Hēsíodos(ヘーシオドス)の『神統記(テオゴニアー)』によればKronos(クロノス)はウーラノスとガイアの息子でティーターンの末弟です。Rheā(レアー)の夫であり、Hādēs(ハーデース)、Poseidōn(ポセイドーン)、Zeus(ゼウス)およびHērā(ヘーラー)、Hestiā(ヘスティアー)、Dēmētēr(デーメーテール)の父でもあります。またPhilyrā(ピリュラー)との間にCheirōn(ケイローン)を設けました。
※ Cheirōn(ケイローン):ケイローンはクロノスとNymphē(ニュンペー、ニンフ)のPhilyrā(ピリュラー)の子で、クロノスは妻レアーの目を逃れるために馬に姿を変えてピリュラーと交わったことから、半人半馬となったといわれています。またDolops(ドロプス)という兄弟がいたともいわれています。一般に野蛮で粗暴なKentaurs(ケンタウロス)族の中で、ケイローンは例外的な存在であり、Apollōn(アポローン)から音楽、医学、予言の技を、Artemis(アルテミス)から狩猟を学んだといいます。ケイローンはペーリオン山の洞穴に住み、薬草を栽培しながら病人を助けて暮らしました。また、請われてHēraklēs(ヘーラクレース)やKastōr(カストール)ら英雄たちに武術や馬術を教え、Iāsōn(イアーソーン)を養育し、Asklēpios(アスクレーピオス)には医術を授けたといいます。Akhilleus(アキレウス)の師傅(しふ、教育係)でもあったといいます。 弓を持つケンタウロスのモチーフは知恵の象徴であるケイローンから由来しています。ヘーラクレースとケンタウロスたちとの争いに巻き込まれ、ヘーラクレースの放った毒矢が誤ってケイローンの膝に命中し、不死身のケイローンは苦痛から逃れるために、ゼウスに頼んで不死身の能力をプロメーテウスに譲り、死を選びました(その死を惜しんだゼウスはケイローンの姿を星にかたどり、射手座にしたという)。
Zeus(ゼウス)の生誕に関する古代伝説のひとつによれば、父クロノスはわが子に支配権を奪われる不安にかられ、生まれた子供を次々に飲み込んでしまいました。そこでゼウスを生んだとき、母Rheā(レアー)は産着(うぶぎ)で包んだ石をかわりにクロノスに飲ませることでゼウスを救ったといいます。ゼウスはクレーテー島で雌山羊のAmalthea(アマルテイア)の乳を飲み、Nymphai(ニュムペー)に育てられました。
成人したゼウスは、嘔吐薬によってクロノスに女を含め兄弟たちを吐き出させ(この時飲み込まれた順とは逆の順で吐き出されたが、これがポセイドーン等にとって第2の誕生にあたり、よって兄弟の序列が逆転されたともされている)、父親に復讐をしたがっている彼らと共に、全宇宙の支配権を巡る戦争であるTītānomakhiā(ティタノマキア)を勃発させたのです。
この大戦においてゼウスは雷霆を投げつけ、無敵の衝撃波と雷火によってティーターン神族を一網打尽にしました。その威力は見渡す限りの天地を逆転させ、地球や全宇宙、そしてその外側のカオスをも焼き払うほどであったといいます。この想像を絶する猛攻撃の甲斐あってゼウスたちはクロノスなどのティーターン神族を打ち倒し、敗者であるティーターン神族は宇宙の深淵であるTartaros(タルタロス、奈落)に封印されたのでした。全宇宙を大炎上させたTyphon(テューポーン)との戦いでは、足の腱を切られて一時囚われの身となったこともありましたが、救出された後は見事にテューポーンを打倒しています。
その後ゼウスとポセイドーンとハーデースは支配地をめぐって籤引きをし、それぞれ天空と海と冥界の主となりました。更に、ゼウスはその功績から神々の最高権力者と認められたのです。
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