瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 ここ台東区にも、多くの稲荷神社があるようで、そのうち大半は地図にも載っていない。山谷掘公園に沿って歩いてみた。山谷掘には今戸橋・聖天橋・吉野橋・山谷掘橋・正法寺橋・紙洗橋・地方新橋・地方橋・日本堤橋と9つの橋が架かっていてが、今はすべて埋め立てられて、橋桁が残っているだけである。正法寺橋の西に隣接して合力稲荷神社というのがある。この場所は35年ほど前、爺のおふくろが東京で亡くなった時、千束の聖愛病院に入院していたので、よく通った道であるが、こんな稲荷神社があったことは記憶にない。
 山谷掘公園をさらに北上して紙洗橋あたりから公園は馬道通りと並行するようになる。馬道通りを渡り、淺草5丁目に入り、やはり35年ほど前、腹痛で救急車で運ばれ十二指腸潰瘍と診断された北条病院というのがあるが、その直ぐそばに袖摺稲荷神社というのがビルの2階を利用してあった。どうもこの稲荷神社も以前に通った事があるはずなのだが、とんと記憶にない。まあ、この辺りも山谷掘公園が出来てかなり、環境が変化しているので、無理からぬことかもしれない。いずれにしても、爺が42歳の厄年は碌なとしではなかった。
 吉野通りまで引き返すと、この通りを北上。アサヒ会商店街から、吉野通りの1つ東側の路地を北上すると、玉姫神社の西に位置するところに、寶珠稲荷神社というのがあった。いやはや、山谷のドヤ街のこんな所にこんな稲荷神社があるとは知らなかった。
915ec7df.jpg 玉姫神社の傍を通り抜け、昨日通った橋場と清川を分ける通りを北上、明治通りを横切って、北上してみた。東京ガステクノステーションの正門前で、中を見ると稲荷神社らしきものがあったが、正門が閉まっていて中に入れない。ガステクノステーションの北側を通って、石濱神社に出る。白鬚橋西の交差点の処で、ワンさんと出会う。
 隅田川に並行する遊歩道を南下、桜橋中学の風車の下に柘榴が実っている。珍しいので、カメラに収めて、帰宅した。9315歩、6.0㎞を記録していた。
 合力稲荷神社は山谷堀公園沿(正法寺橋の西)に隣接する小さな神社である。江戸永禄年間 山谷村の百姓一同が村の鎮守としたという。祭神は食を司る神である保食命(受け持ちの命)を祀る。
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5f7815a5.jpg 袖摺稲荷神社の祭神は倉稲魂命(うがのみたまのみこと)と素盞鳴尊(すさのおのみこと)である。境内にある案内板の説明は『続御府内備考(都市江戸の寺院についての第一級の基礎史料、東京都公文書館保存)』所収の縁起によるものと思われる。
 ネットを徘徊すると、「紀伊の国」という端唄があった。玉姫・三囲・合力・袖摺・真先・九郎助と有名どころの稲荷がすべて唄い込まれ、それも三囲稲荷へ嫁ぐはずだった玉姫稲荷が真っ黒九郎助稲荷にかどわかされて、子供までつくってしまったという話なのである。曰く、「紀伊の国は 音無川の水上に/立たせたまふは 船玉山/船玉十二所大明神 /さて 東国にいたりては/玉姫稲荷が 三囲へ/狐の嫁入り お荷物を/  担へば 強力稲荷さま/頼めば 田町の袖摺も/さしづめ 今宵は待ち女郎/仲人は真前 真黒九郎助稲荷につまされて/子まで生したる信太妻」
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7567d314.jpg 寶珠稲荷神社は山谷地区の玉姫稲荷神社より東に入った位置にある神社で、創建は不明なれども北条氏が天正17(1589)年に京都伏見稲荷より浅草町に勧誘したのが始まりという。その後、駒形広小路、本所亀戸村と移転を繰り返し、天和2(1982)年当地に移ったということである。
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