瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 クイズ(quiz)は英語で「(人に)質問をする」「テストをする」という意味があるのに対して、パズル(puzzle)は「(人の)頭を悩ませる」「困惑させる」という意味がある。
 いうなれば、クイズは知識があるかどうかを問うこと、あるいは知識を土台にした論理的推理を伴う質問をすることを指し、パズルは知識の有無を問うものではなく、与えられた情報を組み合わせたり、推理したり、ひねったりしないと答えられないような、考え悩ませる問題ということになる。
 クイズは必ず言葉が必要になるが、パズルはルービックキューブやナンプレ(ナンバープレイス/数独)のように、やり方さえ理解すれば、まったく言葉の介在を必要としないものもある。
 ただし、クイズは出題形式によってはパズル的な要素を加えることもできるし、押しボタンにより時間を競ったり、別のゲームと組み合わせることによって複雑化したりすることができる。パズルも、クロスワードや漢字パズルのように、知識の有無が重要になるものもある。両者は連続しており、完全に別個のものではないといえる。

 図形をいくつかの断片に切り分け、並べ直すパズルは西洋にも多いが、紙を「折って切る」というのは、日本独特のものらしい。
4272cfa6.JPG 問題:左の図のように正方形の一部を欠いた形の紙を適当に折り、一度だけハサミを入れて切り、その断片をつなぎ合わせて、ひとつの正方形にせよ。
b41c710c.JPG 解1)9分割した正方形の1つが欠けた形なので、最小単位の「1」になるまで、紙を折りたたむ。1辺が「1」の正方形の対角線を切る。ばらばらになった断片を組み合わせると、一辺が「2√2」、面積が「8」の正方形になる。

c7f6747d.JPG 解2)最初の形を3×3から1×1の正方形を除いたものとすると、「8」の平方根が「2√2」になることは、最初からわかっているので、後は、出来るだけ少ない折数で作るかである。折った回数は2回、4ピースで正方形が完成できる。切れ味のよい解答である。
b43cfde7.JPG 解3)「2√2」はいろんなところに隠れているので、別の折り方と切り口を見つけてみる。欠けた部分をうまく活かした、解2)と並んで対称性に富んだなかなか美しい解法だ。


7aa363ac.JPG このパズルは昨日取上げた寛保3年(1743年)に刊行された中根彦循(なかね・げんじゅん:1701~1761年)の「勘者御伽双紙」(かんじゃおとぎぞうし)にも載っていて、『一小刀(いっこがたな)の問題』と呼ばれている。その解法は左の通り。




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