瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 初場所は稀勢の里の優勝で幕を閉じましたが、ここ数場所小兵力士の活躍から目が離せません。小兵力士が好きなのは日本人ならではの判官贔屓なのかもしれませんが小さな力士が大きな力士を倒すのが無差別級の相撲という競技の醍醐味でもあるのです。特に今場所は十両の宇良の活躍は眼を見張るものがありました。
ウェブニュースより
 宇良 和輝(うら かずき、1992年6月22日~ )は、日本の大相撲力士。大阪府寝屋川市出身。木瀬部屋所属。最高位は東十両筆頭(2016年9月場所)。血液型はB型。

 関西学院大学相撲部創部125年で初のプロ入り力士である。
 レスリングの経験を活かした撞木反り[20]、居反り、足取りなどの珍しい技を繰り出す取り口の相撲はアクロバット相撲と評され入門前から注目されていたことから、入門記者会見では報道陣100人が詰めかけた。20171月場所13日目には天風に襷反りを決めたが、この技が十両以上の取り組みで決まったのは19601月に決まり手が制定されて以来初めての事であった。同場所ではやはり滅多に出ず「幻の技」といわれる首ひねりを、2日目に青狼に対して決めている。
 2016年の十両における敢闘精神あふれる力士評価では2位の石浦の2165(この年は十両5場所在位)を引き離して26044場所)で1位となった。
 https://www.youtube.com/watch?v=_oAyCdHzR3g
 


大和物語 三十
 故右京の大夫(かみ)宗于(むねゆき)の君、なりいづべきほどに、わが身のえなりいでぬこととおもうたまひけるころほひ、亭子の帝(みかど、宇多天皇)に紀の国より石つきたる海松(みる)をなむたてまつりけるを題にて、人々うたよみけるに、右京の大夫、
  おきつかぜふけゐの浦にたつなみのなごりにさへや我はしづまむ
※海松(みる)=海藻の一つ。浅い海の底の岩に生え、濃い緑色の枝葉が分岐する。古くは食用とした。

※ふけゐの浦=いまの大阪府泉南郡岬町。『万葉集』に見える「吹飯浜(ふけいのはま)」。
現代語訳
 故右京の大夫(かみ)宗于(むねゆき)さまが、出世してもよさそうな時分になっても、我が身が出世できないもんだなあとお考えになっていたころ、亭子の帝(宇多天皇)に紀の国から石が付着している海藻の海松を献上したということを題として、人々が和歌を作った際に、右京の大夫さまが、
  沖の風よ吹け、吹けという名をもつフケイの浦に立つ波の余波にあおられてさえ浜に打ち上げられることなく私は沈んだままなのだろうか(底に石がついたままの、この海藻のように、いつまでたっても上に浮き上がって出世できないものだ)
という和歌をお作りになったということです。

大和物語 三十二段
 亭子(ていじ)の帝に、右京の大夫(かみ)の詠みて奉りける、
  あはれてふ 人もあるべく 武蔵野の 草とだにこそ 生(お)ふべかりけれ
また、
  時雨のみ ふる山里の 木の下は をる人からや もりすぎぬらむ
とありければ、かへり見たまはぬ心ばへなりけり。「帝御覧じて、『なに事ぞ。これ心えず』とて僧都(そうづ)の君になむ見せ給ひける、と聞きしかば、かひなくなむありし」語りたまひける。現代語訳
 亭子の帝に、右京大夫が詠んで奉った歌、
  あぁ…懐かしいと、きっと言ってくれる人もいるように、せめて武蔵野の草にでもなって生えればよかったとつくづく思います。
また、
  時雨ばかり降る山里の木の下は、人が枝を折って間をすかせたせいなのでしょうか、来る日も来る日も、雨が漏っております。
とあったが、それは帝が右京大夫に目をおかけにならないのを恨むものだったのです。後に右京大夫は、「帝は、それを御覧になって、『何のことだろうか、この歌の意味がよくわからない』とおっしゃって、僧都の君にお見せになったということだったので、わざわざ歌に詠んだ甲斐がありませんでした」と、お話になりました。


 


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目高 拙痴无
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1932/02/04
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くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


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