瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 10月3日にアラリンが来日すると言う。爺とマイチ宛のメールに曰く、
『最近 ホームシックでね。だから1週間だけ日本へ行く事にしました。きっと「誰かの」ブログのせいかと思いますが、、、 日本着は3日(金)。週末は海へ行く予定ですが、平日の予定は まだ殆どありませんので是非伺います。塾友中心で集まるなら、日程を決めましょう!』
昨夜、マイチに電話したけど、爺は10日には九州ゆきじゃ。6,7,8日の3日のうちに何とか集まれればよいのだが。あれやこれや考えているうちに、今朝は写真撮影をすっかり忘れてしまった。
 白鬚橋を渡り、隅田公園に入ると、何となく言問橋から公園に入ってすぐの築山を写真に納めた。この築山こそかつて「蟻の街」のあったところなんじゃ。
築山 かつて蟻の街のあった所
a516119b.jpgかつての蟻の街教会
b5eb02bc.JPG自らバタ屋になって
c48a7b96.JPG






 第二次世界大戦後、職もなく、住む家もない人々が隅田川の言問橋の近くに集まって、「蟻の会」という共同体を作り、廃品回収で生計を立てていた。人々はここを「蟻の街」とよんだ。大学教授の娘で、恵まれた家庭に育った北原怜子(さとこ)というカトリックの女性はゼノという修道士から蟻の町の話を聞き、そこに出かけるようになり、献身的に蟻の町の子どもたちの世話をした。怜子は次第に持てる者が持たない者を助けるという姿勢に疑問を抱くようになり、自ら「バタ屋」となって廃品回収を行うようになったのじゃ。怜子はいつしか結核を患い、静養のために蟻の町を去ったそうじゃ。東京都はいく度となく、蟻の会に立ち退きを求めた。蟻の町を存続させるために、当時の蟻の会の人々は、教会を建てると言って、建物の屋根に十字架を取り付け、新聞にも取り上げられた。怜子の名は「蟻の町のマリア」として知られるようになっていたんじゃ。有名になった蟻の町に対して、都は代替地として「8号埋立地」を提示したが、都が示した条件は蟻の会にとっては厳しいもので、交渉は難航した。
一時蟻の町を離れて、病気療養をしていた怜子は病状が悪化し、これ以上治療方法がないと分かったとき、蟻の町に戻ることを希望した。十字架が立った建物に近い小部屋に住み、蟻の町のためにひたすら祈り続けたということじゃ。1958年1月19日、怜子の祈りが神に通じたかのように、都が蟻の会の要求を全面的に認め、蟻の町の「8号埋立地」への移転が決定し、その直後北原怜子は1月23日に28歳の若さで息を引き取ったということじゃ。
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無題
獅子文六さんの「自由学校」の中に、「蟻の町」をモデルにした場面があります。北原玲子さんの崇高な生涯に心打たれます。これにも増して、彼女を感化したゼノ・ゼブロフスキー修道士が、浮浪児らを保護するため、東奔西走したという逸話にも感動します。私は、1979年8月だったでしょうか、NHKラジオ第一放送で、「ゼノ、死ぬ暇ない」というドキュメンタリー番組を聞いたことがあります。当時、ゼノ修道士は存命でした。今度、隅田公園に来るときには、今回御紹介下さった、築山を拝見しておきたいと存じます。
助兵衛 2008/09/26(Fri) 編集
Re:無題
 上京の節は是非お立ち寄りください。
 蟻の街教会は今も深川の埋め立て6号地に健在のようです。いつかきっと訪ねてみようと思っています。
 【2008/09/26】
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1932/02/04
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