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 ウェブニュースより
 甘利氏、数日前に辞任を覚悟 首相「続けてもらいたい」 ――  現金授受問題が指摘された甘利明経済再生相は、週刊文春の報道から1週間で辞任した。夏の参院選への影響を避けるための判断だが、アベノミクスを担ってきた「屋台骨」を失い、政権は大きな痛手を受けた。安倍晋三首相は「盟友」の石原伸晃元自民党幹事長を起用して局面転換を図るが、野党側は国会で追及を続ける構えだ。
 甘利氏は28日夕、約1時間10分に及ぶ会見に臨んだ。現金授受の経緯などを説明後、自らの進退に触れると、思わず目に涙をためて声を震わせた。
 「私自身はまったく関与していなかった。何ら国民に恥じることをしていなくても、監督下にある事務所が招いた国民の政治不信を秘書のせいと責任転嫁するようなことはできない。それは私の美学、生き様に反する」。アベノミクスや環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を担い、「政権を支える中心的立場」と自負する甘利氏が「退場」を表明した瞬間だった。
 甘利氏は数日前にすでに辞任を覚悟していた。
 「私の判断を尊重して欲しい」。甘利氏は安倍晋三首相に、調査結果によっては閣僚辞任の可能性もあることを打ち明けた。
 首相にとって、甘利氏はTPP交渉をまとめ上げた功労者。第1次政権から閣僚に起用し続けていた「盟友」だけに、この時も「たとえ内閣支持率が10%下がっても、続けてもらいたい」と励ましたという。
 だが、甘利氏はこの言葉にかえって「これ以上、迷惑をかけられない」との思いを強めたようだ。2月4日には、ニュージーランドであるTPP参加国の署名式に出席する予定だったが、それも断念した。
 甘利氏が政権で占めていた「重み」は、週刊文春の報道を受けた対応からもうかがえた。週刊文春の報道が流れた20日、甘利氏は「調査した上で説明責任を果たしたい」と強調。首相や与党幹部はそれを受ける形で、調査結果を待つとの姿勢を示した。同誌の続報も意識して、「大臣は辞めることになっても、せめて議員辞職は避けられるようにしたい」(政府関係者)との道筋を探った。
 自民党側も甘利氏を援護。高村正彦副総裁は「録音されていたり、写真を撮られていたり、わなを仕掛けられた感がある。周到なストーリーが作られている」と語り、批判の矛先をかわそうと躍起になった。
 だが、与党内でも次第に閣僚辞任は避けられないとの見方が広がった。自民の閣僚経験者は「騒ぎになった責任で頭を下げ、スパッと身を引くのが甘利氏にとっても政権にとってもダメージが一番少ない。同情論も起こる」とみていた。
 甘利氏は周囲の空気を感じ、政権への打撃を減らそうと自ら幕引きを決めた。
 甘利氏は会見時間のうち約半分を、金銭授受や秘書問題の説明に費やした。大臣室と地元事務所で計2回、合わせて100万円を受け取った点については「弁護士によると、政治資金収支報告書に寄付金の記載があることが確認できた」と強調。秘書の監督責任や国会審議への影響を避けるため辞任を表明する一方、自らの現金授受はあくまで「潔白」と主張した。
 しかし、本人の言葉とは裏腹に、疑惑も払拭(ふっしょく)できたわけではない。官邸関係者は「普通の閣僚なら、とっくに辞めているような問題だ」と話す。

■野党側、独自調査で追及継続へ
 安倍政権の柱だった甘利氏。第1次政権の時から常に閣僚であり続けた唯一の存在で、第2次安倍政権発足時からは菅義偉官房長官と麻生太郎副総理兼財務相の3人で政権の中枢を担ってきた。その後任に選ばれた石原伸晃・元自民党幹事長も、首相の盟友だ。
 石原氏は、2012年末に発足した第2次安倍内閣でも環境相を務めた。閣僚を近年経験した石原氏なら、金銭トラブルなど適格性を調べる「身体検査」が不要なことも起用の理由になった。公明党幹部は「閣僚経験もある。いいのではないか」と語る。知名度が高く、参院選で全国を遊説すれば有権者にアピールできるとも期待されている。
 石原氏は若手議員時代、首相や塩崎恭久厚生労働相、根本匠元復興相とともに4人の頭文字をとった政策グループ「NAIS(ナイス)」を結成。気心が知れており、急な起用でも意思疎通に心配はない。甘利氏の会見が終わった直後の28日夕、首相は官邸に呼んだ石原氏に「しっかりやってほしい」と声をかけた。石原氏の認証式は天皇陛下がフィリピン訪問中のため、皇太子さまが代行した。
 与党側は今回の閣僚交代で野党の追及をかわし、国会運営の主導権を取り戻したいと期待する。自民の谷垣禎一幹事長は「政府は態勢をきちっと立て直し、与党もしっかり支えていくのが一番大事だ」と強調。二階俊博総務会長も「国会審議がこれで滞ることはない」と述べた。
 「甘利疑惑」の行方は、与党内にくすぶる夏の参院選に合わせた「衆参ダブル選」の可能性にも影響するとみられていた。ベテラン議員は、甘利氏の辞任時期について「ダブル選があるかどうかのリトマス試験紙になる。早い段階で切るなら、影響を最小限に抑えてダブル選に打って出るという首相の判断のあらわれだろう」と指摘していた。
 もっとも、安倍政権にとってすぐに事態が好転するわけではなさそうだ。
 民主党の枝野幸男幹事長は「今日認めた事実だけでも、閣僚辞任で終わらせていい事案なのか。(甘利氏の国会への)参考人招致も視野に入れて具体的に検討する」と追及の継続を宣言。民主が独自に疑惑の調査を進める「特命チーム」も続ける考えだ。共産党の山下芳生書記局長も「今日の説明で疑惑が晴らされたということにはならない」と語った。
 甘利氏の辞任を受けた与野党の国会対策委員長会談では、民主が与党に衆院予算委理事懇談会の延期を要求。29日に予定されていた予算委での新年度予算案の趣旨説明が見送られれば、国会全体の審議も遅れることになる。予算委審議では、甘利氏が行った経済演説も主な議題になる。野党側は、担当相の交代に伴い演説のやり直しを要求する方針で、民主の高木義明国対委員長は「経済演説をどうするのか。(与野党で協議する)一つのテーマになる」とクギを刺した。
 さらに4月以降は、環太平洋経済連携協定(TPP)の国会承認をめぐる論戦が本格化する見通しだ。民主国対幹部は「交渉過程が分からない石原氏では答弁できない」と牽制(けんせい)する。
 しかし、甘利氏が辞任したことで、野党は閣僚として国会の場で答弁を求め、追及することはできなくなる。野党側は香典支出問題がくすぶる高木毅復興相についても改めて追及する構えだが、参院選に向けて「政治とカネ」の問題を引き続きあぶり出せるかは不透明だ。  (朝日新聞DIGITAL 20161282200分)


 

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