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ウェブニュースより
 相撲協会 不祥事「判例作り」 式守伊之助辞職でけじめ ―― 東京・両国国技館で13日に行われた土俵祭の祭主を務めるはずだった大相撲立行司・第40代式守伊之助は、未成年行司へのセクハラ問題の責任を取って、事実上、辞職した。日本相撲協会は3場所出場停止処分を科した上で辞職願を受理することになる。不祥事の「判例」を作りたい協会と、指導する立場で自らけじめをつけたい立行司。双方の体面を保った形で決着した。
 「酒を飲み過ぎると正気を失うところがあった」。所属する部屋の師匠・宮城野親方(元前頭・竹葉山)がこぼしたように、酒を飲むと善悪の判断がつかなくなる伊之助の失態は今回が初めてではない。協会によると、伊之助は「なぜこんなことをしたのか分からない」と弁明したが、年功序列でトップの立行司に昇進できるシステム自体に問題がある。

 問題発生の時期も悪い。冬巡業最終日前夜の昨年12月16日。秋巡業で元横綱・日馬富士が傷害事件を起こし、事件への対応のまずさから協会は矢面に立たされていた。巡業業務を解かれた貴乃花親方(元横綱)に代わって春日野親方(元関脇・栃乃和歌)らが各巡業地で頭を下げ続けていたさなかだ。セクハラ問題が執行部に報告されたのは、元日馬富士の事件の関係者の処分が終わった直後。伊之助の処分も発生から約1カ月後と、遅すぎる。
 八角理事長(元横綱・北勝海)は、「反省する時間を与えたい」として、出場停止処分中の伊之助を謹慎扱いにするが、この間の身分は協会員。また問題を起こせば協会の管理責任が問われることになる。
 1年最初の初場所初日の直前まで不祥事の対応に追われた八角理事長は、頭を下げておわびした。9日行われた3横綱による明治神宮土俵入りに訪れたファンは主催者発表で約2800人で、昨年に比べ3分の1減った。不祥事続きの大相撲界への嫌気は目に見える形で表れ始めている。   〔毎日新聞2018年1月13日 21時10分(最終更新 1月13日 23時32分)〕

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