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沖縄県知事選 玉城デニー氏 初当選 ―― 沖縄県知事選挙は30日に投票が行われ、野党が支援し、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設阻止を訴えた前衆議院議員の玉城デニー氏が、初めての当選を果たしました。
沖縄県知事選挙の結果です。
▽玉城デニー(無所属・新)当選、39万6632票
▽佐喜真淳(無所属・新)31万6458票
▽兼島俊(無所属・新)3638票
▽渡口初美(無所属・新)3482票
野党が支援した前衆議院議員の玉城氏が、自民・公明両党などが推薦した前宜野湾市長の佐喜真氏らを破り、初めての当選を果たしました。
玉城氏は沖縄県出身の58歳。タレントとして活動したあと、平成21年の衆議院選挙で初当選し、自由党の幹事長を務めています。
玉城氏は、8月に死去した翁長知事の遺志を受け継ぐとして、政府が進めるアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設阻止を訴え、知事を支持してきた共産党や社民党などの支持層を固めたほか、いわゆる無党派層の支持も集め、初めての当選を果たしました。
玉城氏は「翁長知事の礎を継承し、発展させていく。埋め立て承認の撤回を支持し、名護市辺野古への移設反対をぶれずにやっていく」と述べました。
対する佐喜真氏は、地域経済の振興などを訴え、自民・公明両党の全面的な支援を受けましたが、及びませんでした。
一方、宜野湾市の市長選挙も30日に投票が行われ、自民・公明両党などが推薦した前副市長の松川正則氏(65)が初めての当選を果たしました。
玉城氏「翁長知事の礎を継承・発展を約束したい」
玉城氏は「本当に身の引き締まる思いでいっぱいです。翁長知事の礎を継承し、発展させていくことを約束したい。埋め立て承認の撤回を支持し、名護市辺野古への移設反対をぶれずにやっていく。対立や分断を持ち込んでいるわけではなく、経済については国としっかり協議をしたいが、県民が認められないものはしっかり政府に突きつけていく」と話していました。
佐喜真氏「申し訳なく思う」
佐喜真淳氏は「結果は私の不徳の致すところで申し訳なく思う。まだ、つぶさに結果を見ていないので、すぐに話はできないが、4つの党や各種団体の推薦を受けて戦ってきたが、『県民の暮らしが最優先』という訴えが県民に浸透できなかった」と述べました。
玉城候補を支援した各党は
立憲民主党の福山幹事長は「翁長前知事の遺志を継承する県政を県民が選択し、辺野古新基地建設撤回を支持する県民の意志が改めて明確となった。政府・与党は、県民の選択に真摯(しんし)に向き合い、県民の意志に反する安全保障政策に有効性はないことや、政府・与党の都合を押しつける手法はもはや通用しないことをしっかりと肝に銘ずるべきだ。辺野古新基地建設の埋め立て工事の再開などは、到底あってはならない」という談話を発表しました。
国民民主党の玉木代表は「争点となった辺野古の新基地建設問題については、今回示された沖縄の民意を尊重し、政府が強引に手続きを進めることがないよう、沖縄県と丁寧な話し合いを行うことを求める。あわせて、日米地位協定の改定に向けた具体的な作業を開始することを求める」という談話を発表しました。
共産党の志位委員長は「辺野古に新基地はつくらせない、普天間基地は即時閉鎖・撤去をという県民の確固たる意思を示したもので、翁長知事の遺志を引き継ぎ、県民が勝ち取った歴史的勝利だ。安倍政権は、沖縄に対する強権政治をきっぱりやめ、県民の意思を重く受け止め、名護市辺野古の新基地建設を直ちに中止すべきだ」という談話を発表しました。
自由党の小沢代表は「翁長前知事の心をしっかりと受け継ぎ、沖縄のあるべき姿や未来について、具体的に情熱的に訴えかけてきた姿勢が理解された。辺野古移設問題は、はっきりとした民意が示された。国は重く受け止めて反省し、沖縄に重荷を押しつけることのないよう、解決に力を尽くすべきだ」という談話を発表しました。
社民党の吉川幹事長は「玉城氏とともに、沖縄県の過剰な基地負担を全国で受け止め、辺野古新基地建設阻止や普天間基地の即時、運用停止と閉鎖・撤去などを強く求めていく。安倍政権は、辺野古移設を断念し、県民が平和に生きる権利の具体化に努めるべきだ」という談話を発表しました。
佐喜真候補を推薦した各党は
自民党の塩谷選挙対策委員長から選挙結果の報告を電話で受けた安倍総理大臣は「残念だけどしょうがない」と述べたということです。
自民党の二階幹事長は「あと一歩及ばず、残念な結果となった。沖縄県民の審判を厳粛に受け止め、敗因をよく分析し、党組織の拡充強化に努めつつ、県民の期待に応えられるよう、さらに研さん努力していきたい」とするコメントを出しました。
公明党の斉藤幹事長は「敗因は、知名度不足と、佐喜真候補の人柄、能力、実績を沖縄県全域に浸透させる時間がなかったことだ。新知事には、県民生活の向上や普天間基地の危険除去という佐喜真候補が訴えた政策も考慮に入れた県政を望みたい」とする談話を発表しました。
日本維新の会の馬場幹事長は「沖縄県民の民意として厳粛に受け止めたい。沖縄の問題は基地問題だけではない。新しい知事には、経済政策や暮らし、子育て支援など、県民の目線に立った県政運営を望みたい」というコメントを発表しました。
希望の党の松沢代表は「辺野古移転は普天間基地の危険除去のための唯一の解決策ということについては、県民に一定の理解を頂いたと思っている。今後、玉城氏が、普天間基地の危険性除去についての具体的な代替案を提示することをせつに望んでいる」というコメントを発表しました。
米国務省「沖縄の貢献を評価」
玉城氏の当選を受けて、アメリカ国務省は「玉城氏の当選に祝意を伝えるとともに、今後、一緒に仕事をしていくことを楽しみにしている」というコメントを発表しました。
この中で、国務省は「アメリカ政府は、日米同盟と2国間の安全保障に対する沖縄の貢献を非常に重んじている」と沖縄の重要性を強調しています。
一方で、玉城氏が反対する立場を鮮明にした普天間基地の移設問題については言及しておらず、日米両政府で合意した名護市の辺野古沖に移設する計画を維持していく方針です。 (NHK NEWS WEB 2018年10月1日 5時00分)
sechin@nethome.ne.jp です。
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