瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
泉鏡花は(明治6~昭和14年)本名は泉鏡太郎といい、尾崎紅葉の門下生です。川端康成、石川淳、三島由紀夫らに影響を与えた小説家です。
泉鏡花は石川県金沢市の出身で1889年(明治22年)上京します。
赤城神社に近い南榎町22にある泉鏡花の居跡のひとつで、泉鏡花はここに明治32年から4年間住んで、この地で「高野聖」などを発表しました。
現在この辺りは住宅街です。
明治36年にJR飯田橋駅や牛込御門が近い、神楽坂2丁目22番地に転居しています。この神楽坂の泉鏡花旧居跡には案内もなく、近くを探してみても特定できません。
さて、31才の泉鏡花は神楽坂の芸妓桃太郎さんとここの借家に住みます。
しかしこれには泉鏡花の師である「金色夜叉」で有名な尾崎紅葉から相当怒られ、やむなく、桃太郎(本名伊藤すず)さんは鏡花と別れますが、 紅葉が没してから正式に妻となっています。偽装離婚だったんですね!
なお、桃太郎さんは、あの「婦系図(おんなけいず)」のお蔦、『湯島詣』の蝶吉のモデルなんです。
さらに、千代田区六番町5番地にも「泉鏡花旧居跡」があり、1910年(明治43年)から亡くなる1939年の間この地に愛妻すずさんと暮らしていました。
この泉鏡花の数ある作品の中に『神樂坂七不思議』という小品があります。彼の22歳の頃の作品で、これぞと言うほどの特徴もなくあっという間に読み終わってしまうのですが、鏡花の人生に興味を持つとこの神楽坂という街が意味を持ってくるのです。
次回のブログは泉鏡花の『神楽坂七不思議』を紹介しましょう。
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