瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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宮城野萩(みやぎのはぎ)、山萩、白萩などの種類があります。
 
・開花時期は、 6 5 10/末頃。
・秋の七草のひとつ。
・日本各地の山野でごくふつうに見られ、萩といえば山萩(やまはぎ)を指す。東京近辺で見られるものは「宮城野萩(みやぎのはぎ)」と「山萩」がほとんどですが、ここでは「萩」ページとして1つにしました。
・「萩」の字は“秋”の“草(草かんむり)”なのでまさに秋の花ですが、早いものは夏前から咲き出しているものもあります(秋の9月頃が見頃)。
・花は豆のような蝶形花です。・枝や葉は家畜の飼料や屋根ふきの材料に、葉を落とした枝を束ねて箒(ほうき)に、根を煎じて、めまいやのぼせの薬にするなど、人々の生活にも溶け込んでいました。
・地上部は一部を残して枯死し、毎年新しい芽を出すことから「はえぎ(生え芽)」となり、しだいに「はぎ」に変化しました。
・秋の十五夜(満月の夜)に、「薄(すすき)」「おだんご」と一緒に縁側などに置いて、お供えする習慣があります。
・外側をあんこで包んだのおもちに「ぼたもち(こしあん)」と「おはぎ(つぶあん)」がありますが、じつは同じものです。
 ◆春のお彼岸 に供えるのは、春を代表する花の「牡丹(ぼたん)」にちなんで、(または牡丹の花に似ていることから)、「牡丹餅」→「ぼたんもち」→「ぼたもち」と呼ばれ、
 ◆秋のお彼岸 に供えるのは、秋を代表する花の「萩」にちなんで、(または、表面のアズキの皮の部分が萩の花に似ていることから)、「萩餅」→「御萩餅」→「御萩(おはぎ)」と呼ばれるようになりました。
 それぞれには小豆(あずき)のあんこが入っていることもあります。
 
・萩の別名は、ニワミグサ(庭見草)、ノモリグサ(野守草)、ハツミグサ(初見草)、シカナキグサ・ロクメイソウ(鹿鳴草)、シカツマグサ(鹿妻草)などです。
・9月18日の誕生花(萩)で、花言葉は「柔軟な精神」(萩)。宮城県の県花(宮城野萩)でもあります。
・万葉集より
 
秋風は 涼しくなりぬ 馬並(な)めて
             
いざ野に行かな 萩の花見に
               万葉集巻十(2103) 作者不詳
(秋風(あきかぜ)が涼しくなりました。さあ、馬を並べて野に萩(はぎ)の花を見に行きましょう。)
 
人皆は 萩を秋といふ よし我は
      
尾花が末(うれ)を 秋とは言はむ
               万葉集巻十(2110) 作者不詳
(世間の人たち皆は萩を秋の風情の代表という。だが、かまうもんか、私は尾花を、秋一番の風情と言おう。)
 
わが岳に さを鹿来鳴く 初萩の
      
 花妻問ひに 来鳴くさを鹿
         万葉集巻八(1541) 太宰帥大友卿(大友旅人)
(私の住む岡に牡鹿が来て鳴く。萩の初花を花嫁に得ようとやって来て鳴く牡鹿よ)
 「高円の 野べの秋萩 いたづらに
      
咲きか散るらむ 見る人なしに
         万葉集巻二(231) 笠金村(かさのかなむら)?
(高円山の野のほとりの秋萩は空しく咲き散っているだろうか、見る人もいなくなったいまも。)
※志貴皇子が亡くなったときに詠まれた挽歌です。
 「高円の 野べの秋萩 この頃の
      
暁露に 咲きにけるかも
          万
葉集巻八(1605) 大伴家持
(高円の野辺に生える秋萩は、この頃の明け方の露のせいでもう咲いただろうか)
 「宮人の 袖つけ衣 秋萩に
      
匂ひよろしき 高円の宮
             
万葉集巻二十(4315) 大伴家持
(大宮人の袖付け衣が秋萩色に照り映えて、美しい高円の離宮であることよ)
 「指進の 栗栖の小野の 萩の花
      
花散らむ時にし 行きて手向けむ
           
万葉集巻六(965) 太宰帥大友卿(大伴旅人)
(栗栖の小野の萩の花――散る頃に出掛けて行って、神祭りをしよう。)
※「指進(さすすみ)の」は栗栖(くりす)の枕詞か?
 「かくのみに ありけるものを 萩の花
        
咲きてありやと 問いし君はも
                
万葉集巻三(455) 余明軍
(運命はこのようにあるものを、萩の花は咲いているだろうかと問うてきたあなたでしたね。)
※大伴旅人が亡くなったときに余明軍(よのみやうぐん)が詠んだ五首の挽歌のうちの一首です。
・萩の花は万葉集のほかにも、ほかの短歌や俳句に詠まれています。
 「道の辺の 小野の夕暮 たちかへり
       
見てこそゆかめ 秋萩の花
               金槐和歌集 源実朝
 「一家(ひとつや)に 遊女も寝たり 萩と月
                   奥の細道 松尾芭蕉
 「白露を こぼさぬ萩の うねりかな
             (真蹟自画賛・秋・元禄六) 松尾芭蕉
 「行き行きて たふれ伏すとも 萩の原
                奥の細道 河合曽良
 「わけている 庭しもやがて 野辺なれば
        
萩の盛りを わがものに見る」    西行法師
 「萩の風 何か急(せ)かるゝ 何ならむ」    水原秋櫻子
・東京周辺の萩の見どころ
 <向島百花園(むこうじまひゃっかえん)>
  一年中なにかしらの花が咲いている、花の宝庫です。長さ10mくらいの「萩のトンネル」が有名です。
 花見頃9月中旬~9月下旬。 墨田区東向島。最寄り駅 東武伊勢崎線東向島駅

 <大悲願寺(だいひがんじ)>
  五日市の、別名「ハギ寺」。「白萩」が有名。花見頃9月中旬~9月下旬。東京都あきる野市横沢。最寄駅花はJR五日市線武蔵増戸(ますこ)駅


 

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