橘(たちばな)を詠める歌15
巻18-4111:かけまくもあやに畏し天皇の.......(長歌)
標題:橘歌一首[并短歌]
標訓:橘の歌一首、また短歌
原文:可氣麻久母 安夜尓加之古思 皇神祖能 可見能大御世尓 田道間守 常世尓和多利 夜保許毛知 麻為泥許之登吉 時支能 香久乃菓子乎 可之古久母 能許之多麻敝礼 國毛勢尓 於非多知左加延 波流左礼婆 孫枝毛伊都追 保登等藝須 奈久五月尓波 波都波奈乎 延太尓多乎理弖 乎登女良尓 都刀尓母夜里美 之路多倍能 蘇泥尓毛古伎礼 香具幡之美 於枳弖可良之美 安由流實波 多麻尓奴伎都追 手尓麻吉弖 見礼騰毛安加受 秋豆氣婆 之具礼能雨零 阿之比奇能 夜麻能許奴礼波 久礼奈為尓 仁保比知礼止毛 多知波奈能 成流其實者 比太照尓 伊夜見我保之久 美由伎布流 冬尓伊多礼婆 霜於氣騰母 其葉毛可礼受 常磐奈須 伊夜佐加波延尓 之可礼許曽 神乃御代欲理 与呂之奈倍 此橘乎 等伎自久能 可久能木實等 名附家良之母
万葉集 巻18-4111
作者:大伴家持
よみ:かけまくも あやに畏(かしこ)し すめろきの 神の大御代(おほみよ)に 田道間守(たぢまもり) 常世(とこよ)に渡り 八桙(やほこ)持ち 参(ま)ゐ出来(でこ)し時 時じくの かくの木の実を 畏(かしこ)くも 遺(のこ)したまへれ 国も狭(せ)に 生ひ立ち栄え 春されば 孫枝(ひこえ)萌(も)いつつ ほととぎす 鳴く五月(さつき)には 初花を 枝に手折(たお)りて 娘女(をとめ)らに つとにも遣(や)りみ 白栲の 袖にも扱入(こき)れ かぐはしみ 置きて枯らしみ あゆる実は 玉に貫きつつ 手に巻きて 見れども飽(あ)かず 秋づけば しぐれの雨降る あしひきの 山の木末(こぬれ)は 紅(くれなゐ)に にほひ散れども 橘の なれるその実は ひた照(て)りに いや見が欲(ほ)しく み雪降る 冬に至れば 霜置けども その葉も枯れず 常磐(ときは)なす いやさかはえに しかれこそ 神の御代より よろしなへ この橘を 時じくの かくの木の実と 名付けけらしも
意訳:口の端に上すのさえ恐れ多いこと、神の御裔の遥か遠い天皇の御代に、田道間守が常世の国に渡って、八鉾を掲げて帰朝した時、時じくのかくの木の実を、恐れ多くものちの世にお残しになったころ、その木は、国も狭しと生い立ち栄え、春ともなれば新たに孫枝が次々と芽生え、時鳥の鳴く五月には、その初花を枝ごと手折って、包んでおとめに贈り物としたり、枝からしごいて着物の袖にも入れたり、あまりの気高さに枝に置いたまま枯らしてしまったりもし、熟れて落ちる実は薬玉として緒に通して、手に巻きつけていくら見ても見飽きることがない。秋が深まるにつれてしぐれが降り、山の木々の梢は紅に色づいて散るけれども、橘の枝に生っているその実は、あたり一面にますます照り映えていっそう目がひきつけられるばかり、雪の降る冬ともなると、霜が置いてもその葉も枯れず、いつもいつも盛りの時を見せる岩のようにますます照り栄えるばかり・・・・、それだからこそ、遠く遥かなる神の御代から、いみじくもこの橘を、時じくのかくの木の実と、名づけたのであるらしい。
左注:閏五月廿三日大伴宿祢家持作之
注訓:(天平感宝1年)閏五月二十三日、大伴宿禰家持がよめる。
巻18-4112:橘は花にも実にも見つれどもいや時じくになほし見が欲し
ウェブニュースより
老人ホーム、オミクロン型警戒 3回目接種「早く」 ―― 新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の市中感染が東京都内でも確認され、小池百合子都知事は24日の記者会見で「大切な人と集まる年末年始こそ感染対策を徹底してほしい」と呼びかけた。感染力が従来型に比べて強いとされ、老人ホームなどは一段と警戒を強め、3回目のワクチン接種の前倒しを求める声も上がった。
「都内の市中感染は時間の問題だと感じていた。できる限りの対策を徹底するしかない」。世田谷区にある特別養護老人ホーム「芦花ホーム」の管理係長、松井厚士さん(48)は気を引き締める。
芦花ホームは80代中心の高齢者約100人が利用する。現在は家族らと対面による面会を再開し、アクリル板越しに平日15~20分間の面会を認めている。「今のところ面会制限は検討していないが、感染状況を見て判断していくことになる」
国は17日、医療従事者や高齢者施設の入居者などについて3回目接種を最大2カ月前倒しできることを自治体に通知した。各地の自治体で前倒しの動きが広がり、世田谷区でも一部の高齢者施設で12月下旬から3回目接種が始まった。
ただ、ワクチン供給量も限られるなか、芦花ホームの予定は来年の2月上旬。松井さんは「オミクロン型は感染力が高いともいわれ、体力の弱い利用者は警戒している。接種で重症化を防げるならば、できるだけ早く打ってほしい」と求めた。
約40人の子どもを預かる千代田区内の認証保育所の保育士は「人混みを避けたり、栄養をとって体力をつけたり、保育士が園内にウイルスを持ち込むことがないようにしたい」と話す。
玩具や椅子、机などは使うたびに消毒しているが、子どもが保育士のマスクをはがそうとすることもあり、対策を徹底するのは簡単ではない。「高齢者などを優先したうえで、できるだけ早く3回目を打てるならありがたい」
1年前、2020年の年末は1日当たりの新規感染者が都内で初めて千人を超え、感染が急拡大した時期だった。都職員の男性は「昨年のことがフラッシュバックする。また一気に感染者が増えないよう緊張感をもって対策にのぞみたい」と話した。 【日本經濟新聞 2021年12月24日 18:47】
コロナ飲み薬、国内初承認 軽症向け、来週から使用開始―「対策切り札に」・厚労相 ―― 後藤茂之厚生労働相は24日、米製薬大手メルクなどが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「モルヌピラビル」を、緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」に基づき正式に薬事承認した。同日に厚労省が薬事・食品衛生審議会の専門部会を開き、承認を了承した。軽症者向けの新型コロナ飲み薬としては国内初となる。
自宅で服用できる治療薬の普及で、患者や医療機関の負担軽減が期待される。厚労省は、国内で市中感染が確認された変異株「オミクロン株」にも有効と判断している。政府は感染拡大に備えて26日から20万人分を全国へ配送し、最短で27日から使用できるよう態勢を整える。
後藤厚労相は「国民が安心して暮らせるための切り札になる。わが国の新型コロナ対策を大きく前進させると確信している」と期待を示した。
モルヌピラビルは、ウイルスの増殖を防ぐ働きをする抗ウイルス薬。メルクと米バイオ医薬品企業リッジバック・バイオセラピューティクスが共同開発した。国内では3日に承認申請されていた。
対象は18歳以上で、重症化リスクを持つ軽症から中等症の患者。5日間にわたり1日2回投与する。発症後6日以降では有効性が確認されていないとして、速やかな服用を求めている。妊婦は使用できない。
臨床試験(治験)では入院や死亡のリスクを30%下げる効果があった。中間結果の48%から下方修正されたが、専門部会は「有効性が否定されるものではない」と判断した。 (JIJI.COM 2021年12月24日21時49分)
sechin@nethome.ne.jp です。
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