止期間にキャバクラに通うなどの違反を重ねた。これが週刊誌の取材対象となったことを知ると、整体治療が目的だったなどと、いったんは否定。5月の夏場所中に一部を認め、翌日から途中休場した。こうした経緯について相撲協会は「大関に求められる品格や、責任の重大さに対する自覚がみじんも感じられない」と厳しく指摘した。
 ◇新型コロナ関連での相撲協会の処分
2020年8月 阿 炎    出場停止3場所
             報酬減額(5カ月、50%)
      極芯道    出場停止2場所
      田子ノ浦親方 けん責
   10月 時津風親方※ 2階級降格
      松ケ根親方  けん責
 21年2月 時津風親方※ 退職勧告、退職金減額(30%)
   5月 竜 電    出場停止3場所
   6月 朝乃山    出場停止6場所
             報酬減額(6カ月、50%)
(※時津風親方は先代)
            (JIJI.COM 202106112146分)

 平井デジタル相「不適切表現」認める 五輪アプリ指示で ―― 平井卓也デジタル改革相は11日の記者会見で、東京五輪・パラリンピックの入国管理アプリの開発経費を巡り、交渉担当者に不適切な表現で指示をしたと明らかにした。費用削減を目指す過程で受注先の企業に「脅しておいた方がよい」と話した。

 政府はアプリの開発業務を外部に委託しており、1月に共同事業者との間で開発経費73億円の契約を締結した。その後、海外からの一般観客の受け入れ見送りに伴ってNECが手掛ける顔認証機能を省き、経費を38億円に圧縮し契約変更した。
 一部報道で公開された音声データによると、平井氏は内閣官房IT(情報技術)総合戦略室の会議で「この五輪でぐちぐち言ったら完全に干す」「脅しておいた方がよい」などと語った。
 平井氏は11日の記者会見で「担当責任者には打ち合わせで色々指示を出した。報道されている音声データはその中の一部ではないか」と述べた。
 発言の真意について「国民の血税を預かる立場として、国民目線で調達の無駄をなくす強い意志を持っている」と言及した。契約金額を圧縮するため「強い覚悟で国民の立場で交渉することを強い口調で申し上げた」と説明した。
 自身は受注先と直接やりとりせず、内部での指示だったことも強調した。「業者に対して言っているわけではない」と主張した。契約変更は両者の合意があったとも説いた。    【日本經濟新聞 2021611 12:00


 

藻(も)を詠める歌11
巻9-1685:川の瀬のたぎつを見れば玉藻かも散り乱れたる川の常かも

※間人宿祢(はしひとのすくね、生没年未詳)
 伝未詳。文武朝頃の人でしょうか。間人宿禰は、天皇と臣下、または異国人との間をとりつぐ職掌をもったかとされる伴造氏族です。天武十三年、連より宿禰に改姓されました。
巻9-1726:難波潟潮干に出でて玉藻刈る海人娘子ども汝が名告らさね

※丹比真人(たぢひのまひと)について
 飛鳥時代から奈良時代に活躍した一族で「宣化天皇(28)」の末裔といわれています。丹比連が神の末裔に対し、丹比真人は天皇の末裔になります。
 丹比真人の「真人(まひと)」は天武天皇が定めた八色の姓(やくさのかばね)の一つ。その中でも「真人」は最高位の姓であり、主に皇族に授けられました。
 丹比真人の中でも、丹比真人嶋(たじひしま)は、優れた人物として知られています。丹比真人嶋は、文武天皇の治世において、臣下の最高位である左大臣まで登りつめました。
 以後も丹比真人は、高位に就く人物を輩出しますが、政変に敗れて衰退。平安時代以降は姿を見せなくなります。
101930:梓弓引津の辺なるなのりその花咲くまでに逢はぬ君かも

101931: 川の上のいつ藻の花のいつもいつも来ませ我が背子時じけめやも

 


ウェブニュースより
 五輪開催「コロナ乗り越えたと発信したい」 菅首相、初の党首討論 具体性欠く「安全・安心」 ―― 菅義偉首相と野党4党首による党首討論が9日、開かれた。首相は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まるのに東京五輪・パラリンピックを開催する理由を問われたが直接答えなかった。「安全、安心な大会」の定義も明確に示さず、感染拡大を防ぐ備えについても具体的に説明しなかった。

 党首討論は2019年6月以来2年ぶりで、菅政権では初めて。
 共産党の志位和夫委員長は、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が五輪開催に伴う感染拡大リスクを「ゼロにできない」と指摘したことに触れ、それでも開催しなければならない理由を2回にわたって追及。首相は「尾身氏の意見も参考に感染対策の詰めを行う」「国民の命と安全を守れなければ(大会を)やらないのは当然」との従来の見解を示すにとどめた。
 五輪開催の意義に関し、立憲民主党の枝野幸男代表への答弁では「子どもや若者に希望や勇気を伝えたい」「東日本大震災から復興した姿を見てほしい」「世界が団結して新型コロナを乗り越えたことも発信したい」と説明した。
 枝野氏は、国民の生命と健康を守ることが五輪開催の前提条件とした首相の発言について「大会参加者による直接的な感染拡大だけでなく、開催を契機に国内で感染が広がる事態も含む意味か」とただした。
 首相はこれについても直接の答弁を避けた。入国する関係者の絞り込み、行動管理の徹底などの対策を説明し、国際オリンピック委員会(IOC)などとの協議を通じて「国内基準に合った方向性を6月中に決める中で、十分配慮される」とだけ語った。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は、追加経済対策の策定を求めたが、首相は否定した。玉木氏はコロナの水際対策として、ワクチンパスポートの導入も提案したが、首相は検討中と述べた。
 日本維新の会の片山虎之助共同代表は21年度補正予算編成の必要性を指摘したが、首相は「状況を見て判断する」と語った。   (東京新聞 202169 2147分)

 ワクチン大規模接種センター予約枠“ガラガラ” 8割埋まらず ――  あれほど殺到していたのに、どうして激減してしまったのか。
 65歳以上の高齢者のために自衛隊が設置したワクチン大規模接種センターへの“予約枠”が、ガラ空き状態となっている。8日、岸防衛相が、予約枠全体の8割が埋まっていないと明らかにした。
 「東京センターにおいては、合計14万人の予約枠に対して現在125000人、大阪については、7万人の予約枠に対して5万7000人の予約枠が残っています」
 今回、自衛隊が受け付けたのは、6月1427日の2週間分。28日からは、2回目の接種がスタートする。

■高齢者のニーズ完全に見誤った
 しかし、われ先にとワクチン接種に走っていたはずなのに、8割も空きがあるとは驚きだ。いったい、どういうことなのか。どうやら、高齢者のニーズとズレがあったようだ。ネット上にも“当然だ”の声が飛んでいる。
 <そりゃ、そうだよ。だって高齢者のニーズと合ってないもん。なんでわざわざ難しい予約して、電車に乗って行かなきゃいけないの? 暑い日や雨の日なんて出掛けたくないでしょう?><高齢者がLINE使って予約すると思う??議員が自分でやってみなよ。できるのか? 都内までわざわざ出かける元気な高齢者は近くで接種できるようになるまで待つでしょう>
 「かかりつけ医の方が安心」という高齢者も多く、予約がスタートした当初、何時間、電話をかけてもつながらず、疲れ切ってしまい、急いで接種するのを諦めてしまったという高齢者もいるようだ。
 菅首相の思いつきで設置された大規模接種センターだが、このまま予約が埋まらなかったら、とんでもない無駄になってしまう。「若者も打てるようにすればいい」との声もあるが、もともと3カ月限定のうえ、28日からは2回目の接種がスタートするため、転用もそう簡単ではないという。
 「この数カ月、コロナに感染しないように、多くの高齢者は電車に乗ることも避けているはずです。なのに、感染リスクの高い都心のど真ん中までわざわざ電車に乗って行こうとは思わないはずです。それに、菅首相は、ワクチンを打て、打てと、せっついているように見えますが、高齢者だって副反応を恐れています。誰よりも一刻も早く打ちたいと思っているのは、3割程度なのではないか。逆に副反応を恐れている人も1割、2割いておかしくない。菅首相は、高齢者の思いを見誤っていますよ」
 この調子では、ワクチン接種1日1万回は、まだまだ先だ。  (日刊ゲンダイ 公開日:2021/06/09 14:00 更新日:2021/06/09 15:06


 


 

プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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