ウェブニュースより
日本シリーズ ソフトバンクが4連勝で日本一 エラー響いた巨人 ―― プロ野球の日本シリーズはソフトバンクが23日夜、東京ドームで行われた第4戦で巨人に4対3で勝って4連勝とし、3年連続の日本一に輝きました。ソフトバンクの日本一は前身の南海、ダイエーを含めて10回目です。
日本シリーズはソフトバンクがここまで3連勝して王手をかけ、23日夜、東京ドームで第4戦が行われました。
試合は0対0の4回、ソフトバンクは5番・グラシアル選手がこのシリーズで3本目のホームランとなるスリーランを打って先制しました。
このあと6回に2人目のスアレス投手が巨人の4番・岡本和真選手にツーランホームランを打たれて1点差に迫られました。
そして4対3と1点リードで迎えた9回は、抑えの森唯斗投手がランナーは出しましたが得点を与えず、ソフトバンクが4対3で勝って4連勝とし3年連続の日本一に輝きました。
ソフトバンクの日本一は前身の南海、ダイエーを含めて10回目です。
敗れた巨人はこの試合でもエラーが失点につながるなど主導権を握ることができず、4連敗に終わりました。
ソフトバンク 工藤監督「最高の気分」
ソフトバンクの工藤公康監督は監督に就任して5年で4回目の日本一に輝き、「最高の気分。クライマックスシリーズから10連勝して優勝するようなすばらしいチームの選手やスタッフと戦うことができてこれ以上ない幸せだ」と笑顔を見せました。
そして「レギュラーシーズンで優勝を逃して悔しい気持ちもあったし、自分が力不足なために選手たちには本当に苦労をかけたが、『最後は笑っていたい』という思いでポストシーズンを戦ってきた」とリーグ優勝を逃した悔しさがバネになっていたと話しました。
そして最後に「巨人ファンの声援が身震いするほど大きくてプレッシャーを感じたが、それに負けないぐらいの声援をきょう球場に来てくれたソフトバンクのファンが送ってくれた。きょうの勝利はファンにささげたい」と感謝を述べました。
MVP ソフトバンク グラシアル選手「とてもうれしい」
日本シリーズ本シリーズで3本のホームランを打ち、MVP=最高殊勲選手に選ばれたソフトバンクのグラシアル選手は、「素直にとてもうれしい。自分がチームに入って2年連続でチャンピオンになることができた。長いシーズンを全員が全力で戦った結果だ。きょうの優勝という結果はファンのおかげでもある。感謝の気持ちでいっぱいだ」と喜んでいました。
ソフトバンク 和田投手「初回から全力で投げた」
5回を投げてヒット1本無失点と好投したソフトバンクの和田毅投手は「第4戦なので自分が投げるのはこの試合だけだと思い、初回から全力で投げた。相手の菅野投手も力を入れて投げていたので、なおさら気合いが入った。どっちに転ぶかわからない展開だったが、優勝できてよかった」と振り返っていました。
ソフトバンク 中継ぎ 甲斐野央投手「特に緊張しなかった」
日本シリーズでは中継ぎとして3試合で投げて役目を果たしたソフトバンクのルーキー、甲斐野央投手は「特に緊張はしなかった。チームが日本一になって率直にうれしいし、自分も貢献できてよかった。きょうで今シーズンが終わったが、終わった実感が全くない。気を抜かずに頑張りたい」とさらなる飛躍を誓っていました。
ソフトバンク本拠地近く 福岡市の商店街では歓声
ソフトバンクの本拠地、「ヤフオクドーム」に近い福岡市中央区唐人町の商店街にはプロジェクターが設置され、3年連続の日本一が決定すると歓声が上がりました。
そして、準備していたくす玉が割られ、「日本一おめでとう」の垂れ幕が現れると再び拍手が沸き起こりました。
ソフトバンクのユニフォーム姿で応援していた男性は「日本シリーズで4連勝するとは思っていませんでした。強いです。来年もV4を期待しています」と話していました。
また、別の男性は「本当にうれしいです。苦しい時期があったけど頑張ってくれました。選手たちにはありがとうと伝えたいです」と話していました。
地元 福岡では号外
プロ野球・ソフトバンクが3年連続の日本一を決めたことを受けて、地元・福岡市の中心部では新聞の号外が配られ、ファンが喜びを分かち合いました。
号外は、福岡市の繁華街、天神のデパートの前で日本一を決めた直後の午後9時40分すぎから配られ、雨にもかかわらず多くの人たちが次々と受け取っていました。
福岡市の40代の男性は、「レギュラーシーズンは2位でしたが、その悔しさをぶつけるという監督や選手たちの思いが届きました。日本一のパレードを楽しみに待っています」と話していました。
また、福岡市内の20代の男性は「柳田選手の復活劇が大きかったと思います。選手たちには感動をありがとうございますと伝えたいです」と話していました。
ソフトバンク 王球団会長「ふだん持っている力出せた」
ソフトバンクの王貞治球団会長は「うちも巨人も強力打線でしたが、ピッチャーはうちのほうが上でした。クライマックスシリーズからチームの調子が上へ上へと上がってきて日本シリーズでは、その調子が出ていました。ピッチャーもバッターも守備も、うちのほうがふだん持っている力を出せました。優勝にはそれなりの理由があるのです」と笑顔で話していました。
ソフトバンク 孫正義オーナー「“10連勝”は奇跡」
ソフトバンクの孫正義オーナーは「クライマックスシリーズからの10連勝は奇跡と言っていい。選手全員がすばらしい集中力を持って戦ったことで、優勝まで突き抜けられた。選手たちには『お疲れ様』と声をかけてあげたい」と話していました。
巨人 原監督「勢い止めることできなかった」
巨人の原辰徳監督は、4連敗で日本一を逃したことについて「選手たちは最後の最後まで粘り強く戦ったが、ソフトバンクの勢いをなかなか止めることができなかった。日本一になるのはまだ高い壁があるし、まだ積み上げていかなければいけないものがある」と振り返りました。
またこの試合が現役最後の試合となった阿部慎之助選手に対しては、「すばらしい選手生活だったと思う。最後まで戦う姿勢は変わらなかった」と19年間の選手生活をたたえていました。
巨人 主将の坂本選手「悔しい」
巨人のキャプテン、坂本勇人選手は「悔しい。やられっぱなしだった」と話しました。
そして引退する阿部慎之助選手について「1試合でも長く試合をしたかった。寂しいです。阿部さんから受け継いだものを継承していきたい」と話していました。
巨人 菅野投手「紙一重が大きな差」
腰痛からの復帰登板となった巨人のエース・菅野智之投手は、「なんとか期待に応えたかったが、この試合も含めて今シーズンは悔しいことばかりだった。4連敗ということで力の差があったかもしれないが自分たちが弱いとは思わない。紙一重だと思うが、その紙一重が大きな差になってくるのだと思う。来シーズンに向けて自分を見つめ直したい」と話しました。
そして引退する阿部慎之助選手について「今の自分のピッチングの根底は阿部さんの教えがあってのもの。日本一になって有終の美を飾らせてあげたかったが、しっかり来年に阿部さんの思いをつなげていきたい」と話しました。
「ON対決」以来19年ぶり対戦 王会長は古巣破る悲願達成
ソフトバンクが巨人と日本シリーズで対戦するのは、王貞治監督率いる当時のダイエーと長嶋茂雄監督の巨人が争った平成12年のいわゆる「ON対決」以来、19年ぶりでした。
この時はソフトバンクが2連勝したあと、巨人に4連勝を許し、日本一になることはできませんでした。
王さんが監督を退いて球団の会長に就任して以降、巨人以外のセ・リーグ5球団を日本シリーズで破って日本一に輝いていました。
現役時代に巨人で868本のホームランを打った王さんは、プロ野球を人気と実力で引っ張ってきた古巣を破っての日本一について、「念願かなったのひと言。完璧な形で何も言うことはない」と話していました。 (NHK NEWS WEB 2019年10月23日 22時47分)
sechin@nethome.ne.jp です。
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