Gigās(ギガース)あるいはGigantes(ギガンテス)と呼ばれる巨人は、巨大で濃い毛を生やし、腰から下は竜の形をしていたといいます。この巨人はKhronos(クロノス)によりOuranos(ウーラノス)の性器が切り取られた際に滴り落ちた血をGaîa(ガイア)が受胎し、産み落とされたものといわれています。
予言により、この巨人には人間の力を借りなければ勝利は得られないと告げられており、Ólympos(オリュンポス)の神々は負けはしないものの、巨人に打ち勝つ事ができなかったのです。このため、Zeus(ゼウス)は人間の女Alkmēnē(アルクメーネー)と交わり、Hēraklēs(ヘーラクレース)をもうけ、味方としました。ガイアはギガースの弱点を克服させるために、人間に対しても不死身になる薬草を大地に生やしましたが、これを察知したゼウスによっていち早く刈り取られ、遂にギガースがそれを得ることはありませんでした。
※Hēraklēs(ヘーラクレース):ケイローンに武術を師事して、剛勇無双となります。Kithairon(キタイローン)山のライオンを退治し、以後ライオンの頭と皮を兜・鎧のように身につけて戦うようになりました。/ヘーラクレースは義父Amphitryōn(アムピトリュオーン)が属するThēbai(テーバイ、古代ギリシアにあった都市国家〈ポリス〉)を助けてOrchomenus(オルコメノス)の軍と戦い、これを倒しました。Kreon(クレオーン)王は娘Megara(メガラー)を妻としてヘーラクレースに与え、二人の間には3人の子供が生まれたのです。しかし、Hērā(ヘーラー)がヘーラクレースに狂気を吹き込み、ヘーラクレースは我が子とĪphiklēs(イーピクレース)の子を炎に投げ込んで殺してしまい、これを悲しんだメガラーも自殺します。正気に戻ったヘーラクレースは、罪を償うためにDelphoi(デルポイ、古代ギリシアの都市国家の1つ)に赴き、Apollōn(アポローン)の神託を伺います。神託は、「Mikenes(ミュケーナイ)王Eurystheus(エウリュステウス)に仕え、10の勤めを果たせ」というものでした。ヘーラクレースはこれに従い、本来なら自分がなっているはずのミュケーナイ王に仕えることになったのです。「ヘラクレスの選択」といえば、敢えて苦難の道を歩んでいくことをいいます。
ギガースたちは、山脈や島々など、ありとあらゆる地形を引き裂きながら進軍し、巨岩や山そのものを激しく投げ飛ばして神々を攻撃しました。これに対し、Ólympos(オリュンポス)の神々も迎撃を開始し、Tītānomakhiā(ティタノマキア)以来の宇宙の存亡を賭けた戦争が再び始まったのです。ゼウスは巨人たちを雷霆で次々と撃ち倒し、戦闘不能になった巨人たちは尽(ことごと)くヘーラクレースの強弓の餌食となりました。他の神々も奮闘し、Dionȳsos(ディオニューソス)は杖で戦い、Hekátē(ヘカテー)は灼熱の炬火を投げつけ、またAthēnā(アテーナー)とPoseidōn(ポセイドーン)は火山や島そのものを巨人に叩きつけて押し潰し、最後にヘーラクレースが強大な毒矢や怪力を以て巨人に止めを刺したといいます。Pallênê(パレーネー、ギガースの生地とされている)の地に触れている限り無敵の力を得る最強の巨人ともいわれていましたが、ヘーラクレースの圧倒的な怪力によってその地から引き剥がされ、その後彼の剛腕によって殺されてししまいました。 ギガースたちは神々とヘーラクレースによって皆殺しにされ、この壮大な戦争はオリュンポスの圧勝に終わりました。
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