瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
国会の予算委員会が始った。今朝のウェブニュースから。
党首直接対決 重い空気漂う 執拗な谷垣氏 耐え忍ぶ首相 ―― 昨年の臨時国会では行われなかった鳩山由紀夫首相と自民党の谷垣禎一総裁との直接対決が、21日の衆院予算委員会でようやく実現した。谷垣氏は、首相や民主党の小沢一郎幹事長に絡んだ「政治とカネ」の問題に持ち時間の半分を使い、執拗(しつよう)に質問を続けた。ただ、首相が我慢の答弁に終始していた上に、谷垣氏の「人の良さ」が出た面もあり、激論に発展することはあまりなかった。議場の半数以上を占める民主党議員の応援も今ひとつで、大荒れの展開にはならなかった。
≪128日目に実現≫ 鳩山内閣誕生から128日目に実現した直接対決。谷垣氏は冒頭から偽装献金問題に触れ、「『民信なくば立たず』だ。首相や与党幹事長周辺で起訴や逮捕が相次ぐのは異様な事態だ。『秘書の行為は政治家の責任』という趣旨の発言をしたのを記憶しているか」などと攻撃した。/首相は「言ったことの責任は持たなければならない、と肝に銘じている」と述べつつも実母からの資金提供は「天地神明に誓ってまったく存じ上げなかった」などと、慎重に答弁を繰り返した。/「そこが一番分かりにくい。どう釈明するのか」と食い下がる谷垣氏に、首相が「釈明という話ではなくて、事実を事実として申し上げている」と気色ばむ一幕もあったが、この問題に関しては首相側の分が悪いのは明らか。臨時国会で「あなた方に言われたくない」などと答弁した強気な態度は影を潜めた。民主党席もその間は重い空気が漂い、谷垣氏の執拗な質問を首相が懸命にかわす展開が続いた。/谷垣氏が首相の追及に躍起になったのには、24日に自民党大会があることも影響している。夏の参院選の候補者調整も手間取り、産経新聞・FNN(フジニュースネットワーク)の最新世論調査では、「党首力」で谷垣氏は首相に大きく水を開けられた。今回の直接対決で「党首力」をアピールして、党大会を乗り切りたい思いもあったようだ。/「お人よし」と言われる谷垣氏は、菅直人副総理・財務相のように相手を怒らせる「誘導質問」や底意地の悪い追及は行わなかった。代わりに、弁護士らしく理詰めで言質を取っていく作戦をとった。
≪尻切れトンボ?≫ それだけに、迫力に乏しい感は否めず、初対決を見ていた自民党議員は「尻切れトンボみたいになっちゃった」と偽装献金問題などへの追及がまだ甘かったと指摘したほか、公明党からは「もっと経済や景気の問題をやってほしかった」(国対幹部)という苦言が出た。審議が空転するほどの新事実の発覚や首相の答弁ミスもなかった。/それでも谷垣氏は、首相が実母からの資金提供を知っていたことが明らかになれば議員辞職すると答弁したことに「しっかり記録にとどめておかなければいけない」と成果を強調した。/首相も、通常国会の早々から野党の執拗な追及を味わった。鳩山内閣への支持率が急落する厳しい状況の中、今後も綱渡りの答弁が続くのは間違いない。
(産経ニュース、2010.1.22 06:23)
昨夜布団の中で読んだエウリピデスの「ヒッポリュトス」のパイドラーの科白を思い出す。曰く、「……人間の舌というものは、ちっとも信用できませぬもの、他人のことだと、その考えはどうのこうのとひとかどの批評はするけれど、自分のことには目が見えず、とんだ目にあったりしますから……」(世界古典文学全集9 エウリピデス 筑摩書房刊)
古典期におけるArtemis(アルテミス)の魅力の随一は彼女がうら若い処女神として、特に貞潔の象徴と見做されることであった。アルテミスは説話にまた造形美術に清らかに美しく、しかも慄然たる趣を失わない理想的な処女として描き出される。それは単に女性に限らず、童貞もまた彼女の庇護下に置かれていた。Euripides(エウリーピデース、BC480?~406?年)は古代アテナイの悲劇詩人の一人であるが、彼の手になる「Hippolytos(ヒポリュトス)」と「Iphigeneia(イーピゲネイア)」の物語について記しておこう。
ギリシア神話:青年ヒッポリュトスはアテーナイの王Theseus(テーセウス)の庶子で亡くなったアマゾーンの女王ヒッポリューテの腹であった。常にアルテミス女神を崇めて童貞に身を持し常に女神に従っての山の狩倉に日を過し、また騎馬を好んで恋愛等には一向に耳を仮さなかった。戯曲ではそれが愛の女神Aphrodītē(アプロディーテ)の怒りに触れ、女神はおのが神威を侮り尊厳を並するものとして報復を図ろうとする。そしてテーセウスの妃で彼には継母に当たるPhaidra(パイドラー)に、義子である彼に対して絶望的な愛着の念を抱かすのである。/エウリーピーデースはパイドラーを邪恋に走る女としてではなく、むしろアプロディーテの犠牲となっても貞潔を守ろうと努め、そのためには死を択ぼうとしながら、自己の心情の優しさからこれを打ち明けさせる。テーセウスが海の彼方のトロイゼーンに旅行中の出来事であった。しかし事が漏れてヒッポリュトスに激しく罵り辱められ、おのが名を守るためにまた恐らくは報いられない恋を怨んで縊死を遂げる。傷ましくしかもある程度健気にまた常に優雅さを女性として描くことによって舞唱団の美しい抒情味豊かな詠唱と相俟って、詩人はこの悲劇をギリシア演劇の中でも屈指の優作としている。/死に際してパイドラーは、夫のテーセウス王に遺言を記し、義子ヒッポリュトスから邪な思いをかけられ辱めにあったため、死を決した旨をしたためる。旅から戻ったテーセウスは遺書を披いて予想のごとくに激怒し、父なる神ポセイドーンの呪いを彼の上に呼び下す。こうしてヒッポリュトスはその馬が突然に狂って車を海辺の巨巌に撃ちつけた結果、瀕死の状態で父テーセウスの許に運び込まれるのである。このとき、アルテミス女神が来降してヒッポリュトスのために弁護し彼の冤(むじつ)を雪(そそ)いでやる。一同の悔恨と悲愁のうちに、ヒッポリュトスの霊は天の昇って神と化するところで終る。
党首直接対決 重い空気漂う 執拗な谷垣氏 耐え忍ぶ首相 ―― 昨年の臨時国会では行われなかった鳩山由紀夫首相と自民党の谷垣禎一総裁との直接対決が、21日の衆院予算委員会でようやく実現した。谷垣氏は、首相や民主党の小沢一郎幹事長に絡んだ「政治とカネ」の問題に持ち時間の半分を使い、執拗(しつよう)に質問を続けた。ただ、首相が我慢の答弁に終始していた上に、谷垣氏の「人の良さ」が出た面もあり、激論に発展することはあまりなかった。議場の半数以上を占める民主党議員の応援も今ひとつで、大荒れの展開にはならなかった。
≪128日目に実現≫ 鳩山内閣誕生から128日目に実現した直接対決。谷垣氏は冒頭から偽装献金問題に触れ、「『民信なくば立たず』だ。首相や与党幹事長周辺で起訴や逮捕が相次ぐのは異様な事態だ。『秘書の行為は政治家の責任』という趣旨の発言をしたのを記憶しているか」などと攻撃した。/首相は「言ったことの責任は持たなければならない、と肝に銘じている」と述べつつも実母からの資金提供は「天地神明に誓ってまったく存じ上げなかった」などと、慎重に答弁を繰り返した。/「そこが一番分かりにくい。どう釈明するのか」と食い下がる谷垣氏に、首相が「釈明という話ではなくて、事実を事実として申し上げている」と気色ばむ一幕もあったが、この問題に関しては首相側の分が悪いのは明らか。臨時国会で「あなた方に言われたくない」などと答弁した強気な態度は影を潜めた。民主党席もその間は重い空気が漂い、谷垣氏の執拗な質問を首相が懸命にかわす展開が続いた。/谷垣氏が首相の追及に躍起になったのには、24日に自民党大会があることも影響している。夏の参院選の候補者調整も手間取り、産経新聞・FNN(フジニュースネットワーク)の最新世論調査では、「党首力」で谷垣氏は首相に大きく水を開けられた。今回の直接対決で「党首力」をアピールして、党大会を乗り切りたい思いもあったようだ。/「お人よし」と言われる谷垣氏は、菅直人副総理・財務相のように相手を怒らせる「誘導質問」や底意地の悪い追及は行わなかった。代わりに、弁護士らしく理詰めで言質を取っていく作戦をとった。
≪尻切れトンボ?≫ それだけに、迫力に乏しい感は否めず、初対決を見ていた自民党議員は「尻切れトンボみたいになっちゃった」と偽装献金問題などへの追及がまだ甘かったと指摘したほか、公明党からは「もっと経済や景気の問題をやってほしかった」(国対幹部)という苦言が出た。審議が空転するほどの新事実の発覚や首相の答弁ミスもなかった。/それでも谷垣氏は、首相が実母からの資金提供を知っていたことが明らかになれば議員辞職すると答弁したことに「しっかり記録にとどめておかなければいけない」と成果を強調した。/首相も、通常国会の早々から野党の執拗な追及を味わった。鳩山内閣への支持率が急落する厳しい状況の中、今後も綱渡りの答弁が続くのは間違いない。
(産経ニュース、2010.1.22 06:23)
昨夜布団の中で読んだエウリピデスの「ヒッポリュトス」のパイドラーの科白を思い出す。曰く、「……人間の舌というものは、ちっとも信用できませぬもの、他人のことだと、その考えはどうのこうのとひとかどの批評はするけれど、自分のことには目が見えず、とんだ目にあったりしますから……」(世界古典文学全集9 エウリピデス 筑摩書房刊)
古典期におけるArtemis(アルテミス)の魅力の随一は彼女がうら若い処女神として、特に貞潔の象徴と見做されることであった。アルテミスは説話にまた造形美術に清らかに美しく、しかも慄然たる趣を失わない理想的な処女として描き出される。それは単に女性に限らず、童貞もまた彼女の庇護下に置かれていた。Euripides(エウリーピデース、BC480?~406?年)は古代アテナイの悲劇詩人の一人であるが、彼の手になる「Hippolytos(ヒポリュトス)」と「Iphigeneia(イーピゲネイア)」の物語について記しておこう。
ギリシア神話:青年ヒッポリュトスはアテーナイの王Theseus(テーセウス)の庶子で亡くなったアマゾーンの女王ヒッポリューテの腹であった。常にアルテミス女神を崇めて童貞に身を持し常に女神に従っての山の狩倉に日を過し、また騎馬を好んで恋愛等には一向に耳を仮さなかった。戯曲ではそれが愛の女神Aphrodītē(アプロディーテ)の怒りに触れ、女神はおのが神威を侮り尊厳を並するものとして報復を図ろうとする。そしてテーセウスの妃で彼には継母に当たるPhaidra(パイドラー)に、義子である彼に対して絶望的な愛着の念を抱かすのである。/エウリーピーデースはパイドラーを邪恋に走る女としてではなく、むしろアプロディーテの犠牲となっても貞潔を守ろうと努め、そのためには死を択ぼうとしながら、自己の心情の優しさからこれを打ち明けさせる。テーセウスが海の彼方のトロイゼーンに旅行中の出来事であった。しかし事が漏れてヒッポリュトスに激しく罵り辱められ、おのが名を守るためにまた恐らくは報いられない恋を怨んで縊死を遂げる。傷ましくしかもある程度健気にまた常に優雅さを女性として描くことによって舞唱団の美しい抒情味豊かな詠唱と相俟って、詩人はこの悲劇をギリシア演劇の中でも屈指の優作としている。/死に際してパイドラーは、夫のテーセウス王に遺言を記し、義子ヒッポリュトスから邪な思いをかけられ辱めにあったため、死を決した旨をしたためる。旅から戻ったテーセウスは遺書を披いて予想のごとくに激怒し、父なる神ポセイドーンの呪いを彼の上に呼び下す。こうしてヒッポリュトスはその馬が突然に狂って車を海辺の巨巌に撃ちつけた結果、瀕死の状態で父テーセウスの許に運び込まれるのである。このとき、アルテミス女神が来降してヒッポリュトスのために弁護し彼の冤(むじつ)を雪(そそ)いでやる。一同の悔恨と悲愁のうちに、ヒッポリュトスの霊は天の昇って神と化するところで終る。
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プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
sechin@nethome.ne.jp です。
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