今朝の早朝徘徊も控えめに、桜橋~吾妻橋間を一回りして帰宅しました。携帯の万歩計によれば、歩数8995、距離6.2㎞とありました。
Kalydon(カリュドーン)の猪の由来については、一般には女神Artemis(アルテミス)が野に放ったとする以外の言い伝えはありません。Strábôn(ストラボン、BC63年頃~23年頃、古代ローマ時代のギリシア系の地理学者・歴史家・哲学者)は、この猪をKrommyon(クロムミュオーン、昨日添付の地図2→c12、図内30)地方を荒らした雌猪Phaia(パイア、Echidna〈エキドナ〉とTȳphōn〈テューポーン〉の子ともいわれ、Thēseus〈テーセウス〉によって退治されました)の子であるとしていますが、他にこの説を採り上げるものはありません。イギリスの詩人Robert Graves(ロバート・グレーヴス、1895~1985年、イギリスの詩人、小説家、評論家)は、その著書『ギリシア神話』のなかで、猪は三日月型の牙を持つことから月の聖獣とされ、同時にArēs〈アレース〉の聖獣でもあるとしています。
狩が始まると、一隊から距離を置いて進んでいたAtalantē(アタランテー)を犯そうと、かつて山野で狩りしていたアタランテーを見初めていたKentauros(ケンタウロス)のHylaios(ヒューライオス)とRhoikos(ロイコス)が、この時とばかり襲いかかてきましたが、二人ともアタランテーに射殺されてしまいます。
猪はNestōr(ネストール)を襲い、ネストールは木の上に逃れます。そこをJason(イアーソーン)とĪphiklēs(イーピクレース)が狙って槍を投げましたが、イーピクレースの槍が猪の肩をかすめただけでした。Telamōn(テラモーン)とPēleus(ペーレウス)が進み出ますが、テラモーンは木の根につまずいてしまい、ペーレウスがテラモーンを抱き起こそうとするところに猪が突進してきました。Atalantē(アタランテー)が矢を放つと、矢は猪の耳のうしろに刺さりました。猪は一旦逃げたものの、まもなく再び突進してきます。Ankaios(アンカイオス)がその前に立ちはだかって斧を振り下ろしましたが間に合わず、猪に腹を突かれて殺されてしまいます。動転したペーレウスが槍を投げつけたところ、手元が狂ってEurytion(エウリュティオーン)に当たって彼を殺してしまいます。そのときAmphiarāos(アムピアラーオス)の矢が猪の眼を射抜き、Thēseus(テーセウス)とMeleagros(メレアグロス)が槍を投げました。テーセウスの槍は外れましたが、メレアグロスの槍は猪の脇腹を貫き、痛手と刺さった槍のために猪がぐるぐる回るところをメレアグロスが手槍でとどめを刺し、ようやく猪は退治されました。
この神話は「カリュドーンの猪狩り」として、古代ローマでは彫刻の題材として好んで採り上げられました。後世においても著名な神話のひとつであり、バロック期のRubens(ルーベンス、1577~1640年、フランドルの画家、外交官。祭壇画、肖像画、風景画、神話画や寓意画も含む歴史画など、様々なジャンルの絵画作品を残しました)や現代ではPicasso(ピカソ、1881~1973年、スペインのマラガに生まれ、フランスで制作活動をした画家、素描家、彫刻家)などが絵画や挿絵の題材としているといいます。
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