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Hēraklēs(へーラレース)の第2の難行はLerna(レルネ)の水蛇Hydrā(ヒュドラ)を退治することでした。


 ヒュドラーはTyphon(テューポーン)とEchidna(エキドナ)の子で、Hērā(ヘーラー)がヘーラクレースと戦わせるために育てたとされます。草食恐竜のような巨大な胴体と9つ(5から100までの異説がある)の首を持ち、一本の首を切り落としても、すぐにそこから新しい2本の首が生えてくる。絵画などでは前足と後ろ足、翼を持った姿で表される事もあります。


 ヒュドラーは、Lerna(レルネー)の沼に住み、触れただけで全生命体を絶命させる宇宙最強の猛毒を有していました。ヘーラクレースはヒュドラーの吐く毒気にやられないように口と鼻を布で覆いながら戦わねばならなかったのです。

※ Gustave Moreau(ギュスターヴ・モロー):フランスの象徴主義の画家です。パリに生まれパリで亡くなりました。聖書や神話に題材をとった幻想的な作風で知られます。印象派の画家たちとほぼ同時代に活動したモローは、聖書やギリシャ神話をおもな題材とし、想像と幻想の世界をもっぱら描きました。彼の作品は19世紀末のいわゆる『世紀末』の画家や文学者に多大な影響を与え、象徴主義の先駆者とされています。

 ヘラクレスは助っ人として、甥のIolāos(イオラーオス、双子の兄弟Īphiklēs〈イーピクレース〉の子)を連れて行きました。

 そしてAmȳmōnē(アミュモネ)の泉でヒュドラを発見します。まず火矢を放って、そこからヒュドラー追い出します。しかしヒュドラはヘーラクレースの片足にまきついてきます。 ヘーラクレースは棍棒で頭を勝ち割ったが、2つに分裂しただけでした。 またそこにはヘーラーが送り込んだ大カニも潜んでいて、思い切りヘラクレスの足をはさんでヒュドラを援助します。 しかしカニはヘーラクレースに踏み潰されて、あっけなく昇天してしまいました。その後かに座となったのだといいます。
 ヘーラクレースは始め、ヒュドラーの首を切っていきましたが、首を切っても切っても埒の明かないヒュドラ相手に、ヘーラクレースはイオラーオスの援護を求めました。 ヘーラクレースが切った首の切り口に、イオラーオスが松明で焼いて再生を不可能にしたのです。

lekythos(レキュトス)とは、油の貯蔵に使われた古代ギリシアの陶器の一種で、特にオリーブ油を貯蔵しました。

 こうして首を全て切り取り、残るは不死身の首1本になりました。ヘーラクレースは首の上に重い大岩を乗せて、永遠に動けないように押さえつけたのでした。 またヒュドラの体を裂いて、自分の矢じりにヒュドラの血を塗りたくりました。この後ヘーラクレースはヒュドラーの猛毒を矢に塗って使うようになったといいます。
 最後に残った不死の頭は岩の下に埋め、見事ヒュドラーを退治しました。そしてヒュドラーはうみへび座となったいいます。
 Eurystheus(エウリュステウス)は、従者から助けられたことを口実にして、功績を無効としたため、難業が1つ増えることになったのだといいます。

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