本所(東京都墨田区)に江戸時代ころから伝承される奇談・怪談として、本所七不思議があります。江戸時代の典型的な都市伝説の一つであり、古くから落語など噺のネタとして庶民の好奇心をくすぐり親しまれてきました。いわゆる「七不思議」の一種ですが、伝承によって登場する物語が一部異なっていることから8種類以上のエピソードが存在します。
1. 置行堀(おいてけぼり)
魚を釣って帰ろうとするとどこからともなく「置いてけ~」の声が…無視して帰ると釣った魚がからっぽに。
魚を持って逃げようとして水中から出てきた手に掴れるという別のバージョンもあります。意外と怖いかもしれません。
2. 狸囃子(たぬきばやし) 馬鹿ばやし
どこからともなく聞こえてくるお囃子につられて歩き回るうちにいつの間にか朝になっています。狸の仕業と言われるが正体不明です。あまり怖くありません。
3. 送り提灯(おくりちょうちん)
酔った侍が歩いていると、提灯を下げた女が現れます。近寄ろうとすると女はす~っと消え、離れるとまた現れます。どこまで行っても提灯の明かりは同じ距離を保って進み、追いつくことができません。これも怖いですね。
4. 落ち葉なき椎(おちばなきしい)
本所にあった新田藩松浦家の上屋敷には立派な椎の木がありましたが、なぜか一枚も葉を落とすことがなく周りは奇妙に思ったといいます。少し不思議?
5. 津軽屋敷の太鼓(つがるやしきのたいこ)
本所の津軽越中守の屋敷にあった火の見やぐらです。通常、大名屋敷の火の見櫓では板木を鳴らしますが、なぜかここには太鼓がぶら下がっていました。なぜ太鼓なのか屋敷の者にもわからなかりませんでした。え? なぜ不思議?
6. 片葉の葦(かたはのあし)
本所に住む留蔵という男が自分に振り向かない女を殺して片手片足を切り落として死体を堀に投げ込んでしまいました。この事件以降、駒止橋付近の葦はなぜか片側しか葉が伸びなかったといいます。由来は怖いですが、葦自体は微妙です。
7. 灯りなし蕎麦(灯りなし蕎麦)
夜になると現れる蕎麦屋があったが、いつ行っても誰もいません。しかし、火の灯った行灯だけは一晩中燃え続けています。誰が油をさしているかもわかりません。そっスか~そういうもんすかね~というレベルで、あまり怖くありません。
8. 送り拍子木(おくりひょうしぎ)
ある夜、夜回りの男が「火の用心」と声をあげると、自分は鳴らしていないのに拍子木の音が聞こえてきたといいます。完全に勘違いでしょう。
9. 足洗い屋敷(あしあらいやしき)
本所三笠町にあった武士の屋敷で毎晩、天井裏から巨大な足が下りてきて「足を洗え」と声が聞こえます。洗ってやると引っ込むが、次の晩も現れるといいます。めちゃくちゃ怖いですね。
sechin@nethome.ne.jp です。
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