ウェブニュースより
熱海で土石流 家のみ込む轟音、住民「経験ない」 ――黒い土石流が住宅や車をのみ込みながら、猛烈な速さで流れ落ちていった。静岡県熱海市伊豆山地区で3日発生した土石流。保養地として知られる海沿いの斜面はすさまじい轟音(ごうおん)とともに土砂に埋まり、住民は「こんな経験は初めて」と声を震わせた。
現場から約50メートルの場所で暮らす伊勢井勝さん(70)は午前10時45分ごろ、強い雨が降るような音を耳にして自宅2階の窓を開けた。物置小屋が流され、駐車場の車が土砂に沈んでいくのが目に入った。スマートフォンと財布だけを持って妻と高台の知人宅へ。「ここに住んで約60年になるが初めての経験」と語った。
「ゴオオー」。伊豆山で経営する店舗にいた大東健太さん(35)も同じ頃、水が勢いよく流れてくるような低い音を聞いた。店の外に出ると、家のがれきや岩石、木々を巻き込みながら流れる黒っぽい色をした塊が目に飛び込んできた。
店は海側にあり土石流のスピードは落ちていたが、あと約20メートル流れてくればのみ込まれていた。「おかしいと思ったときには押し寄せてきていた。一瞬の出来事で、これ以上来ないでと祈るほかなかった」
海の近くを走る国道で交通整理をしていた男性(70)が「ゴゴゴ」という音が聞こえ振り返ると、斜面の上の方から大量の土砂がバスを押し流しながら迫ってくるのが見えた。
男性はとっさに国道を南へ逃げた。「土砂は北側に向かって流れ、逆に走っていたら巻き込まれていた。危機一髪だった」と話した。
付近の住宅には取り残された人も。警察官が拡声器で「1人ですか? 危険なので外に出ないで」と呼び掛けると、2階の窓から男性が大きく手を振って応じた。
ツイッターには3日、土石流が「ガー」「バキバキ」という音を上げながら一気に押し寄せる様子を撮影した動画が投稿された。土砂は住宅を押しつぶしながら傾斜地を下り、現場から急いで避難する消防士の姿もみられた。
土石流が発生した現場はJR熱海駅から北約1.5㌔で、相模湾に面した急勾配の斜面に住宅や企業の保養所、店舗などが立ち並ぶ。海を一望できる景勝地は土石流で一変。広いエリアが土砂に埋まり、砕かれた壁や棚などの家具が散乱した。国道など幹線道路も土砂で通行止めとなった。
伊豆山地区で飲食店を経営する男性(62)は昼ごろに店の様子を確認するため向かったが、店周辺は土砂やがれきなどが散乱して近づけず、引き返した。
店を構えて数十年たつが「こんな経験は初めて。新型コロナウイルスの影響で経営が厳しい中、災害まで重なり不安が強まる」と話した。
現場から約3㌔離れた場所でレストランを経営する男性(61)は通勤ルートが土石流の影響で通れず、大回りして店にたどり着いた。「雨量はそれほど多いとは思わなかった。傾斜地だが住宅も多く、まさか土砂災害が起きるとは」と驚いていた。 (日本經濟新聞 2021年7月3日 19:38)
藤井棋聖 史上初の10代九段&最年少防衛 快挙も通過点「強くなることで今までと違う景色が見られる」 ―― 第92期 棋聖戦5番勝負 第3局 ( 2021年7月3日 静岡県沼津市・沼津御用邸東付属邸第1学問所 )
ディフェンディングチャンピオンの藤井聡太棋聖(18)=王位との2冠=が最強の挑戦者・渡辺明王将(37)=名人・棋王含む3冠=を100手で振り切り、破竹のシリーズ3連勝で棋聖位を防衛した。同時にタイトル獲得通算3期に達し、規定により九段昇段も決定。18歳11カ月の藤井は、この両分野で史上最年少記録を樹立した。
短距離走者がとるクラウチング姿勢のように上半身を前傾させ、放射する鋭い視線は将棋盤を溶かす勢いだ。中終盤の壮絶なねじり合いから一歩抜け出し、最後は絵に描いたような即詰みでの勝利。「ずっと苦しいのかなと思ってました」「防衛は意識していませんでした」「九段は最高位。光栄です」という局後の藤井は落ち着いていたが、その心臓は長距離走者のごとくバクバクと激動していただろう。
棋界を代表する2者の激突は想像を絶する取っ組み合いになった。先手・渡辺の導入で今シリーズ初の矢倉戦。周到に用意した作戦をぶつける渡辺のペースで進行し、昼食休憩前には1時間超の長考を強いられる場面もあった。しかし返す刀で午後早々に渡辺を1時間以上の長考に追い込む。複雑怪奇な終盤には渡辺の飛車切りを緩手とみて逆襲へ。AIを超越する異次元のつばぜり合い。最後は自らの飛車をただ捨てする決定打をひねり出すフィニッシュだ。
https://www.youtube.com/watch?v=-NQsHVsJVMg
19歳の誕生日まで17日を残し、偉大な先達を全て追い抜く最年少防衛。「タイトルは防衛して初めて一人前。その結果を出せたのは良かった」と安堵(あんど)の息を吐きながら「でも一人前になった意識はないんです(笑い)。防衛に満足することなくこれからもやっていきたい」と表情を引き締める。
タイトル3期で棋界最上段位にも上り詰めた。九段という呼称のイメージを「実績のある方ばかりで、息長く活躍している」と明かす。そして「自分もそこに加われるのはうれしい」と率直な心境を吐露。一方でタイトル数や年少記録に拘泥しない姿勢については「自分が強くなることで今まで見たことのない局面に出合える。強くなることで今までと違う景色が見られると思うので」と説明した。さらなる高みを目指すスタンスに変わりはない。
偉業達成にも息つく暇なく、今後は豊島将之竜王(31)相手の王位戦と叡王戦が続く。「あまり喜び過ぎてはいけません」。最年少記録をことごとく塗り替えてきた藤井は、これからも未開の地を切り開いていく覚悟でいる。
《渡辺王将 初の屈辱「飛車切り暴発だった」》渡辺にとって、序盤は完全に事前準備通りの展開。だが「いろいろあって、しばらく分からなかった。良くなった場面はあったが、具体的な手がなかった」と悔やんだ。タイトル戦通算39度目の登場で、ストレート負けを喫したのは今回が初という屈辱。「それは別に…。フルセットだろうが(敗退の)スコアには意味がないので」と潔くシリーズの完敗を認めた。
感想戦では終盤に飛車を切った勝負手を中心に検討。ハッとするような思い切った攻撃だったが「あの飛車切りが暴発だった」「見切り発車だったのかな」と反省の弁を繰り返すばかりだった。
《プロ棋士の段位》下位の四段から五段、六段、七段、八段、最高位の九段まである。九段に昇段するには竜王2期、名人1期、そのほかのタイトル3期のいずれかを獲得するか、八段昇段後、公式戦250勝を挙げることが条件。プロ棋士にとって段位は肩書でもある。ただしタイトル保持者は段位よりも称号が優先される。 [スポニチアネックス 2021年7月4日 05:30 ]
初の月間MVP大谷翔平「仕切り直してもう半分頑張りたい」/一問一答 ――<エンゼルス-オリオールズ>◇2日(日本時間3日)◇エンゼルスタジアム
エンゼルス大谷翔平投手(26)が、メジャーで初の月間MVPを獲得した。6月の打撃成績は打率3割9厘、13本塁打、23打点、4盗塁で、長打率8割8分9厘、OPS(出塁率+長打率)1.312は1位。3戦連発を2度マークした。
また、前日は球宴の2次投票の結果が発表され、ア・リーグDH部門の1位で初のオールスターとスタメン出場を決めた。「2番DH」で出場するオリオールズ戦前、大谷はオンラインで取材に応じた。
―初のオールスター選出。全米での知名度も上がったと感じるか
声援をもらうことは多くなったかなと個人的に思いますし、気分よく打席に入れるかなと思うので、そういう声援はすごくうれしいかなと思います。
―オ-ルスターの先発出場が決まったが、オールスター出場というのはどれくらいの位置付けだった
チームが勝つということが一番の目標なので、それに付随して自分がいい成績を残せれば、必ず通る道なのかなとは思うので、もちろん高い目標ではあると思いますし、野球選手にとっては目指すべき場所なのかなとは思うので、すごく光栄なことだと思います。
―オールスターの監督、レイズのキャッシュ監督と連絡を取り合うことは
今のところはないですね。僕が直接取るということもないと思いますし、マドン監督が取ることはあるかも分からないですけど、それはうちのチームとして方針はあると思うので、そこはもう完全に任せてます。
―投打の出場について、キャッシュ監督とマドン両監督は選手の判断に任せる意向。球宴のマウンドに立つにあたり障害、できないな、ということはあるか
できないな、と思うことはないですね。ただ選出はDHの選手なので、そこで投げることは適切なのかどうかは正直、分からないですし、そういう意味で、僕から他の監督に何か言うこともないですし、もちろん、投げて欲しいと言われれば、投げるとは思いますけど、僕から何かということはないかなと思います。
―自分がオールスターゲームに求めたいもの、そこで探したいものは
プレーヤーとしても必ずプラスにもなると思いますね。それは試合もそうですし、いろんな選手とコミュニケーションとって、やっぱ、トップの選手たちが集まってくるので、どういうプレーヤーなのかなっていうのも、観察できると思いますし、実際にゲームの中で、トップ選手のプレーを見る機会がたくさんあると思うので、必ず、プラスになると思ってます。
―オールスターに投票したことはあるか
投票したことはないですね。見たことはもちろんありますけど。
―思い出に残っているオールスターゲームは
やっぱりイチローさんが出てる試合かなとは思いますね。そこをメインに皆やっぱり見てたと思いますし、数多く映る場面が多かったので。ちょうど野球をやってて、一番楽しい時期でもありますし見てたかなと思います。
―イチローさんはMVPを取った。出るからには何かを目指したい
そうですね。結果もそうですし、まずは雰囲気自体をしっかり楽しんで、プレーしたいと思います。
―6月の月間MVP。打撃で何が良かったか
6月の上旬もそこまでホームランは出てなかったですし、もちろん、いい状態ではないという感じだったんですけど、徐々に、徐々に上がっていったのが後半だった、たまたまそういう月のあたりだったかなという感じではあるかなと思うので、ここからもう1回、仕切り直してシーズンの半分をしっかり頑張りたいなと思ってます。
―本塁打王争い。誰もが憧れるタイトルだと思うが、そこはターゲットにはならない
ターゲットになる、ならないはないですけど、もちろん積み重ねてそうなれば一番いいと思いますし、高い目標にはしているので、ただ、まだ(本数が)20後半なので、もちろん、ホームラン王争いになってくれば、40本、50本打たないといけないですし、まだ30本にも行ってない段階なので、1本1本積み重ねかなと思ってます。
―今シーズンを迎えるにあたり特に取り組んだことは
技術的なところよりはやっぱり左脚の使い方というか、去年は手術明けであんまり力が入っていなかったので、そこをもう1回、しっかり重点的にやろうかなと思ってやってました。 [日刊スポーツ 2021年7月3日9時6分]
sechin@nethome.ne.jp です。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |