瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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/(しの)を詠める歌3
50824:梅の花散らまく惜しみ我が園の竹の林に鴬鳴くも
標題:梅花謌卅二首并序
標訓:梅花の歌三十二首、并せて序
:天平二年正月十三日、萃于帥老之宅、申宴會也。于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。加以、曙嶺移雲、松掛羅而傾盖、夕岫結霧、鳥封穀而迷林。庭舞新蝶、空歸故鴈。於是盖天坐地、促膝飛觴。忘言一室之裏、開衿煙霞之外。淡然自放、快然自足。若非翰苑、何以濾情。詩紀落梅之篇。古今夫何異矣。宜賦園梅聊成短詠。
序訓:天平二年正月十三日に、帥の老の宅に萃(あつ)まりて、宴會を申く。時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑()く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す。加以(しかのみにあらず)、曙の嶺に雲移り、松は羅(うすもの)を掛けて盖(きぬがさ)を傾け、夕の岫(くき)に霧結び、鳥は穀(うすもの)に封()められて林に迷ふ。庭には新蝶(しんてふ)舞ひ、空には故鴈歸る。於是、天を盖(きにがさ)とし地を坐とし、膝を促け觴(さかずき)を飛ばす。言を一室の裏(うち)に忘れ、衿を煙霞の外に開く。淡然と自ら放(ほしきさま)にし、快然と自ら足る。若し翰苑(かんゑん)に非ずは、何を以ちて情を壚()べむ。詩に落梅の篇を紀(しる)す。古(いにしへ)と今とそれ何そ異ならむ。宜しく園の梅を賦()して聊(いささ)かに短詠を成すべし。
序訳:天平二年正月十三日に、大宰の帥の旅人の宅に集まって、宴会を開いた。時期は、初春のよき月夜で、空気は澄んで風は和ぎ、梅は美女が鏡の前で白粉で装うように花を開き、梅の香りは身を飾った衣に香を薫ませたような匂いを漂わせている。それだけでなく、曙に染まる嶺に雲が移り行き、松はその枝に羅を掛け、またその枝葉を笠のように傾け、夕べの谷あいには霧が立ち込め、鳥は薄霧に遮られて林の中で迷い鳴く。庭には新蝶が舞ひ、空には故鴈が北に帰る。ここに、天を立派な覆いとし大地を座敷とし、お互いの膝を近づけ酒を酌み交わす。心を通わせて、他人行儀の声を掛け合う言葉を部屋の片隅に忘れ、正しく整えた衿を大自然に向かってくつろげて広げる。淡々と心の趣くままに振る舞い、快くおのおのが満ち足りている。これを書に表すことが出来ないのなら、どのようにこの感情を表すことが出来るだろう。漢詩に落梅の詩篇がある。感情を表すのに漢詩が作られた昔と和歌の今とで何が違うだろう。よろしく庭の梅を詠んで、いささかの大和歌を作ろうではないか。
注意:原文「鳥封穀而迷林」は「鳥封縠而迷林」とし「鳥は縠(うすもの)に封()められて林に迷ふ」、「役膝飛觴」は「促膝飛觴」とし「膝を促け觴(さかずき)を飛ばす」、「何以壚情」は「何以攄情」とし「何を以ちて情を攄()べむ」と訓みます。

※阿氏奥島(あうじの-おきしま、生没年不詳)
 奈良時代の官吏です。天平2年(730)大宰少監のとき、長官である大伴旅人(たびと)邸でひらかれた梅花の宴でよんだ歌が「万葉集」巻5におさめられています。
巻6-0955:さす竹の大宮人の家と住む佐保の山をば思ふやも君

◎石川足人は太宰少弐(だざいのせうに)という官職にあり、旅人の部下の立場になります。ただ、石川足人は大伴旅人が大宰府に赴任した年に職を終えて奈良の京に帰郷しているので、おそらくはこの歌も旅人たちとの赴任の入れ替わりの挨拶として宴会の席などで詠まれた歌ではないかと思われます。
(石川足人の後任として旅人と共に赴任したのが小野老か?)
 大伴旅人の大宰府(現在の福岡県)赴任は、都で勢力を拡大していた新興貴族の藤原家との確執が原因の左遷であったとも言われ、それが事実であるかどうかは別としても年老いてからの遠い地方への赴任は非常に不本意なものであっただろうと思われます。そんな旅人の気持ちを察して足人が慰めの歌を詠んだわけですね。「心中お察しいたします」と…
佐保山(さほやま)」は現在の奈良市にある鴻ノ池運動公園のあたりで、この佐保の地は奈良時代に貴族の邸宅がたくさんあり、旅人の子である大伴家持(万葉集の編者?)の邸宅もここにありました。

※石川足人(いしかわの-たりひと、生没年不詳)
 奈良時代の官吏です。神亀(じんき)元年(724)従五位上。のち大宰少弐(だざいのしょうに)となり、5年転出した。「万葉集」巻6に大宰帥(そち)の大伴旅人(おおともの-たびと)へおくった歌があります。氏は石河とも書きます。

ウェブニュースより
 「とにかくばらまこう」泉田議員が音声公開 県議は「裏金」否定 ―― 10月の衆院選で地元県議から「裏金を要求された」とツイッターなどで公表した自民党の泉田裕彦衆院議員(比例北陸信越ブロック)は3日、そのやりとりを記録した録音データを公開した。録音には、衆院選をめぐる金銭についてやりとりする様子が記録されていた。相手とされる星野伊佐夫県議(82)は同日、記者会見を開き「(要求したのは)政治活動費だった」と説明し「裏金の要求」を改めて否定した。

 音声は約25分で泉田氏の事務所を通じて提供された。泉田氏によると、9月4日に新潟県長岡市の星野県議の自宅で面会した際に録音し、面会は2人だけで行われたという。
「もったいながったら人生終わりだよ」
 星野県議とされる人物はまず、新潟5区での選挙情勢調査で無所属の米山隆一氏が先行し、泉田氏が2番手となっている結果を示した。「比例(復活)にひっかからんかったら終わりだよ」などと苦戦する状況を説明した。続けて「とにかく必要経費をばらまこう。2千万(円)や3千万(円)なんかもったいながったら人生終わりだよ」「できたら頭とりてえよねえ」などと衆院選に関する金銭を求めている。
 泉田氏が「どうしたらいいんですかね」と尋ねると相手は「この話は(秘書とみられる人物)の耳にも入れてはならない。あんた一人の腹」などと応じている。
 一連の泉田氏の「告発」を受けて、星野県議は県連幹部の同席するなか新潟県庁で記者会見を開いた。
県議「要求したのは会場費や切手代などの政活費」
 星野県議は報道されているやり取りは「大事な部分が抜いてある」と主張。そのうえで要求した金銭は選挙演説の会場費や切手代、資料の印刷代など「政治活動費」で、政治資金収支報告書に掲載され公表される「表」の金だったと釈明。23千万円は衆院選のために各政党支部で使う金で、泉田氏もその認識があったはずだと指摘した。
 星野氏が大仏に似たしぐさで手帳を差し出して金を要求したと泉田氏が明らかにしたことについて星野氏は「手帳をもっていない。作り話だ」と言い切った。秘書への口止めを求めたのは「(政治活動費でも)信用している人でなければ誤解を受けるから」とした。星野氏の支援者から泉田氏への提訴を求められれば法的措置を検討するという。
 記者会見後、星野氏は記者が再生した音声データを聞いたが「(自分の声かどうかは)よくわからない」とした。ただ、音声を聞いた県連幹部の1人は「星野さんの声だろう」と認めた。県連の小野峯生幹事長は「泉田氏から正式な(星野氏の除名を求める)要請がくれば対応する。2人の聞き取り調査もして、委員会を開いて県連としての結論を得る」と話した。
泉田氏が公開した星野氏とのやりとりとされる録音データの主な内容
 星野氏とみられる男性(以下男性)が衆院新潟5区での情勢調査で泉田氏が他の候補に大差をつけられていると、述べた後
 男性 それで泉田さん。勝とうさ。どう思うね。(略)比例にひっかからんかったら終わりだよ。このままでいたら比例ひっかからないんだから。(略)とにかく必要経費を早くばら……まこう。もう余裕ない。選挙始まってからまく馬鹿いない。今でも遅いくらい。これ2千万や3千万なんかもったいながったら人生終わりだよ。大部分は領収書もらえるやつ。いちいち警察に報告してやるわけじゃねえんだから。早くしねえと後で悔いが残るぞ。1億や2億の話でなくなるから。(略)早く実行するっきゃな
 泉田氏 違法行為にならないようにしないとねえ
 男性 そんなもんはね、いいすか。はっきり言うが、言葉の問題だけであって、実際そんなもの気にしてる候補者1人もいないからね。(略)この話は、●●(秘書とみられる人名)の耳にも入れてはならない。あんた一人。一人の腹にして、誰か信用できる人を使う。あんたの信用できる人。だれーにもいっちゃだめだよ。これは。この話は
 泉田氏 でも、まかないとだめなんでしょ
 男性 なこと言うな。ばらまくんじゃねえ。自分にしか入ってこねえ
 泉田氏 寄付の期限があるから
 男性 いや、それとはまた違うんだよなあ。俺が言ってる意味はね
 泉田氏 広島で(買収事件が)あったでしょ
 男性 そんなこと言ったらきりがねえさ。そんな話は表面の話なの。絶対だめだよって言うのは当たり前。裏は何してるか分からない。そういう世界なんだから。(略)小千谷、北魚沼、細かくやらないで、信用できる人に
 泉田氏 今、寄付禁止期間に入っている
 男性 だから、言葉のあや
94日星野氏の自宅で(泉田氏によると)
     ◇
 星野氏の会見での主なやり取りは次の通り。
 星野氏 師弟関係の泉田氏とこのような形になったのは残念。(泉田氏が明らかにしたやり取りは)大事な部分が抜いてある。政党活動費については、演説の会場費や印刷代だとかを各支部に払うべきだが、長岡支部は1円も受け取っていない。請求書がでてきたら払うべきなんじゃないの。こういう会話はした。
 2、3千万(円)という文言は、泉田さんから「選挙はいくらぐらいかかるんでしょうか」と聞かれて答えたと思う。裏の話ではなくて(収支報告書に記載する)政党活動費、表の金の話だ。自民党にも、私の回りにも迷惑をかけている。(泉田氏の主張は)全く関係ない、作り話だ。
 ――政党活動費として「表」の金が必要だ、という話はしたのか
 星野氏 それはある。
 ――9月4日に面会したのは事実なのか
 星野氏 間違いない。
 ――金を示す大仏のようなポーズと、手帳を差し出し「お願いします」というしぐさをしたのか
 星野氏 私は普段手帳を持ち歩いていない。作り話だ。あるわけない。
 ――金をまけ、配れという話はしたのか
 星野氏 お金をまけよ、なんて言わない。これは泉田氏の自作だ。金をまけなんて危ない話だ。
 ――秘書にも言うなと
 星野氏 政党資金は人には言うべきことではない。信用できる人じゃないと誤解をうけるから
 ――県議としての政治活動は変わらず続けるのか
 星野氏 わかりません。まわりが決めること。
 ――法的手段は
 星野氏 白黒をつけたくてやっているわけではないが、まわりの人の意見も聞かないといけない。
 ――新潟の政界のイメージが非常に悪くなった
 星野氏 本当にそうだ。後援会や友人や近隣の皆さんもいる。(周囲の人たちの)意見も全部無視するわけにいかない。    (朝日新聞DIGITAL 2021123 2048分)


 

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プロフィール
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目高 拙痴无
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92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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