姫島は、『古事記』等に記された「国産み」神話で、伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)の2神が、大八島の後に続けて産んだとされる6つの島のうち、4番目に産んだ女島であるとされます。
また、『日本書紀』では、垂仁天皇の時代に、意富加羅国(おほからのくに。現在の韓国南部にあったと考えられています。)の王子の都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)が、白石から生まれた童女に求婚すると、美女は消え失せ、都怒我阿羅斯等が追いかけると日本に渡り、摂津及び姫島に至って比売語曽(ひめこそ)社の神となったとされます(姫島には比売語曽社が、また、大阪府東成区には比売許曽神社がそれぞれ現存しています)。
姫島はこのように古代からの伝承に富んだ島であり、様々な伝承が島内の場所や事物に関連づけて語り継がれてきました。そのうちの代表的なものが姫島七不思議であり、七不思議のうちの3つは比売語曽神にちなむものです。
江戸時代後期の文政・天保の頃(19世紀はじめ)に活躍した戯作者柳亭種彦が、姫島七不思議を読んだ短歌5首が残っていることから、姫島七不思議は遅くともこの頃には成立していたものと考えられる。島には柳亭種彦の短歌を刻んだ歌碑が建てられている。
村に古くから伝えられる「姫島村七不思議」は、数多くの伝説と神秘の残る姫島らしいスポットです。
①大晦日の夜、債鬼(借金取り)に追われた島民千人を匿うことができた“千人堂”
②漁業の神様として島民の信仰を集める高部様が祀られ、その鳥居は大時化や高潮でも海に浸かることがないと言われる“浮洲(うきす)”
③お姫様が使った柳の楊枝を逆さに挿したところから芽が出たと言う“逆さ柳”
④お姫様がおはぐろをつけた時、石の上置いた猪口(ちょこ)と筆の跡と言われる“かねつけ石”
⑤お姫様がおはぐろをつけた口をゆすぐため、手拍子を打って湧き水が出た“拍子水(ひょうしみず)”
⑥埋められた大蛇の怒りで田が揺れる“浮田(うきた)”
⑦牡蠣が阿弥陀三尊に似て群棲し、食べると腹痛を起こすと言う“阿弥陀牡蠣(あみだがき)”
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