壱師(いちし)を詠める歌
壱師(いちし)は具体的に何をさすのかは確定していません。ギシギシ、イタドリ、イチゴ、エゴノキなどの説がありますが、彼岸花(ひがんばな)が最有力候補といわれています。万葉集には1首だけに登場します。
彼岸花(ひがんばな)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。曼珠沙華(まんじゅしゃげ)ともいいます。9月~10月にかけて、特にお彼岸のころ、赤い花(白いのもあります)を咲かせます。田んぼの畦(あぜ)などで良く見かけますね。
巻11-2480: 道の辺のいちしの花のいちしろく人皆知りぬ我が恋妻は
ウェブニュースより
逆境の祭典、オレンジ色の聖火が照らす 大坂選手が点火 ―― スポーツ界のレジェンド、被災地の子どもたちがつないだ聖火を、テニス女子の大坂なおみ選手(23)が聖火台へともした。無観客で開かれた23日の東京五輪開会式。祭典の象徴となるオレンジ色の炎をマスク姿の選手らが見つめた。競技場内外で選手や市民らが「密」になる場面もあった。
聖火トーチを持った大坂選手が富士山をモチーフにした山型のオブジェの前にたどり着くと、視線の先にある白い球体が徐々に開き始めた。一段一段、ゆっくりと階段を上る大坂選手。会場を見渡し、球体の中心に現れた銀色に輝く聖火台に点火した瞬間、水素を燃料とするオレンジ色の炎が勢いよく噴き出し、明るく周囲を照らした。
この日、東京都庁に到着した聖火。国立競技場(東京・新宿)では、五輪で3大会連続金メダルを獲得した柔道の野村忠宏さん(46)、レスリングの吉田沙保里さん(38)が最初にトーチを掲げた。プロ野球界のレジェンド、長嶋茂雄さん(85)、王貞治さん(81)、松井秀喜さん(47)の3人が引き継ぎ、松井さんが長嶋さんを支えながら、ゆっくり歩みを進めた。
聖火をつないだのは、新型コロナウイルス治療の最前線に立ってきた医師と看護師、夏季・冬季の両大会で金メダルを獲得したパラリンピアン、東日本大震災の被災3県の子どもたち。最終走者として大坂選手が登場すると、ピンク色の細かな束に髪を結った若きアスリートに会場の視線はくぎ付けになった。
大坂選手は海外でも高い知名度、人気を持つアスリートだ。「日本代表として五輪に出場することを誰よりも誇りに思っている」と常々話してきた。「歴史をつくるのが好き。『これは誰もやったことがない』って言われると、私の目標になる」。最終走者は大坂選手にとっても、これ以上ない大役だった。
人気スポーツのテニスで四大大会4勝の実力に加え、2021年は史上最も収入の多い女性アスリートになった。さらにスポーツ界のアカデミー賞と称される「ローレウス世界スポーツ賞」の年間最優秀選手賞を男女を通じて日本人で初めて受賞した。
そんな華やかさの半面、人種差別やジェンダー平等、メンタルヘルスなど、新型コロナウイルス禍で浮き彫りになった現代社会を覆う問題と向き合う存在ともなってきた。
政情不安で貧困にあえぐ中米ハイチ出身の父と、日本人の母を持ち、米国で育った。貧しさと豊かさ、アジアと米大陸の両方にルーツを持つ多様性がある。「BLM(黒人の命も大事だ)」運動についてはっきりと発言し、日本、ハイチ、米国で若い女性アスリートを支援する活動にも熱心だ。一方で自らの心の弱さ、未熟さをもさらけ出す勇気がある。
今大会は多様性と調和を基本理念に掲げる。大会組織委員会の担当者は24日未明、「大坂選手は日本を代表するアスリート。彼女は色々なメッセージも出しており、最もふさわしいと思い最終走者に決定した」と選定の理由を語った。
大坂選手は開会式後、ツイッターに英文で「間違いなく私の人生の中で最も素晴らしい名誉と成果です。この気持ちを表す言葉は見当たりませんが、感謝でいっぱいです」と投稿した。
入場行進、歓声なき客席
開会式の会場となった国立競技場。6万8千人収容のスタジアムに観客の姿はなく、式典には一貫してウイルスの脅威が漂った。それでも入場する選手たちはマスクの下から笑顔をみせ、ほぼ空席のスタンドに向けて大きく手を振った。
歌手のMISIAさんが君が代を独唱し、伸びやかな声が響き渡った。熊谷和徳さんのタップダンスは会場の隅々にまで靴音を届けた。
様々なパフォーマンスが披露された後の午後8時半ごろ、選手の入場は始まった。国や地域を問わず、国旗や手を振りながら行進、会場全体に明るいムードが漂う。最後を飾ったのが開催国の日本。選手たちは午後10時半すぎ、赤いスラックスに白のジャケットという日の丸カラーのいでたちで登場した。
約150人の先頭に立つ旗手は、バスケットボール男子の八村塁選手(23)とレスリング女子の須崎優衣選手(22)が務めた。
八村選手はベナン人の父と日本人の母のもと富山市で育ち、中学1年でバスケットボールを始めた。「(米プロの)NBAに行くんだ。オリンピックに出るんだ」。コーチにも背中を押され、いつしか2つの夢は具体的な目標へと変わった。
高校で全国制覇を果たし、大学から米国へ。全米を代表する選手へと成長し、2019年に日本選手として初めてNBAドラフト1巡目指名を受ける。
そこから世界最高峰の舞台で2季プレー。心身ともにたくましくなった23歳は悲願の1勝を目指すチームのエースとして格上の強豪に挑む。
女性の旗手はレスリング50キロ級の須崎選手。入場の際は203センチの八村選手と50センチ差の小柄な体格が目立ったが、得意のスピードを武器に金メダルを目指している。
3階層のスタンドは、1席ごとに黄緑や茶、白など5色でモザイク状の配色。座席が照らし出されると、人影のように浮かび上がり、客席に観衆がいるかのような印象を与え、無観客の寂しさを薄めてみせた。 【日本經濟新聞 2021年7月24日 1:30】
sechin@nethome.ne.jp です。
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