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 ギリシャ神話において、人類の起源についての説は4つほどあげられます。1つ目はZeusゼウス)が、2つ目はPromētheus(プロメテウスが作ったと記されている。 一般に1番古い伝統的な考え方としては人類は自然に大地から生じた神々と同族ということになります。最後はHēsíodosヘシオドス説で人類の製作者はオリュンポスの神々ということになっています。といわけで最後の説「人間5世代の話」の概要です。

クロノスが治めていた時代、オリュンポスの神々はまず始めに「黄金の種族」を作り上げました。この種族は苦労や苦しみを知らず、楽しい日々を送っていました。 食物は自然に大地に実り、年も取らず眠りながら死んでいきます。そして精霊となり、地上で生きている人間を悪から守っていました。

ところがこの種族は大地が埋め隠して全滅してしまいます。今度は前より劣った「白銀の種族」を作りました。この種族は大人に成長するのに100年もかかった。 やっと成長してもすぐに死んでしまうのです。そして互いに害しあうことを覚えてしまいました。おまけに神々をおろそかにして崇拝もしませんでした。 この頃、天上の政権はクロノスからゼウスに移っておりまして、彼は少々の気温変化を作りましたので人間は洞窟という住処(すみか)を初めて所有しました。 この時に「季節の女神」Hōrai(ホーライ)も生まれたのでしょうね。

 

結局ゼウスはこの種族を滅ぼして、さらに第3の「青銅の種族」を作りました。それらはとりねこの木から作られたため、恐ろしく強豪な種族でした。 この種族は血の気が多く、軍神Ārēs(アレスを崇拝し、青銅を使って武器を作り殺戮にふけりました。そしてとうとう滅ぼしあって自滅しまいました。

ゼウスは再び第4の種族を作りました。それは英雄hērōs(ヘロス、ヒーロー)たち――半神と呼ばれる立派な種族です。この種族はいわゆる神話内で「英雄」とうたわれている人たちのことですが、これもまたテーバイ遠征やトロイア戦記のような戦争で滅んでしまいます。

 

そして更に第5の「鉄の種族」を作りました。これが我々現在の種族であり、正しいことをしても認められず、悪事を讃えます。そして相変わらず滅ぼしあっています。 神々はそうした人間を見放し、次々と天界へ上がっていってしまいます。最後まで「純潔の女神」Astraiā(アストライア)が残りましたが、とうとう彼女も天へ帰ってしまいます。

以上がヘシオドスの説であり、Apollodoros(アポロドロス、1世紀から2世紀頃の人物)説では「青銅の種族」をゼウスが洪水を起こして滅ぼしてしまうと書いてあります。内容はノアの方舟と殆ど同じです。これら種族と、プロメテウスが作ったといわれる人間の種族と、鉄の種族に属する人間の関係がはっきりとは判りません。
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