瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 今朝のNIKKEI NETに拠れば《(10/29)政府、日航再建へ一括法検討 政府保証・年金減額など柱――政府が日本航空の経営再建を促すため、包括的な立法措置を検討していることが28日明らかになった。金融機関の融資に対する政府保証や、日航が支給する年金の強制的な減額などが柱。空港着陸料の引き下げなど航空会社の支援策を盛り込む可能性もある。経営責任を徹底的に追及し、公的資金投入に伴う国民負担をできるだけ抑える。/前原誠司国土交通相直属のタスクフォース(作業部会)は29日にも、同相に再建案の内容を報告する見通し。これを受け国交相は同日にも「企業再生支援機構」の活用を軸とする再建方針を表明する方向だ。同日午後には前原氏と長妻昭厚生労働相が会談し、年金減額を巡って意見を交換するとみられる。国が日航機の安全運航に全力を挙げるという政府声明を出す可能性もある。》とある。
18588a32.JPG 錦糸町のTOHOシネマズに「沈まぬ太陽」を観に行った。この映画は宝塚在住のS氏から推奨されたもので、東宝株式会社のHPのイントロダクションに拠れば、《物語は日本が高度経済成長を実現し世界経済の頂点へと上りつめていく時代。巨大組織の中で翻弄されながらも、強い信念と不屈の精神をもって、どんな過酷な状況をも克服していく男、恩地 元。『沈まぬ太陽』は、その生き方を通して、人間の尊厳と、飽くなき闘志と再生を描く、壮大なる人間の叙事詩である。新聞記者という来歴を持ち、常に社会への警鐘を鳴らす作品を発表し続けてきた原作者・山崎豊子自身が映像化を熱望、「この作品の映画化を見るまでは決して死ぬことは出来ない」と言わしめるほどの著者渾身の一作。映像化不可能とまでいわれた、原作の持つスケール観と時代背景を克明に再現するため、製作陣は万全の態勢を整えて臨んだ。そして、原作の刊行から10年の時を経た2009年10月―日本人の魂を揺さぶる感動と慟哭の物語が、遂にその公開を迎える。》とある。
 あらすじは、「国民航空の組合委員長の恩地(渡辺)は職場環境の改善に取り組んだ結果、海外に左遷。行天(三浦)の裏切りや家族と離ればなれの生活に耐え本社復帰を果たすが、未曽有の航空機墜落事故が起きる。遺族係になり悲劇と向き合う恩地は、国見新会長(石坂)のもとで再建を目指すが、会社の不正や癒着に直面する。」というもの。
a0c7a0a0.jpg 帰途、浅草寺境内に立ち寄った。菊花展の菊は先日来た時よりはほぼ完全に開き煌びやかさを増していた。旧暦の9月9日、重陽の節句は過ぎたが、陶潜の「九日閑居」を思い浮かべる。


2904ff9d.JPG 九日 閑居 序 読み:余(わ)れ閑居(かんきょ)して、重九(ちょうきゅう)の名を愛す。秋菊は園に盈(み)つるも、而(しか)も醪(らう)を持(じ)するに由(よし) 靡(な)し。空(むな)しく九華(きゅうか)を服して、懷(おも)ひを言(げん)に寄(よ)するのみ。《訳:わたくしは田園に閑居するようになってから「重九」の呼称を愛(め)でるようになった。秋の菊は田園一面に咲き乱れているが、いかんせん、肝心な濁酒(にごりざけ)を手にするあてがない。それが空しく「重九の華(はな)」を服食(ふくしょく)して、わが懐(おもい)を詩に託(たく)した。》
詩 読み:世(よ)短(みじか)くして 意(い)は常(つね)に多(おお)し/斯(ここ)に人(ひと)久生(きゅうせい)を樂(よろこ)ぶ。/日月(にちげつ)辰(とき)に依(よ)って至(いた)れるに、/俗(ぞく)を 舉(あ)げて其の名を愛(あい)す。/露(つゆ)は淒(せい)として暄風(けんぷう)息(や)み、/氣(き)は澈(す)みて天象(てんしょう)明(あきら)かなり。/往燕(おうえん)遺影(いえい)無く、/来雁(らいがん)餘聲(よせい)有(あ)り。《訳:人生は短く悩みことばかり多い。そのため人間はだれしも永久に生きたいと思っている。九月九日という月日は毎年季節通りに巡ってくるのだが、それでも世間ではこぞってこの吉日を大事に思って菊酒を楽しむわけだ。この時季になると露はひんやりとして暖かい風も吹かなくなり、大気は澄んで空はくっきりと晴れ上がる。飛び立った燕はもはや影を留めず、飛んできた雁はあたりに声を響かせている。》//酒は能(よ)く百慮(ひゃくりょ)を祛(はら)い、菊(きく)は為(ため)に頽齡(たいれい)を制す。/如何(いか)んぞ蓬廬(ほうろ)の士(市)/空しく時運の傾くを視(み)るや。/塵爵(ぢんしゃく)に虚罍(きょらい)を恥じ、/寒華(かんか)は徒(いたづ)らに自(おのずから)ら榮(さか)ゆ。《訳:酒はもろもろの心配事を除き去るし、菊は年をとるのを抑えるという。あばら家の主よ、それなのにどうして時の過ぎ去るのを(酒杯を手にせず)そのまま見過ごしているのか。盃に埃がつもっているのをみて、空っぽの酒樽が恥ずかしく思う。眼前には秋の菊だけが徒に咲き誇っている。》//襟(えり)を歛(おさ)めて獨(ひと)り閒(しず)かに謠(うた)えば、/緬焉(めんえん)として深情(しんじょう)起(おこ)る。/棲遲(せいち)固(もと)より娯(たの)しみ多(おお)く、/淹留(えんりゅう)豈(あ)に成(な)る無(な)からんや。《訳:襟をかき合せてひとり静かに詩を作れば、はるかに感慨がこみ上げてくる。思うにこのような安らかな暮らしには、楽しさがいっぱいあるものだ。ここに長く留まっていれば、何とかならないでもあるまい。》


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目高 拙痴无
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1932/02/04
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くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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