瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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f8d862b9.jpg 隅田川沿いの落書き遊歩道を北上。明治通りを横切り、石濱霊園の脇道に入ると、汐入本通りという道に出た。ここを北上し、瑞光橋公園、産業技術高専、汐入公園の前を通って、3・4日前に通ったばかりの胡録神社前に来た。ここから西に進み、常磐線のガードを抜けて、最初の信号を右折すると、そこに小さな古ぼけた日枝(ひえ)神社があった。案内板によれば山王清兵衛というお方が歯痛に耐えかねて切腹し、歯痛の神様になったとか。
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e221df69.jpg さらに西進すると、千住大橋に出た。最初に千住大橋が架橋されたのは、徳川家康が入府して間もない文録3(1594)年11月のことで、隅田川最初の橋である。当初の橋は現在より上流200mほどのところで、当時「渡裸(とら)の渡し《戸田の渡し》」とよばれる渡船場があった古い街道筋にあたる場所と思われる。架橋を行ったのは関東代官頭の伊奈忠次(1550~1610年)。橋長66間(120m)、幅4間(7m)の橋で、土木工事の大家であった伊奈忠次でも難工事であったようで、熊野権現に祈願してようやく完成したといわれるほどであった。
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6e6d9ecc.jpg 日光街道を横切ってのすぐの路地を右折すると、そこに熊野神社があった。案内板にもあるように、この熊野神社はこの地に栄えた材木商の信仰を集めたという。荒川の水運を利用して上流の秩父辺りから良質の材木がこの辺りに集められ、沢山の材木商人達が往き来したという。
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e9b08d2f.jpg 千住大橋を渡って足立区に入ってみた。橋を渡ってすぐの路地を左折すると突き当たりに橋戸稲荷神社がある。この稲荷の拝殿は土蔵造りで、その扉の内側に伊豆の入江長八(いりえちょうはち、1815~1887年)製作の狐の鏝絵(こてえ)が描かれているという。入江長八は伊豆の松崎町の生まれで、松崎町には長八美術館がある。
 日光街道に戻ると、千住大橋を引き返し、昨日通ったコツ通りを南下し、方々で仕事にあぶれた労務者が屯している吉野通りを通って帰宅した。本日の徘徊は11987歩、7.7㎞。
 日吉(日枝)・山王信仰の祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)といわれる。「咋」は「杭」と同義で、山に杭(くい)を打って「ここは私の所有地だよ」とすることを意味する。つまり、この神は山の所有者という訳である。しかし、ここは千住の日枝神社は1316年に建てられたと伝えられる千住宿の鎮守であったということで、江戸時代には山王社と呼ばれていたそうで、その他の詳細は不明。案内板にある清兵衛の小祠も何処にあるか判らなかった。江戸時代に浅草の日本堤以北に拡大していった地域を守る塩入土手が千住宿を起点にして此処の南を通っている。
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6842c9e1.JPG 熊野神社は江戸名所図会によれば伊弉諾尊一坐のみを祀り、源義家の奥州征伐のときここに至って河を渡るときに霊瑞があり、鎧櫃にいれていた紀州熊野権現の神幣をここに留めて祀ったとされる。江戸名所図会に、「当社や南の飛鳥明神(素盞鳴尊神社)はいずれも紀州熊野であり、両社がここにあるのはなにかの謂れがあると思われるが伝記がいろいろあって詳しくはわからない」と記されている。小さな社殿がぽつんとあるのみであるが、千住宿の東側には1316年創建とされる日枝社があり、この付近が鎌倉~戦国時代の要の地であったことが窺がえる。
b5a8cfc5.JPG 橋戸稲荷神社の祭神はお稲荷さんだから倉稲魂神(うかのみたまのかみ)。案内板にあるように、この付近の半農半漁の開拓民が祀っていたようで、創建は延徳4(1490)年である。千住の渡し場の小高い丘に小さい社があり近在の農民や荒川(入間川)の船頭の信仰を集めていたという。文禄3(1594)年に千住大橋がかけられ、江戸時代にはいると上流からの物資輸送など人馬の通行が多くなったようである。延徳5年(1490)に本殿、文久2年(1862)に拝殿が建立され、現在の本殿は土蔵造りで扉の内側に伊豆長八による雄雌の狐の鏝絵(1863年)が描かれているというが、早朝だからだろうか扉がしまっていて観ることは出来なかった。
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