にんじんはカレーやシチュー、煮物、サラダ、洋食の添え物などさまざまな料理に使え、常備しておきたい野菜のひとつです。かつては子供が嫌いな野菜として名前があがっていましたが、にんじん特有のにおいや風味を抑えた品種が増えたことで、好きな野菜として名前があがるようになりました。
にんじんを大きく分けると「三寸」や「五寸」などを代表とする「西洋系」と、京都の「金時(京にんじん)」や沖縄の「島にんじん」を代表とする「東洋系」の2種類に分類されます。国内で一般的に流通しているのは西洋系のにんじんで、東洋系は普段あまり目にすることはありません。
にんじんの原産地は中央アジアのアフガニスタンで、現在のアフガニスタンに横たわる山脈「ヒンドゥークシュ(ヒンズークシ)」山麓で栽培されたのが始まりと考えられています。古代ギリシャでは薬用として栽培されていたようで、その頃のにんじんは根が枝分かれした刺激の強いものだったそうです。円錐形のにんじんは10世紀頃に現在のトルコ西部辺りで誕生したと推定され、12~15世紀頃ヨーロッパに広がりました。現在のようなオレンジ色のにんじんは17~18世紀頃にオランダで作り出されたものといわれています。
東洋系にんじんは12~13世紀頃に中国に伝わり、改良されて日本にも伝わりました。伝来時期は定かではありませんが、日本では「新刊多識編」(1631年)に「胡蘿蔔(セリニンジン)」と記されていますので、少なくともその頃には伝わっていたと考えられます。
現在主流の西洋系にんじんが日本にもたらされたのは江戸時代後期になってから。その頃に現在と同じ西洋系にんじんが伝わり、それが明治時代以降に普及しました。
全体がなめらかなオレンジ色で皮に張りのあるもの。肩の部分が緑がかったものは避けたほうがよいでしょう。葉の切り口の軸は小さいほうが果肉がやわらかい傾向にあります。切り口の軸が太いと芯の部分が太く果肉もかたい可能性があります。
にんじんとは、セリ科の越年草のことです。地中海沿岸地方原産で、根は黄橙色・紅赤色で、円錐形で太く、地中に伸びます。葉は羽状に細裂します。野菜として栽培されます。
にんじんは、その根に頭や足・手と、人のような形をしたものが最上とされ、「人参」と名付けられました。ただし、ここでいう「人参」の名は、奈良時代には渡来し、薬用として栽培されていたウコギ科の「朝鮮人参(オタネニンジン)」のことです。
野菜のにんじんは、地中海沿岸地方から中国を経て、16世紀に日本に渡来しました。根が朝鮮人参、葉がセリに似ていることから、当初は「セリニンジン」と呼ばれたのです。
その他、朝鮮人参と野菜のにんじんを区別するために、「菜人参(なにんじん)」「人参菜(にんじんな)」、畑に植えることから「畑人参(はたにんじん)」などとも呼ばれました。やがて、野菜のにんじんが主流となり、セリ科のにんじんを指すようになったのです。
sechin@nethome.ne.jp です。
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