梨を詠める歌、菅首相退陣、米東部の豪雨

梨を詠める歌
　バラ科ナシ属の落葉高木の山梨(やまなし)です。山梨(やまなし)は中国からやってきたと考えられています。持統天皇７年(693)の詔(みことのり)にクワ・カラムシ・栗・カズラとともに梨を栽培して五穀の助けとせよあります。梨は昔から栽培されていたのですね。
　万葉集には３首に登場します。

巻10-2188: 黄葉のにほひは繁ししかれども妻梨の木を手折りかざさむ

巻10-2189: 露霜の寒き夕の秋風にもみちにけらし妻梨の木は

巻16-3834: 梨棗黍に粟つぎ延ふ葛の後も逢はむと葵花咲く


ウェブニュースより
　菅首相退陣へ　自民総裁選に河野氏出馬意向、石破氏検討 ―― 菅義偉首相は３日、自民党総裁選への不出馬を表明した。首相が退陣するのを受け、河野太郎規制改革相が出馬の意向を固め、石破茂元幹事長も立候補の検討に入った。次期衆院選の「顔」を選ぶ総裁選は現職の首相に岸田文雄前政調会長が挑む構図から一変する。
　首相は３日の党臨時役員会で「新型コロナウイルス対策に専念したい。総裁選には出馬しない」と伝えた。その後、記者団に総裁選には「莫大なエネルギーが必要だ」と指摘し「（新型コロナ対策との）両立はできない」と説明した。

　総裁選は９月17日告示―29日投開票の日程で実施する。選挙戦は首相と、８月26日に出馬表明した岸田氏の２人を中心に展開するとみられていた。
　次期衆院選を目前に控えた今回の総裁選は事実上の「選挙の顔」選びになる。誰を新総裁にすれば最も多くの議席を獲得できるかといった議員心理が働く。
　世論調査で次の総裁として人気が高い河野氏はこれまで支えてきた首相の不出馬を受け、自ら総裁選に立候補すると決めた。
　３日には所属する麻生派会長の麻生太郎副総理・財務相と会談し出馬の意向を伝えた。麻生氏は「賛成もしないが反対もしない」と答えたという。
　河野氏はその後、都内で記者団に「私自身どうするか、先輩や仲間の議員とじっくり相談しながら決めていきたい」と話した。首相退陣については「支える閣僚の一人として力不足だった」と語った。

　態度を明らかにしてこなかった石破氏は３日、国会内で記者団に「全く新しい展開になった。状況の一変に伴う判断をしなければならない」と強調した。「何が日本や党のために取るべき道か、同志とも相談しながら、しかるべきときに結論を出したい」と述べた。
　岸田氏は３日のフジテレビ番組で「投開票までまだ1カ月近くある。この間、色々なことがまだまだある。緊張感を持って総裁選に臨み続けなければならない」と訴えた。
　候補者はさらに増える可能性がある。高市早苗前総務相は３日、国会内で記者団に「出馬の意思は変わらない」と語った。野田聖子幹事長代行も立候補の意欲を変えていない。立候補には20人の党所属議員の推薦が必要で、各候補は推薦人集めを進める。
　党内７派閥の動向も注目される。岸田氏は自ら会長を務める岸田派、河野氏は第２派閥の麻生派に属する。党内最大派閥の細田派や第３派閥の竹下派、二階俊博幹事長が率いる二階派などの対応が焦点になる。　　　　【日本經濟新聞2021年9月3日 18:31】

　米東部、記録的豪雨で死者40人　NYは交通マヒ続く ―― 米東部ニューヨーク州やニュージャージー州などを米東部時間1日夜（日本時間２日午前）から２日未明にかけて記録的豪雨が襲った。道路の冠水や家屋の破損といった被害が相次ぎ、米メディアによると少なくとも40人が死亡した。
　米南部を襲った大型ハリケーン「アイダ」が熱帯低気圧に変わり、東部で豪雨をもたらした。ニューヨーク、ニュージャージーの両州は1日深夜から2日未明に非常事態宣言を出した。

　降水量はニューヨーク市中心部のセントラルパークで1時間に3.15インチ（約８センチメートル）と過去最多になった。多くの場所で、９月の月間降水量を超える雨が一夜で降り、米国立気象局は鉄砲水の警報をニューヨーク市に初めて発令した。
　米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、水が流れ込んだ住居の地下から逃げ遅れたりして少なくとも40人が死亡した。降雨が短時間に集中し、非常事態宣言の発令も深夜だったため、迅速に避難できず被害が拡大したとみられる。
　ハリケーン「アイダ」が直撃した南部ルイジアナ州などは少なくとも4人の死者が確認されているが、東部での犠牲者はこれを大きく上回った。
　米国内の停電状況を追跡するパワーアウテージ・ドット・USによると、２日午後５時時点でニューヨークとニュージャージー、ペンシルベニアの３州で合計約11万世帯が停電している。通信障害も広域に及んでいる。

　交通網への打撃も深刻だ。中心部のマンハッタンでは地下鉄の駅に濁流が流れ込んだ。地下鉄はほぼ全線で部分的もしくは全面的に運行が停止した。列車は首都ワシントン―ボストン間で2日の運行を休止した。同路線はフィラデルフィアやニューヨークを通り、ビジネス客の利用も多い。
　ニュージャージー州のニューアーク国際空港は1階部分に浸水し、２日は約370便がキャンセルとなった。ニューヨーク州などは非常事態宣言の発令に伴い、住民に不要不急の車の運転を控えるよう求めている。
　ニューヨーク地下鉄を運営するニューヨーク州都市交通局（MTA）のジャンノ・リーバー会長は2日、米CNBCの取材で「気候変動による鉄砲水が起きても地下鉄に多くの水が流れ込まないよう、路面の排水能力をもう少し高めるべく市政府と連携する必要がある」と述べた。
　　
　　　　　【日本經濟新聞2021年9月3日 1:25 (2021年9月3日 10:29更新)】