瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 朝4時30分、隅田川周辺を徘徊。
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 列禦寇(生没年不詳)は、先秦の書物に紀元前400年の前後70年に生存したとあるというものの、『史記』にはその伝記はなく、その実在を疑う向きもある。
 『漢書』芸文志に列禦寇の著として『列子』8巻が見える。 『天瑞』、『黄帝』、『周穆王』、『仲尼』、『湯問』、『力命』、『楊朱』、『説符』の8巻は多くの寓言により、道家的思想を伝える。『荘子』等の内容を引くなど、古来より単独の著者により記述されたものではないと見られている。現存の8巻には仏教思想も含まれており、この部分はのちに混入されたともいうが、現存本は魏晋代以降に成立した偽書であるとの説も根強い。

86bf52bb.JPG わが師である列禦寇先生は、鄭の国の圃田という沼沢地帯に四十年も住んでおられたが、誰も彼を偉大な人物と認めるものは無く、鄭の国王や家老達も一般の庶民並に見ていた。ある時国に飢饉があって、先生は衛の国に出かけられようとした。すると弟子がこういった。
「先生が出かけられれば、何時お帰りになるか知れたものでは有りません。私はたってお導き頂きたいのですが、先生はいったいどのようにお教えくださるでしょうか。先生は先生のお師匠さんの壺丘子林先生からご教示をうけておられるとおもいますが。」
 弟子の言葉に列先生は笑って答えた。
「壺先生がおっしゃってなど下さるものか。けれども先生は、ある時私の友人は伯昏瞀人君におっしゃっていられたことがあったね。私はそばで聞いていたのだが、その言葉をそなたにはなしてあげよう。その言葉というのはこうだ。この世界には「生と不生」すなわち生成するものと生成しないものとがあり、また「化と不化」すなわち変化するものと変化しないものとがある。生成しないものは生成する一切万物を万物として生成させることが出来、変化しないものは変化する一切万物を変化させることが出来る。そして生成するものは生成せずにおれない必然性を持ち、変化するものは変化せずにはおれない必然性を持つから、万物は不断に生成し、不断にへんかするのである。不断に生成し不断に変化するものは、生成しない時とてなく、変化しない時とてない。陰陽の二気がそうであり、春夏秋冬の四季がそうである。これに対して、生成しないものはひっそりと独り静まり、変化しないものは往いてまた復る。往いてまた復るものは、その際限を尽くすことが出来ず、ひっそりとしずまるものはその在り方を究めることが出来ない。「黄帝の書」に
「谷間の神霊(Demon、デイモン)は永遠不滅/そを玄妙不可思議なメスという/玄妙不可思議なメスの陰門(ほと)は/これぞ天地を生み出す生命の根源/綿(なが)く綿く太古より存(ながら)えしか/疲れをしらぬその不死身さよ」とあるが、さればこそ万物を生成するものは、それ自らは生成せず、万物を変化させるものはそれ自らは変化しないのである。万物は(この生成変化を超えたもののはたらきによって)自ずから生成し、自ずから変化し、自ずから形を備え、自ずから色をそなえ、自ずから知能を備え、自ずから力量を備え、自ずから消滅し、自ずから蘇生するのであって、これを何者かが意図的に生成し、変化させ、形と色を備え、知能と力量を備え、消滅し蘇生させていると考えるのであれば、それは間違いである。

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