はすの花が咲いた後、実のはいった花もうが肥大します。これがハチ(蜂)の巣に似ているため、「蜂巣」、それがつまって「はす」になりました。
食用として利用されるものの原産地はエジプト、インドのなどの説がありますが中国ではないかというの説が有力となっています。大陸から渡ってきた歴史は古く「常陸風土記」(718年)「延喜式」(927年)に記されています。
また、1951年に千葉で大賀博士は2000年前のはすの実を掘り出しました。驚いたことにそれが芽をふき、花を咲かせるほどの生命力があります。
「常陸風土記」より「神世に、天より流れ来たりし水沼なり。生ふる所の蓮根は、味わいとことに、うまきこと他し所に絶れたり。病ある者、この沼の蓮を食へば早く差えて験あり」とあることから、今とかわらずれんこんはおいしい上に病気が早く治るというのような薬膳の効果があったようです。
花は7月~8月の盛夏に集中して開花します。20枚あまりの花弁が朝早くから開き始め、午後には閉じて、4日目には開いたまま散ってしまいます。
日本ではレンコンはおせち料理に欠かせない物となっていますが、それはレンコンの形状に理由があります。輪切りにした時に丸い空洞が並んでいて、向こうが良く見える事から、「先の見通しが良い」という縁起を担いで食べます。
今、市場に出荷されているものにはかなり昔に中国から伝えられた在来種と、明治時代以降に中国から入ってきた中国種があります。
中国種は、ずんぐりと太く肉厚で、病気に強く収穫量が多い。在来種は、ほっそりとして柔らかく味が良い。現在市場に出回っているもののほとんどは中国種が占めるそうです。
中国種群は明治時代初期に中国から導入した品種を改良したもので、現在流通しているレンコンの多くがこの分類に入ります。比較的多く栽培されているのは、ふっくらと丸い「金澄(かなすみ)」系や「だるま」系の品種です。金澄は中国種群と在来種群のレンコンを交配して誕生した「金澄1号」から「金澄37号」まであり、中でも「金澄20号」が多く普及しています。また徳島県や愛知県で多く栽培されている節間が細長い「備中種」や、石川県や山口県が主産地の「支那白花」などもあります。石川県産のものは「加賀れんこん」、山口県産のものは「岩国れんこん」とも呼ばれます。
在来種群は江戸時代以前に日本に伝わり各地で根付いたものが在来種群として分類されています。中国種に比べると細長く少し茶色がかった色をしていて、肉質は粘質でやわらかく味がよいとされています。しかし根が深くて生産量が少ないため、あまり流通はしていません。品種としては「天王」などがあります。
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