国字のツクリでよく使われるものに“花”があります。
土+花で 埖(ごみ、塵)、石+花で 硴(かき、垣)があります。
錵(にえ)は日本刀の刃のところに現れる銀砂を振り掛けたように輝いて見える雲形の模様です。糀(こうじ)は米や麦を蒸してコウジカビを繁殖させる時カビが米や麦の周りに花のように付くことからできた字です。椛(もみじ)は木の葉が花のように赤くなることからできた字で、紅葉を愛でる日本人の国民性が示したものといえるでしょう。女+花で 「だて、伊達」と読むのだそうですが、この字は爺のパソコンでは打ち出すことが出来ませんでした。
私達の身の回りの木、鳥、魚の字にも国字が多いようです。
木偏の国字
栂(つが、とが)は、木目が細かく建材などに使われることが多く、建材の母体となる木です。
椙(すぎ)は、木と栄える意味を持つ昌を合わせて、すくすく伸びる杉を表したものです。
榊(さかき)は、神前に捧げる木の意で、樫(かし)は堅い木の意ですね。
栃木県の栃(とち)も国字ですがどうしてこの字が出来たか字源はよく判っていません。
このほか、木偏を使った国字には 枠(わく)、柾(まさき)、椛(もみじ)、杣(そま、古代・中世の日本で国家・権門が所有した山林)、枡(ます)、桝(ます)、椚(くぬぎ)、楾(はんぞう、湯水を注ぐための器で,その柄が半分器の中にさしこまれているもの)、榁(むろ)、槝(かし、船をつなぎとめるために用いる水底に立てる杭)、椥(なぎ)、杁(いり、水の流れる量を調節するために堤(つつみ)などに埋めた樋〈とい〉)、樮(ほくそ、燃えかすのこと)、椨(たぶ)、椣(しで)、椡(くぬぎ)、橲(ずさ、?)、欟(つき、)、橸(まさ、幽霊字、)
*JIS基本漢字に含まれる、典拠不明の文字の総称。幽霊漢字(ゆうれいかんじ)、幽霊字(ゆうれいじ)とも呼ぶ。橸は日本地名大辞典に用例あり。石橸(いしだる)/静岡県。
鳥偏の国字
鳰(にお)は「かいつぶり」という水鳥で、水に入る鳥という意です。
鵆(ちどり)は行き交う鳥の意で、中国では鴴の字を用います。現在では千鳥と書くのが普通でしょう。
鵇(とき)は年を告げる鳥の意で、朱鷺・鴇とも書きます。
鵥(かけす)は人の言葉を判断する鳥の意で、ほかの鳥の鳴き声や物音を真似るのが得意と言います。懸巣とも書きます。
鶍(いすか)はスズメ科の小鳥で、針葉樹の実を食べやすいように上下のくちばしがくい違っているため、行違うという意を持つ“易”の字と鳥を組み合わせたものです。
このほかに鴫(しぎ)、鵤(いかる、いかるが)、鶫(つぐみ)、鵈(とび、みさご)などがあります。
魚偏の国字
鮲(こち)は、砂地に住んでいます。頭が大きい平べったい魚で、砂地に伏し隠れているという意です。
鯐(すばしり)は“走り”の訓読みを当てたものです。東京などではボラの稚魚をこのように呼ぶそうです。
鯱(しゃち)はイルカ類で魚ではありませんが、魚偏の国字になりました。虎のように激しい気性の魚という意です。
一字ではありませんが、鮟鱇は「鱇」が国字で、「あんこう」と読みます。
日本は海に囲まれ、色々な種類の魚が獲れます。従って魚のついた国字は沢山あります。
鰯(いわし)、鱈(たら)、鮗(このしろ)、鮖(かじか)、鮴(ごり)、鯒(こち)、鯑(かずのこ)、鯏(あさり、うぐい)、鯲(どじょう)、鯰(なまず)、鰰(はたはた)、鱚(きす)、鰡(ぼら)などがあります。
寿司屋の湯呑には魚の名がいっぱい書かれたものがありますが、みなさんはどれぐらい読めますか?
sechin@nethome.ne.jp です。
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