瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
間もなく、初場所がはじまる。今朝のウェブニュースはその相撲界から。
【大相撲】角界の旧弊に風穴明けるか 貴乃花親方の強行出馬 ―― 会合の開始からおよそ2時間後、貴乃花親方が一人で途中退席した。報道陣に「立候補させていただきますということでお話ししました。一門を出るということです」と話し、無所属で理事選に出馬するのかを確認されると「そういうことですね」と言い切った。/会合は、さらに1時間後に終了。「穏便に話をしようと思っていたが(貴乃花親方が)乗ってくれなかった」。一門の取りまとめ役の放駒親方は話し、「本人の意志が固く、どういう形になっても立候補したいということだ」と説明した。/理事選で投票権を持つ評議員は現在105人いる年寄に、大関以上の日本人力士2人(魁皇、琴光喜)、立行司2人の計109人。外部理事を除く理事の定員は10だから、当選に必要な票数は10前後となる。5つの一門は票に見合った数の理事を出しており、29票を持つ二所ノ関一門の理事枠は3。4人が出馬すれば共倒れとなるだけに、調整が図られてきた。37歳と若い貴乃花親方には「もう1期(2年)待ってはどうか」と自重を促す意見もあったが、耳を貸さなかった。/角界では一昨年の力士暴行死事件以来、大麻問題など不祥事が続発。イメージの悪化に有効な手段を打てない協会執行部に対して、若手親方を中心に不満がくすぶっている。貴乃花親方は以前からファンサービスやチケット販売方法などで持論を展開するなど改革の意欲が強く、若手の意見を取り入れ、現状を早期に是正したい考えだという。/優勝22回など一時代を築いた貴乃花親方は、平成15年の引退後は「将来の理事長候補」とされてきた。出馬を強行するのは改革の近道との思いからだろうが、同門の尾車親方(元大関琴風)が「数年後にはあいつの時代が来るのに、何でそんなに急ぐんだ」と語るなど批判の声も少なくない。/一方で、「私は一人で立候補するのではない」と話すように、同門の大嶽親方(元関脇貴闘力)や阿武松親方(元関脇益荒雄)らのほか、一門外にも複数の支持者がいるとされる。当選ラインの得票を可能と見る関係者も多く、理事当選後に賛同者を増やせれば早期の改革実現も可能になる。/「なくした方がいい」という声すらある一門制に反旗を翻した貴乃花親方。賛否両論ある今回の行動だが、かつての自民党の派閥にも似た角界の旧弊に風穴を開けたという意義はありそうだ。 (産経ニュース、2010.1.8 22:36)
ギリシア神話:アポローンの愛を拒絶したカッサンドラー
Cassandra(カッサンドラー)はトロイア地方の首都イーリオスの王Priamos(プリアモス)の娘であって、Alexandra(アレクサンドラー)とも呼ばれた。早くからアポローンの寵を蒙り、おそらくは巫女としてその宮に仕えていたものと思われる。アポローンの神寵はいと細やかに、くさぐさの賜物のうちにも、御神のとりわけて秀で給う予言の術があった。こうして彼女は末先々の出来事まで予知しこれを託宣として伝える力を授かったのであった。彼女の誇らかに透徹して冷ややかな輝きを帯びる白玉のような美しさは銀弓の御神に対してそれほどまでの蠱惑(こわく)を持っていたのである。 しかし、それほどまでのアポローン神の有難い心遣いに対しても容易に彼女の心はすべてを打ち明けて許そうとはしなかった。生まれつきの冷たい心ばえからか、慎み深い乙女の臆病さの故か、それとも何か神性というものに本能的な警戒心を持っていたのか、はたまた一度靡くと見せてまた変心したのか、伝えにより話し手により種々であるが、ともかくいろいろな贈物を受けながら、ついに恩神に従わなかったか、背いたかしたことは事実にちがいなかった。
腹立ち紛れにアポローン神は一度遣った贈物を取り返そうとした。しかし人間にそれは許されても、神々に対しては一度授けたものを取り返すことは許容されなかった。それは神格を毀す振舞いとされた。そこでアポローンは彼女に授けた予言の力が無効になるよう、如何程真実な予言であっても人からそれが信じられないようにしてしまった。御神にはこの権限は許されていた。この時からして、Cassandraはこの上ない悲劇的な運命を負わされることになった。彼女は祖国の危難に対してParis(パリス)の生まれるとき予言し、また例の木馬がイーリオス城内に引き入れられようと言う際にも制止しようとした。しかし誰一人として彼女の戒めに耳を貸そうというものは無かったのである。
そして遂にイーリオス城は落城した。雪崩のように乱入するギリシア軍に城中は蹂躙(じゅうりん)され火は放たれ財物は奪われた。彼女はアテーナー神殿に逃げ込み、神像に縋って助けを求めたが、ついにロクリスのAias(アイアース)のために陵辱を受けた(この非行のためAiasは女神から震怒を蒙り、海上で溺れ死ぬことになる)。それから後も捕えられてギリシア軍の陣中に曳かれ、戦功褒章の折総帥Agamemnon(アガメムノーン)の手に渡った。アポローン神さえ拒んだ誇らかな王女が今は婢妾(ひしょう)としてアカイア人の臥床を調えねばならないとは。そして帰国と共に追うとひとしく王妃Klytaimnestra(クリュタイムネーストラー)の陰謀に係り、敢え無い最後を遂げるのである。
【大相撲】角界の旧弊に風穴明けるか 貴乃花親方の強行出馬 ―― 会合の開始からおよそ2時間後、貴乃花親方が一人で途中退席した。報道陣に「立候補させていただきますということでお話ししました。一門を出るということです」と話し、無所属で理事選に出馬するのかを確認されると「そういうことですね」と言い切った。/会合は、さらに1時間後に終了。「穏便に話をしようと思っていたが(貴乃花親方が)乗ってくれなかった」。一門の取りまとめ役の放駒親方は話し、「本人の意志が固く、どういう形になっても立候補したいということだ」と説明した。/理事選で投票権を持つ評議員は現在105人いる年寄に、大関以上の日本人力士2人(魁皇、琴光喜)、立行司2人の計109人。外部理事を除く理事の定員は10だから、当選に必要な票数は10前後となる。5つの一門は票に見合った数の理事を出しており、29票を持つ二所ノ関一門の理事枠は3。4人が出馬すれば共倒れとなるだけに、調整が図られてきた。37歳と若い貴乃花親方には「もう1期(2年)待ってはどうか」と自重を促す意見もあったが、耳を貸さなかった。/角界では一昨年の力士暴行死事件以来、大麻問題など不祥事が続発。イメージの悪化に有効な手段を打てない協会執行部に対して、若手親方を中心に不満がくすぶっている。貴乃花親方は以前からファンサービスやチケット販売方法などで持論を展開するなど改革の意欲が強く、若手の意見を取り入れ、現状を早期に是正したい考えだという。/優勝22回など一時代を築いた貴乃花親方は、平成15年の引退後は「将来の理事長候補」とされてきた。出馬を強行するのは改革の近道との思いからだろうが、同門の尾車親方(元大関琴風)が「数年後にはあいつの時代が来るのに、何でそんなに急ぐんだ」と語るなど批判の声も少なくない。/一方で、「私は一人で立候補するのではない」と話すように、同門の大嶽親方(元関脇貴闘力)や阿武松親方(元関脇益荒雄)らのほか、一門外にも複数の支持者がいるとされる。当選ラインの得票を可能と見る関係者も多く、理事当選後に賛同者を増やせれば早期の改革実現も可能になる。/「なくした方がいい」という声すらある一門制に反旗を翻した貴乃花親方。賛否両論ある今回の行動だが、かつての自民党の派閥にも似た角界の旧弊に風穴を開けたという意義はありそうだ。 (産経ニュース、2010.1.8 22:36)
ギリシア神話:アポローンの愛を拒絶したカッサンドラー
Cassandra(カッサンドラー)はトロイア地方の首都イーリオスの王Priamos(プリアモス)の娘であって、Alexandra(アレクサンドラー)とも呼ばれた。早くからアポローンの寵を蒙り、おそらくは巫女としてその宮に仕えていたものと思われる。アポローンの神寵はいと細やかに、くさぐさの賜物のうちにも、御神のとりわけて秀で給う予言の術があった。こうして彼女は末先々の出来事まで予知しこれを託宣として伝える力を授かったのであった。彼女の誇らかに透徹して冷ややかな輝きを帯びる白玉のような美しさは銀弓の御神に対してそれほどまでの蠱惑(こわく)を持っていたのである。 しかし、それほどまでのアポローン神の有難い心遣いに対しても容易に彼女の心はすべてを打ち明けて許そうとはしなかった。生まれつきの冷たい心ばえからか、慎み深い乙女の臆病さの故か、それとも何か神性というものに本能的な警戒心を持っていたのか、はたまた一度靡くと見せてまた変心したのか、伝えにより話し手により種々であるが、ともかくいろいろな贈物を受けながら、ついに恩神に従わなかったか、背いたかしたことは事実にちがいなかった。
腹立ち紛れにアポローン神は一度遣った贈物を取り返そうとした。しかし人間にそれは許されても、神々に対しては一度授けたものを取り返すことは許容されなかった。それは神格を毀す振舞いとされた。そこでアポローンは彼女に授けた予言の力が無効になるよう、如何程真実な予言であっても人からそれが信じられないようにしてしまった。御神にはこの権限は許されていた。この時からして、Cassandraはこの上ない悲劇的な運命を負わされることになった。彼女は祖国の危難に対してParis(パリス)の生まれるとき予言し、また例の木馬がイーリオス城内に引き入れられようと言う際にも制止しようとした。しかし誰一人として彼女の戒めに耳を貸そうというものは無かったのである。
そして遂にイーリオス城は落城した。雪崩のように乱入するギリシア軍に城中は蹂躙(じゅうりん)され火は放たれ財物は奪われた。彼女はアテーナー神殿に逃げ込み、神像に縋って助けを求めたが、ついにロクリスのAias(アイアース)のために陵辱を受けた(この非行のためAiasは女神から震怒を蒙り、海上で溺れ死ぬことになる)。それから後も捕えられてギリシア軍の陣中に曳かれ、戦功褒章の折総帥Agamemnon(アガメムノーン)の手に渡った。アポローン神さえ拒んだ誇らかな王女が今は婢妾(ひしょう)としてアカイア人の臥床を調えねばならないとは。そして帰国と共に追うとひとしく王妃Klytaimnestra(クリュタイムネーストラー)の陰謀に係り、敢え無い最後を遂げるのである。
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目高 拙痴无
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1932/02/04
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