瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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 昨日は土用の丑の日でした。ご存知の通り日本には古くから、土用の丑の日には鰻を食う風習がありましたが、最近では鰻の値段が騰がって一般庶民の口にするものではなくなってしまいました。最近はうなぎが減って20146月、ニホンウナギが国際自然保護連合の絶滅危惧種に掲載されたということです。
 
まあ、土用の丑の日に鰻を食う風習というのは「丑の日」に因んで、『う』から始まる食べ物を食べる風習があると言うことなので、昨夜の我が家の夕食は「饂飩」で我慢しました。
 万葉集の第16巻の38533854に次のような歌があります。
 原文: 石麻呂尓 吾物申 夏痩尓 <>跡云物曽 武奈伎取喫  作者: 大伴家持(おおとものやかもち)
 
よみ: 石麻呂(いはまろ)に、我()れ物(もの)(まを)す、夏痩()せによしといふものぞ、鰻(むなぎ)()り食()
 
意味: 石麻呂(いはまろ)さんに申し上げますよ。夏痩()せに良いそうですから鰻(うなぎ)を捕って食べてくださいな。

 原文:痩々母 生有者将在乎 波多也波多 武奈伎乎漁取跡 河尓流勿 作者:大伴家持(おおとものやかもち)
 
よみ:痩()す痩すも、生()けらばあらむを、はたやはた、鰻(むなぎ)を捕ると、川に流るな
 
意味:痩せていても生きていられれば良いではありませんか。ひょっとして、鰻(うなぎ)を捕るために川に入って、流されたりしないようにね。
 日
本では奈良時代の『万葉集』に「武奈伎(むなぎ)」として見えるのが初出で、これがウナギの古称です。院政期頃になって「ウナギ」という語形が登場し、その後定着したといいます。そもそものムナギの語源には
 
①家屋の「棟木(むなぎ)」のように丸くて細長いから
 ②
胸が黄色い「胸黄(むなぎ)」から
 
③料理の際に胸を開く「むなびらき」から
など、いくつかの説がありますが、いずれも民間語源の域を出ません。
 ウ
ェブニュースより
 ウナギ、完全養殖で救え 孵化は成功、ただし値段は… ―― 絶滅の恐れがあるとして、ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに載ってから初の「土用の丑(うし)の日」を29日に迎える。日本の食文化にも欠かせない希少生物の保護や増殖に取り組む最前線の現場を訪ねた。/青い光に包まれたひんやりした実験室の水槽で、ニホンウナギの幼生がゆらゆら。孵化(ふか)したばかりで体長は数センチだが、サメの卵などを食べて体長5~6センチ、親と同じ形の稚魚(シラスウナギ)に育つ。三重県にある水産総合研究センター増養殖研究所。4年前、人工授精から育ったウナギが卵を産み、孵化する「完全養殖」に世界で初めて成功した。/ニホンウナギは日本から約2千キロ離れた太平洋で産卵し、川で5~10年ほど生きるが、海での暮らしはよくわかっていない。漁獲量が不安定な天然の稚魚を使わない完全養殖は夢の技術だ。昨年度は約400匹が稚魚まで育った。研究の第一人者、田中秀樹・ウナギ量産研究グループ長は「水槽さえ増やせば人工授精から育った稚魚の出荷は今でもできる」と言う。/ただ、値段は天然の数十倍。親ウナギはホルモンを与えないと卵を産むまで成熟しない上、生まれて稚魚になるまで長くて700日と手間がかかる。稚魚に育つ生存率も1割以下だ。/それでも4年間で餌やホルモンの開発が進み、研究の舞台も「実験室」から「工場」に移りつつある。今年2月、静岡県にある千リットルの大型水槽で稚魚の飼育に成功したと発表。生存率は実験室よりさらに低い1%ほどだが、今も300匹余りが育つ。今後、民間の技術協力で水槽を増やす。/ 「研究すればするほど稚魚を大量に飼う難しさが分かってきた」と話す田中さん。天然の稚魚を守るためにも、将来、養殖に使う稚魚の一部を人工生産で補うことを目指している。
■なぜか、雄が9割:稚魚から養殖すると、ほとんどが雄になる――。その謎の解明に取り組むのは、愛知県水産試験場・内水面漁業研究所だ。/ウナギは生まれた時に雌雄の別はなく、50グラム前後に成長した時に決まるとされる。研究所によると、養殖で育てると9割以上が雄になる。稚魚を養殖池に入れた後に雄に偏るとみられ、天然ウナギと極端な違いがある。/養殖は成長を促すために高い水温で育てるほか、養殖池は自然界より個体数の密度が高い。冨山実主任研究員(57)は「養殖だと密度が高く、個体数を調整するために雄が多くなるのではないか」とみる。/研究所は今春から、養殖ウナギの雌雄が決まる条件を調べている。餌の量を変えたり、ストレス軽減のために隠れ場所を用意したりと、条件の異なる四つの水槽で800匹を養殖。「雌を増やして放流し、将来の資源回復につなげたい」と冨山さんは話す。

■漁獲量5分の1:水産庁によると、国内で昨年とれたニホンウナギの稚魚は過去最低の5.2トンで、取引価格は1キロ248万円。10年間で漁獲量は約5分の1に減り、価格は15・5倍に跳ね上がった。今年の漁獲量は昨年の約3倍の16.0トンになり、価格も1キロ92万円に下がった。不漁傾向に変わりはないが、一部でかば焼きの値段が1~2割ほど下がっている。
 水産庁は不漁の原因として、乱獲や産卵前のウナギが生息する川の環境悪化などを挙げる。環境省は15日、ニホンウナギの生息環境を調べる調査を神奈川県内の川から始めた。水産庁も養殖業者を許可制にして生産量を規制する方針だ。鹿児島県など5県では水産庁の指導で、川から海へ産卵に向かうウナギの漁などを一定期間禁止している。/地道な環境改善の動きもある。茨城県の認定NPO法人「アサザ基金」は、霞ケ浦周辺で子どもたちと無農薬米を育てたり、コンクリートの側溝を改修してウナギのすみかを造ったり。2011年までの50年間に漁獲量が約50分の1になったウナギ一大産地の復活が目標だ。ウナギを呼び戻すためには水門を開ける必要があり、17日に県知事に要望書も出した。飯島博代表理事は「ウナギが自然のつながりの中で生きていることを広めたい」。   (朝日新聞 20147281013分)

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140729/k10013363291000.html

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