瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 ここのところ、大気の不安定が続き、今日も早朝から雨で、徘徊はお休みしました。


 


 8月はギリシア神話の変身譚について、調べてみましたが、続いてギリシア神話の英雄伝について調べてみたいと思います。古代ギリシアの伝説にある英雄の主なものとしては、まずHēraklēs(ヘーラクレース)を筆頭とし、続いてThēseus(テーセウス)、多分にお伽噺的な要素に富むPerseus(ペルセウス)、天馬Pēgasos(ペーガソス)に縁のあるBellerophōn(ベレーロポーン)、大猪狩で名高いKalydon(カリュードーン)のMeleagros(メレアグロス)などがあります。これらの英雄のことごとくが人生行路の涯において決して幸福とは言えない暗い不幸な末路を嘆かねばならないのはある意味においていかにもギリシア的ともいえます。ギリシア人が明朗かつ翳(かげ)を知らない民族のように見受けられるのは、彼らの意志の力と、激しい努力のためだといえるのでしょう。逆説的に言えば、彼らの絶望が、彼らの性格を明るくしたともいえるのではないでしょうか。


 ペルセウスは不図(ふと)祖父を殺して故郷を去り、ヘーラクレースは自焚(じふん)し、テーセウスは孤島に憤死し、ベレーロポーンは孤島で狂乱し、メレアグロスは母の呪いで死にます。Solōn(ソロン)の言を借りれば、彼らは皆不幸です。彼らはむしろ「幸福」とは何かを尋ねているようでもあります。あるいは彼らの価値は「幸福」が唯一無比ではないと語らずして叫んでいるところにあるとも判断できるのです。ギリシア神話は、当然に彼らの世界観・人生観の結晶であるのですから。


 


 ともあれ、しばらくの間ギリシア神話の英雄伝にお付き合いください。

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1932/02/04
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 sechin@nethome.ne.jp です。


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