瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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ab72bc9c.JPG 腰の痛みも少々残っていたし、それに今日は日曜日、休日であることを口実に徘徊を止めた。今朝の朝日新聞4面に、三国志流外交について触れている記事があり、こういう外交は米中でも、日米でも出て来ることはない、日中にしか出て来ない話だと少し興味を覚えながら「赤壁の戦い」について復習してみた。
 河北を平定した曹操(155~220年)は、208年7月、荊州(けいしゅう)の牧(ぼく、刺史)であった劉表(りゅうひょう、?~208年)を攻めるため兵を率いて荊州へ南下を始めた。ところが8月になると劉表が死亡し、劉表の跡を継いだ次男の劉琮(りゅうそう、生没年不明)は9月、曹操に降伏した。孤立した劉備(116~223年)は長江づたいに南下し、長坂(ちょうはん)で曹軍に追いつかれるが何とか難を逃れ、荊州の動向を探りに来ていた魯肅(ろしゅく、172~217年)と面会し、1万人余りの軍勢を率いる劉表の長男の劉琦と合流しつつ夏口へ到達した。曹操は劉表が作りあげた荊州水軍を手に入れ、そのまま南下して兵を長江沿いに布陣させた。
9786a6d9.JPG 数十万の兵を擁すると言われる曹操の大軍勢を前に孫権(182~252年)陣営は恐れを抱いた。しかし、都督周瑜(175~210年)は「中原出身の曹操軍は水軍による戦いに慣れておらず、土地の風土に慣れていないので疫病が発生するだろう。それに曹軍の水軍の主力となる荊州の兵や、袁紹(えんしょう、?~202年)を下して編入した河北の兵は本心から曹操につき従っているわけではないのでまとまりは薄く、勝機はこちらにある」と分析し、孫権に開戦を説いた。
 魯粛は劉備に孫権と同盟を結んで曹操と対抗するように説き、劉備は諸葛亮(しょかつりょう、181~234年)を使者として派遣して孫権と同盟を結び、孫権は周瑜・程普(ていふ、生没年不明)ら数万の水軍を劉備の救援に派遣した。一方の曹操軍も長江を下り、両軍は赤壁で一戦を交え、周瑜らは疫病に悩まされていた曹操軍を撃破した。曹操は後退し烏林に陣を張り、周瑜らも長江を挟んで対峙(たいじ)した。
 周瑜の部将の黄蓋(こうがい、? ~215年?)は、敵の船団が互いに密集していることに注目し、火攻めの策を進言した。そして自ら曹軍に対し偽りの降伏を仕掛け、曹軍が油断した隙をつき、油をかけ薪を満載した船に火を放ち敵船に接近させた。折からの強風にあおられて曹操の船団は燃え上がり、炎は岸辺にある軍営にまで達した。船団は大打撃を受け、おびただしい数の人や馬が焼死したり溺死したりした。
 以上が伝えられる所の赤壁の戦いのあらましであるが、赤壁の古戦場と伝えられる場所は、長江・漢水沿いに数カ所存在し、その是非については現在も議論があるが、有名なものは二箇所ある。
1.現在の湖北省蒲圻市(ほきし、現:赤壁市)西南の長江南岸に位置する赤壁山である。ここは実際の古戦場として現在最も有力視され、「三国赤壁(別名、武赤壁)」と呼ばれている。
35567b15.JPG2.北宋の文人蘇軾(蘇東坡、1036~1101年)が名作「赤壁の賦」を書いたことで有名な偽の赤壁である。こちらは湖北省黄岡市(こうこうし)黄州区西北の長江北岸の赤鼻山を指し、「東坡赤壁(別名、文赤壁)」と呼ばれる。この地は実際の戦場ではなかったのだが、晩唐の詩人杜牧(とぼく、803~853年)が詩に詠んだことから赤壁の古戦場と見なされるようになり、蘇軾の作品によって、実際の古戦場以上に有名になってしまった。なお、東坡赤壁は長江の流れが変遷したため、現在は長江に面していない。
 杜牧の「赤壁」の訳: 砂に埋まって錆びていない矛。赤壁の戦いの激戦を物語る遺物。もし、東風が周瑜のために吹かなければ、二人の美人(周瑜の妻と彼女の姉)は、敵の曹操のものになってしまっていただろう。

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