Teiresiās(テイレシアース)は盲目の予言者として知られるが、盲目となった理由は諸説あります。一説には、女神Athēnā〈アテーナー〉が沐浴している姿を見てしまい、アテーナーによって盲目とされますが、これを不憫に思ったAphrodītē(アプロディーテー)が(または、Chariklō〈カリクロー〉から息子の目を元に戻すよう訴えられたアテーナー自身が)予言の力を与えたという。
※ Chariklō〈カリクロー〉:ギリシアの戦士Spartoi(スパルトイ)のEueres(エウエーレース)の妻になり、テイレシアースを産みました。
また一説には、テイレシアースがKyllēnē〈キュレーネー〉山中で交尾している蛇を打ったところ、テイレシアースは女性になってしまったといいます。9年間(7年ともいう)女性として暮らした後、再び交尾している蛇を見つけ、これを打つと男性に戻ったということです。
※ Johann Ulrich Kraus(ヨハン・ウルリッヒ・クラウス、1655~1719年):ドイツのAugsburg(アウスブルク)のイラストレイター、彫版家で出版企業者でもありました。
あるときZeus(ゼウス)とHērā(ヘーラー)が、男女の性感の差について論争します。ゼウスは女がより快感が大きいと言い、ヘーラーは男の方が大きいとして言い争いとなりましたので、テイレシアースの意見を求めることになりました。テイレシアースは「男を1とすれば、女はその10倍快感が大きい」と答えたのです。ヘーラーは怒ってテイレシアースの目を見えなくしてしまいます。ゼウスはその代償に、テイレシアースに予言の力と長寿を与えたといいます。
テイレーシアスは予言者となり、さまざまな場面で出てきます。Narkissos(ナルキッソス)を占って「己を知らないままでいれば、長生きできるであろう」と予言し、恐ろしい予言は16年後に水鏡に映った自分を見た時に的中してしまう話は先だって取り上げたばかりです。そして、もっとも有名なのが、Sophoklēs(ソポクレス、紀元前496年頃~紀元前406年頃のアテナイの悲劇作家、古代ギリシア三大悲劇詩人の一人)の『Oidipūs(オイディプス王)』です。
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